2025年9月6日、2024年8月から行われていた、Claudeで著名なAI企業Anthropic社に対する無断学習罪関連の集団訴訟において、Anthropic社が約15億ドル(約2200億円)の和解金を提示。おそらくこのまま和解するとみられる。
一見するとAnthropic社が敗北したような状況だが、本裁判では、裁判所が最初に無断学習自体には違法性が無いという結論を出しており、この2200億円は、無断学習罪に対して支払われる和解金ではない。「売り物である出版物を(日本で言う漫画村のような)違法ダウンロードサイトからダウンロードして機械学習した」事に対する和解金である。破棄対象になる学習データも、「無断学習した分」ではなく、「違法ダウンロードして学習した分」に限られる。
よって、一般的な反AIが主張するような、「作者に無断で学習したら、それが何であっても全て罪」というアマチュア・セミプロ向け無断学習罪については、むしろ「そこを争点にして戦ったら勝てない」という現実が突きつけられた形となっている。この裁判は無断学習罪の裁判として始まったが、それでは勝負にならず、やむを得ずただの違法ダウンロード裁判にスライドして、どうにか勝ったのである。和解は判例として扱われないが、次回以降同種の裁判で、無断学習罪を主たる争点にして戦うのは、かなり厳しいと言わざるを得ない。
https://x.com/YashiroRL/status/1964227642065862859
https://x.com/matsumoto0007/status/1964254232875507860
この裁判を「無断学習罪が認められた」と誤認している反AIがかなりの数存在するが、どちらかと言えば逆という事である。