ベトナム人の男4人、ドラッグストアでの窃盗事件は「1日1万円」で誘われ…SNS「ザロ」で盗む商品指定
福岡県警は7月までに、2月18、20日に北九州市などのドラッグストア3店で化粧品など計114点(計約53万円相当)を盗んだ疑いで、ベトナム人の男4人を窃盗容疑で逮捕した。同18~20日に県内の別の11店でも同様の事件があり、4人は関与を認めているという。県警は被害総額が約180万円に上るとみている。 【図表】ベトナム人グループによる万引きの構図
7月までに起訴された3人の公判などによると、4人は技能実習生として働いていたが逃亡。茨城県などでそれぞれ生活する中、SNSで知り合った指示役らから「福岡で盗みの仕事」「1日1万円」と誘われた。指示役からはベトナムのSNS「ザロ」で盗む商品を指定されていたという。
4人は盗品を大阪府内へ発送。他の差出人からの荷物もあり、宅配伝票の品名は「菓子」や「本」と偽られていた。県警は指示役が各地でグループを作って万引きさせていたとみている。
高額商品は空箱で対策
「在庫確認などの負担も含めた大きな被害だ」。2月、万引き被害に遭った福岡県北部のドラッグストアの男性店長(40歳代)は憤る。
当時、系列店で被害が相次いでおり、従業員が来店した外国人風の男1人を警戒した。だが、その後に入店した2人組の男がリュックの中に1万8700円(税込み)の漢方薬や栄養剤など20点(計約10万円相当)を次々と入れる様子が防犯カメラに映っていたという。男らは待機していた別の男の車で逃走した。入店から十数分だった。4人はこの店での窃盗容疑でも逮捕されている。
被害後、高額商品は空箱を並べ、出入り口が見える場所に従業員を配置した。店長は「被害が続けば経営にも影響が出かねない」と話す。