<独自>「拉致被害者帰還を優先に」米超党派議員、トランプ氏に書簡 対北外交を後押し

【ワシントン=坂本一之】米連邦議会の共和、民主両党の議員17人がトランプ大統領(共和党)に対し、北朝鮮による日本人拉致被害者の「帰還」に向けた政策を優先するよう求める書簡を送っていたことが25日、分かった。トランプ氏は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との再接触に意欲を示しており、超党派の議員で拉致問題解決への行動を後押しする狙いがある。

共和、民主両党議員は書簡で、トランプ政権の北朝鮮政策において「同盟国の日本と緊密に協力し、拉致被害者の帰還を優先させるよう強く求める」と訴えた。

トランプ氏に対し「拉致被害者の窮状について再び世界的な注目を集め、有意義な前進をもたらす機会を大統領は持っている」と呼び掛け、北朝鮮との対話で拉致問題を提起し解決を促すよう求めた。

トランプ氏が大統領1期目の2017年に国連総会の演説で拉致問題に言及したことによって「国際的な注目」を集めたと評価。2回にわたって被害者家族と面会したことも振り返り、被害者の帰国が実現すれば「歴史的な外交政策の達成となる」と対応を促した。

拉致被害者、横田めぐみさん(60)=拉致当時(13)=の母の早紀江さん(89)が「残された拉致被害者の家族で生きている唯一の親」だとして、時間的制約のある問題であることを強調した。

書簡は共和党のジェン・キガンズ下院議員(バージニア州選出)と民主党のジル・トクダ下院議員(ハワイ州選出)が中心となりまとめ、4月4日付でトランプ氏とルビオ国務長官に送られた。

トクダ氏は産経新聞の取材に対し、拉致問題は「被害者全員が帰国するまで解決しない」と指摘。書簡を取りまとめた理由などに関し「トランプ氏の全面的な協力と支援を求め、この問題が忘れ去られることなく、北朝鮮とのあらゆる接触において拉致問題が取り上げられるよう取り組むことが重要だ」と述べた。

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