5月22日(木)17時より、大本山増上寺「松・杉の間」におきまして16名の参加者のもと第1回事前研修会を開催しました。
当日は、6月10日(火)に行われる「自死者追悼法要 倶会一処~ともに生き、ともに祈る~」に向け、学びを深める尊いひとときでありました。
今回の研修会は、浄土宗光照院ご住職であり、大正大学仏教学科・淑徳大学看護栄養学科等の非常勤講師等を務められるほか、2009年に生活困窮者支援グループ「ひとさじの会」を設立し、現在も事務局長として路上生活者の人々の支援活動に尽力されている、吉水岳彦上人を講師にお迎えしました。
ご講義では、自死によって大切な方を失ったご遺族に対し、どんな最期や別れ方であったとしてもその喪失感やどんな感情も受け止めてくださる阿弥陀様の存在をお伝えし、お念仏を称えていただくご縁づくりが肝要であること。私たちが寄り添って、言葉にならぬ祈りの声ーなむあみだぶーと一緒に「ともに祈る」ことが大切であることを学ばせていただきました。
ご自身の信仰やご経験、お釈迦様の逸話やお経典からの引用、法然上人および近代念仏者のお言葉をふんだんに盛り込んだ講義資料は、今後ご遺族の方々と接する上で幾度となく心の支えになるであろう、僧侶として糧となるものでありました。
「良い死に方」「悪い死に方」―そもそも死に善し悪しなどあるのでしょうか?大切なのは、凡夫である私たちが自らの価値観でジャッジすることではなく、ご遺族の想いに寄り添い、耳を傾けること。そして、自らがお念仏を称え励み信仰を深めていく「自行」の姿がそのまま、大切な方を亡くされたご遺族の方と阿弥陀様をおつなぎする「化他」になることを、吉水上人の力強いお言葉やそのお姿から学ばせていただいた研修でありました。