DEEP STATEは13日「ロシア軍がパイプライン経由でクピャンスク近郊に兵士を送り込んでいる」「恐らくウクライナ軍はこれを否定するだろう」と報告したが、ウクライナ軍参謀本部は「パイプラインの出口は我々の管理化にある」と美しい報告を発表した。
参考:Мапу оновлено
参考:“Труба 3.0” — кацапи через газову трубу долають Оскіл та заходять у Куп’янськ
参考:В Генштабе уверяют, что ситуация в Купянске и трубопровод – под контролем ВСУ
参考:Трубопроводные войска в деле
残念ながらアウディーイウカとスジャの経験が活かされていない
DEEP STATEはクピャンスク方面について13日「ロシア軍がラドキフカ西郊外で前進した」「ロシア軍がクピャンスク北市内に足場を確保した」「ロシア軍がキンドラシフカ集落内に足場を確保した」と報告し、どうやってロシア軍がオスキル川西岸=クピャンスク西郊外にアクセスしているのかについて「ライマン・パーシイからパイプライン経由でラドキフカ郊外に兵士を送り込んでいる」と明かした。
“ロシア軍はパイプラインを使用してアウディーイウカやスジャに部隊を浸透させたが、残念ながら3度目のパイプライン作戦でオスキル川西岸に部隊を浸透させている。ネット上には「パイプライン作戦でポクロウシクに浸透している」というデマが拡散されているものの、その映像はクピャンスクで撮影されたものでパイプラインの出口は西郊外のキンドラシフカ近郊=Ⓐにある。ロシア軍が完全な物流ルートに作り変えたパイプラインの入口はライマン・パーシイにあり、パイプの中の移動には特別に設計された車輪付きの台車、天井高のある場所では電動スクーターが使用されている”
“このルートでの移動には約4日かかるため、パイプの途中には休憩地点や食料の備蓄場所まで設けられている。ロシア軍は組織的なパイプライン作戦のおかげでラドキフカまで損失なく移動することができ、そこから制圧済みの森林地帯に移動し、分散してクピャンスク市内に浸透して線路沿いに到達している。恐らくウクライナ軍の報道官はパイプライン作戦の存在を否定し「クピャンスク市内に浸透している敵は無秩序で少数だ」と発表するだろうが、既にクピャンスク市内には敵ドローンオペレーターのための陣地が存在する”
“さらに問題なのはクピャンスク市内に住む住民の強制避難が行われていない点で、ウクライナ軍にとって防衛作戦の障害になっており、敵が浸透した市内に残っている住民は敵に食料まで分け与えている。アウディーイウカとスジャの経験が活かされていないのは残念だが、今回のパイプライン作戦が今後の教訓になることを願っている”
ウクライナ軍参謀本部はDEEP STATEの予想通り「敵がクピャンスクへの人員輸送に使用したパイプラインの出口は自軍の支配地域にあるため我々の管理化にあり、パイプライン自体はクピャンスク市内に直接繋がっていない。クピャンスク地域には4本のパイプラインが存在し内3本は損傷して浸水している。そして4本目の出口は我々の管理化にある」と主張。

出典:Генеральний штаб ЗСУ
ウクライナ軍参謀本部が公開している公式戦況マップ(非常に広域で細部の動きを把握しづらいもの)に基づけば、確かにDEEP STATEが報告したパイプラインの出口=Ⓐは「ウクライナ軍支配地域」に存在しているものの、この前線ラインと「クピャンスク西市内で発生している交戦状況」は矛盾しているため、ウクライナ軍参謀本部の発表は美しい報告である可能性が高い。
因みにRYBARはDEEP STATEの報告をそのままで引用し「アウディーイウカやスジャと同じようにクピャンスクでもパイプラインを利用した作戦が行われている」と報告している。
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※アイキャッチ画像の出典:DEEP STATE
















