ジョージ秋山『ザ・ムーン』読み始めました。


『ザ・ムーン』は中学生くらいの時に、トンデモ漫画の紹介本や、道満晴明『ぱらいぞ』のネタで見たことがあり、「いつか読みたいなあ」と思いながら生きてきました。

この前本屋に行ったら、復刊ドットコムから完全版が出ていました。レジを通すと、1冊4620円して、「あっ」と思ったのですが、平静を装って購入。

昨日第一巻を読み終えて、1万近くさらに出費することになるけど、早く2・3巻を買わねばと思いました。


ザ・ムーンは、選ばれし子供たち9人の想いが一つになると動く巨大ロボットです。

無表情なロボットなのですが、オーバーヒートするとザ・ムーンは目からオイルを出して大号泣します。


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主人公のサンスウもザ・ムーンもドバーッと泣く 


ロボットを動かす子供たちも一枚岩じゃないし、そもそも一番下の子「ヨウチエン」がめちゃくちゃ幼くてチームとして連携をとるのも一苦労です(ヨウチエンは頑張ろうとするけど、熱を出したりする)。

そして敵の「連合正義軍」は、恐怖支配で平和をもたらすために水爆を落とそうとする団体です。

正義・悪、敵・味方の線引きが割合複雑です。スカッとしないムードで話が進んでいき、そこへさしてザ・ムーンたちが泣きまくります。

今だとこういうロボットものも多いのかもしれないですが、1972年に『少年サンデー』連載でこのノリなのはすごいなあ・・・と思います。

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敵の連合正義軍も常に泣いてる。(ヘルメットに涙の跡がある)


そのほか、ザ・ムーンを開発した魔魔男爵の手下の忍者・糞虫(くそむし)のすさまじい強さ、流先輩の三島由紀夫ぶりの割腹、急にあらわれるオランウータン怪獣など、挙げだしたらキリがないワールドの展開・・・

ツッコミ所として読めてはしまうのですが、作品のムードがガチなので、読んでる自分も「うおおおお!がんばれ・・・!」と真剣になれます。

「今後友達と話すときに、一切通じていないのにザ・ムーンのマネをしつこくするんやろうな・・・」という予感がするくらいハマってます。

第2巻は有名な般若心経の回があるみたいでたのしみです!