生産面から見たGDP
生産面から見たGDP = 国内産出額 ー 中間投入
- 小麦農家は小麦を作り、100円で小麦を売る。
- 付加価値は100円
- 製粉業者は100円で仕入れた小麦を製粉して小麦粉を作り、200円で小麦粉を売る
- 中間投入は100円(小麦)
- 付加価値 = 200円(小麦粉) ー 100円(小麦)
- 製粉業者が生み出した価値(付加価値)は100円
- パン屋は200円で仕入れた小麦粉でパンを作り、パンを300円で売る
- 中間投入は200円(小麦粉)
- 付加価値 = 300円(パン) ー 200円(小麦粉)
- パン屋が生み出した価値(付加価値)は100円
小麦農家が生み出した価値(100円)、製粉業者が生み出した価値(100円)、パン屋が生み出した価値(100円)の合計が生産面から見たGDPです。
分配面から見たGDP
先ほどのパン屋が得た100円(付加価値)は、従業員の賃金や政府に収める税金になります。
支出面から見たGDP
支出面から見たGDP = 民間支出 + 政府支出 + 総固定資本形成 + 輸出 ー 輸入
- 輸出は他国からの支出
- 国民が生産
- 他国からお金が入ってくる
- 輸入は他国への支出
- 他国が生産
- 他国へお金が出ていく
- 民間支出、政府支出において輸入に使われた分はマイナスになる
- 民間支出、政府支出が増えたからと言って必ずしもGDPが上昇するわけではない
生産過剰の場合、支出が足りないのでGDPが伸び悩みます。
需要が小さい場合、企業は人手を求めないので有効求人倍率が下がります。
有効求人倍率が1を下回っている場合、求職者の方が多く、人手過剰であり供給過剰です
支出過剰の場合、生産が足りないのでGDPが伸び悩みます。
需要が大きい場合、企業は人手を求めるので有効求人倍率が上昇します。
有効求人倍率が1を上回っている場合、求人の方が多く、人手不足であり供給不足です。
https://freejob.work/content/b00161倍を上回ると求職者よりも求人数が多いことになり、人手不足という状況だと判断できます。
令和6年8月の有効求人倍率は1.23倍
供給制約
需要に対し、人手不足や物流の停滞などで供給が一時的に追いつかないこと。
労働供給制約社会
労働力の供給が不足している社会を指す
労働供給制約社会では、労働力が需要を満たすことが困難になる可能性があります。
これによって企業が人材を確保することが難しくなり、生産性や経済成長に悪影響を及ぼすことがあります。
供給を他国に頼ると、輸入が増えるので自国のGDPが伸び悩みます。
2023年の貿易収支は6兆6,290億円の赤字となり
他国が生産をするので、他国のGDP(国内総生産)が伸びます。
GDP(国内総生産)
一定期間内に国内で産み出された物やサービスの付加価値の合計のこと
一定期間内で計算され、1年ごとに生み出される生産量になります。
政府支出において、一つの支出で長い期間、生産量増加に貢献する支出が大切になります。
作り話になりますが、例えば政府支出で
- 1000円で箱を作れば、今年のGDPに対して1000円プラスになりますが、次の年ではプラスされません。
- 箱を作る時に人を雇うので雇用対策です。
- 1000円で毎年1000円の水を生み出す装置を作れば、今年も来年も再来年もGDPに対して1000円がプラスされます。
- 装置を作る時に人を雇うので雇用対策です。
- 毎年GDPが1000円プラスになるので経済対策です。
賢い支出
積極財政はケインズに連なり、ケインズは財政支出の際にはワイズスペンディング(賢い支出)が重要だと主張しています。
ワイズスペンディング
賢い支出
経済学者のケインズの言葉。不況対策として財政支出を行う際は、将来的に利益・利便性を生み出すことが見込まれる事業・分野に対して選択的に行うことが望ましい、という意味で用いられる
放漫財政になると、GDPが伸び悩み、GDPに対しての債務残高が高くなります。
生産性
https://www.zeiken.co.jp/zeikenpress/column/0003zp20211214/労働生産性とは、従業員一人当たりの付加価値額のこと
付加価値が低いモノを生み出していても大量生産をすると、労働生産性が高くなります。
少量生産でも、付加価値が高いモノを生み出していると、労働生産性が高くなります。
付加価値から賃金が支払われるので、1人当たりの付加価値額(労働生産性)が賃金に影響を与えます。
- いくら需要が強くても、生産をしていない人は賃金を得られません。
- いくら需要が強くても、労働生産性を上げられない人は賃金が上がりません。
- 財政支出や金融緩和などによりお金の量を増やしパイを増やしても、多くのパイを得られるのは労働生産性を上げられる人だけです。
他国
アメリカは農業生産性が高く、安く売ってもしっかりと利益が出るので、アメリカは日本や他の国に安く農産物を輸出し、世界の食糧庫と言われています。
1農場当たりの農家の数はわずか1.5人