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奥深きGIZAの世界

倉木麻衣さんを世に送り出したビーインググループのGIZA studioですが、当時話題になった宇多田パクリ騒動を筆頭に、出てくるアーティストが悉く”流行っている何か”を模倣しているような、そんなレーベルだなーとリアルタイムで思っていました。(注:好きではある。)
この度、同レーベルから放たれた音楽を聞き、同レーベルのWikipediaの所属アーティスト欄を参照しながら、今まで漠然としていたモノをゆるーく検証しつつ、自分の感覚は正しかったのかを振り返ってみたいと思います。

倉木麻衣と宇多田ヒカル

倉木麻衣 / Love, Day After Tomorrow

宇多田ヒカル / Automatic

この2者、似ていると当時言われてましたが、発売のタイミングから前評判なしに聞いていた身としては、あまりピンと来ていないです。自分の中では倉木麻衣さんは完全にビーイング=J-POPの延長で、完全にR&Bだという印象の宇多田ヒカルさんとはそもそも違う次元で捉えていました。倉木麻衣さんの柔らかい声が、当時ソウルフルなボーカルが主流だったR&Bのメインストリームの雰囲気とあまりにかけ離れていたからでしょうか。
今になって聞けば、確かに似ている…かもしれない。
確かに、椅子の演出は被せたらイカン気がします。

愛内里菜と浜崎あゆみ

愛内里菜 / GLORIOUS

浜崎あゆみ / 𝓜

自分は浜崎あゆみさんの大ファンだったので、愛内里菜さんの登場は「ついに来たか…」という感じでした。そう、この頃からすでにGIZAの明らか模倣路線には気づいており、いつかあゆの模倣も出て来るのだろうと考えていたのです。
ただ、愛内さんはビーイング系には珍しく割と露出も多くて、関西弁でチャキチャキ喋るキャラもあり、独自路線を極めて行ったように思います。

New Cinema 蜥蜴とblur(とpre-school)

New Cinema 蜥蜴 / CaNDY LiFe

blur / Girls And Boys

pre-school / SPUNKY JOSH

blurに関しては、フォロワーはなぜか皆「blurやってます」感を前面に出してきますね。
pre-school(大好きでした)も、雑誌のインタビューでも開き直ったような発言もよく見かけていました。一方で言われることへの悲しみなんかも綴られていたように記憶しています。
New Cinema蜥蜴はさらに上手(うわて)で、楽曲だけでなくMVまで含めて、相当な開き直り具合で、これからも語り継がれるべき存在かと思います。
ただ、blurの「Girls And Boys」リリースが1994年で、New Cinema蜥蜴のこの曲が1999年。この5年という、シンクロにしては遅すぎるし再評価にしては早すぎる絶妙なタイミングは何なの…?
1999年といえば、自分の記憶を辿ると、音楽誌ではブリットポップがブームもとうに去り、ヒドい評価を受けていた記憶(ブリットポップ好きだったので悲しかった)があります。そんな最中で堂々とこのMV…色々凄いです。

WAGとOasis(とWINO)

WAG / Free Magic

Oasis / Whatever

WINO / 太陽は夜も輝く

オアシスフォロワーはごまんといますが、日本では当時WINOがよく引き合いに出されていたように思います。
WINOはそういった時期を経て、人気アニメの主題歌をやったりして知名度を上げつつ、どんどんサウンドは洗練され、独自の邦ロック路線を歩んで行きました。
一方、WAG。こちらはいきなり名探偵コナンの主題歌をやった事でヒットも飛ばし、チャンスを手にしますが…意外にもその後はあまりチャートには登場しません。絶対売れると思ったんですが…ルックスもいいんですけどね。「Free Magic」のBメロの”Free〜”の感じと、Oasis「Whatever」のAメロの”I’m Free〜”の音、似てますよね。
ちなみに彼らのWikipediaを見てみると、メンバーの嗜好する音やプレイヤーとして挙がっているのはStereophonicsやRadiohead、Ocean Colour SceneなどUKロックと、Mr.BIGやNirvana、Marylin Mansonなどのハードロック〜オルタナティブ(括りが雑ですが)で、確かに分かりやすいくらいその2要素が混ざったサウンドだなと思います。

吉田知加と椎名林檎

吉田知加 / こうぶつ

椎名林檎 / 幸福論

吉田知加さんは、椎名林檎さんがデビューした2年後にあたる2000年のデビュー。椎名林檎さんの「本能」が1999年のリリースですから、すでにブレイクして雨後の筍のようなアーティストがたくさんいました。漢字2文字にカタカナみたいなタイトルの付け方や、旧仮名遣いなどはちょっとしたブームになり、今でも模倣している人がいますね。
吉田さんはその辺りはそこまで露骨ではないのですが、やはり歌い方とモダンなメロディが、確信犯的なフォロワーであるように感じさせます。実際どうなのでしょうか。
とは言え、今の耳で聞くと、そこまでクセはなかったりしますし、昔から一定数同じようなコンセプトでやられているアーティストはいますので、当時の林檎ブームの中で飲み込まれてしまった可哀想な1人なのかもしれません。


sweet velvetとthe brilliant green

sweet velvet / flame of love

the brilliant green / 冷たい花

今回初めて聞いたのがこのsweet velvet。こちらは曲によってはふとブリグリを感じさせる時があります。UKロック的な気怠いギターに、可愛い声。素晴らしい。(この組み合わせは、発明ですね。)
曲によって全然違う聞こえ方をするボーカルは、トミーさんのそれとも近い。

しかしブリグリフォロワーの本命はこちら、rumania montevideoでしょう。こちらはフォロワーであり(そう)ながら、曲が良すぎてもうその世界を飛び出していますが…。最近活動再開されていますね。ぶっちゃけ、大好きです。

rumania montevideo / Still For Your Love

宇浦冴香と木村カエラ

あまりリアルタイムではないのですが、宇浦さんを聞いた時は木村カエラさんを思い出さずにはいられませんでした。そんな風に思っていたのは、自分だけ? ロックで可愛くてポップ。
稲葉さんがプロデュースした曲は結構有名ですが、しかしやはりどこかGIZAはコンセプトが弱くて、何か長続きしないんですよね。この人も一応名前を変えて残っているけど、いつの間にかほぼフェードアウトしています。

宇浦冴香 / Sha la la -アヤカシNIGHT-

木村カエラ / リルラ リルハ

ということで、独断ですが、やはりGIZAは流行りの音やキャラクター、ファッションに敏感で、新しいアーティストを企画する際には明確なモデルをセッティングし、綿密にマーケティングを行い、理想のアーティストを作り上げていたのではないかと改めて思いました。
ここだけ見ればまあ普通のことではあるのですが、GIZAのアーティストって何か生気がなくないですか? 目が死んでいるし、なんか実在しているのか怪しいような。もちろんテレビ出演が少ないことも影響していると思うのですが…。
青田買いしたアーティストたちに、今やっている音楽をやめさせ、マインドコントロールをしたうえでGIZAが用意した楽器、バックバンド、ファッション、キャラクターを無理矢理当てがわせ、ただGIZAがお膳立てした事をやるだけのアンドロイドに仕立て上げる…
そんな妄想が膨らんでしまうのでした。

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奥深きGIZAの世界|土星
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