メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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 どこかのタイミングでライドウネタを使いたいと思っているうちにライドウのリメイクが発表されたので小説を更新したまえという悪魔のささやきだと受け取った所存。

 そこは神のお告げとかじゃないのかって?
 そんな不吉なモンいらんわ。
(メガテニスト特有の感想)



カジュアルプレイヤー:4

「……チッ! 特務少尉の肩書は伊達や酔狂ではない、ということか。いいだろう、ならばコチラも本気でいかせてもらうとしようッ!」

 

 

 尉官教育を受けていないから実際伊達だし現場の経験があるからってだけでそれがまかり通るのはかなり酔狂だとボクは思います。

 

 それはともかく。

 

 

「なッ!? ソウゴッ! 貴様、戦闘区域以外でのシキガミの使用は認められていないのを忘れたのかッ!!」

 

「アキラ教官、この男の実力を試すにはこれぐらいはしなければ意味がありません。大丈夫です、生活区域に被害を出すようなヘマはしませんから」

 

 

 ゲームだったりマンガだったりで行われる定番のそーゆーことじゃねぇんだよという頓珍漢な問答をしながらソウゴなる少年が構えたるは筒状のナニか。それの中にシキガミが封じられているとすれば、彼の戦闘スタイルは所謂ライドウ系デビルサマナーということだろうか。

 そのうち出てくるだろうな〜、とは思ってたけどね。名前に葉っぱが含まれている名門がどーのこーのって時点で、まぁ何処かのタイミングで葛葉由来の知識や技術がコンニチワしてくるんじゃね? と想像してたよ。この区画を取り仕切る御三家のひとつから命令を受けて動いている特務少尉の前で教え子が堂々と軍規に違反するのを見せられたアキラには悪いが、情報源としてはとても優秀な動きをしているので俺的にはオッケーでぇ〜す☆

 

 

「来いッ! 風牙ッ!!」

 

 

 アレは……あの細長い胴体に犬っぽい頭はイヌガミかな? 俺の知ってるイヌガミとはなんか細かい所が違うような気がしなくもないが。

 

 

 んで。

 

 心の海から観察してみてピクシーさん、アレってどうなの? アウト? セーフ? 

 

 

(んー、ギリ許す)

 

 

 ほぅ。その心は? 

 

 

(あのニンゲンとなんかの縛りみたいな繋がりはあるっぽいけれど、ムリヤリ従えているってワケでもなさそうだし。本人が納得してるんならそれでいいんじゃない? MAGの流れも別に変なカンジはしないし)

 

 

 ほーん。

 

 リュウドウ様のお屋敷ではシキガミの気配を感じなかった、しかし規則で使用できる区域が明確に分けられている程度にはその存在が当たり前に受け入れられているから普通に使えますよ……と。はて? 俺の記憶が確かならシキガミ使いは特別なお役目だと巫女さんが仰っていたハズなんですがね。

 ま、その辺りの事情については終わってからゆっくりと考えることにしよう。バイオニックポチみてーなシキガミを操っていたユウコ女史が普通にムドオンって魔法の名称でスキル発動していたように、このソウゴ少年もスキルを明確な形で使えるかもしれんワケだからな。油断、ダメ、ゼッタイ。

 

 

「風牙、奴を倒すために力を借りるぞ」

 

『……キサマがそれを求めるなら、我は力を貸そう』

 

 

 あ、普通に喋れるんスね。

 

 っていうか、なんかシキガミ側のテンション微妙じゃない? こっちは数少ないチャンスからひとつでも生き残るためのヒントを探らなきゃならないんだからもっと真面目にやってよ。

 

 

(アタシたちの気配、感じてるんでしょ。あんなの、アタシが本気を出さなくてもジオ一発で消し飛ばせるし。だからニンゲンのほうがアンタに勝てるつもりでいるのが不思議なんじゃないの〜?)

 

 

 だけど契約のような縛りがあるからソウゴ少年の要請には応えないといけない、と。

 

 うーん、それはちょっと厄介だな。警戒されるだけならともかく、俺の内側に複数の仲魔が存在していることがバレるのはとてもよろしくない。本職の巫女さんでも気配を感じるだけで詳しいことはわかっていない雰囲気だったけど、相手はシキガミ半分アクマ半分ぐらいの存在っぽいし下手なことできんぞ? 

 

 とりまピクシーさん以外の力は使わない方向でいこう。

 

 

 ほんで、ソウゴ少年のほうは────。

 

 

 

 

「さぁ、覚悟はいいか?」

 

 

 

 

 覚悟ぉ〜? 

 

 ハッ、なにを言い出すかと思えば……。

 

 

 Dクラス帝国市民としての国家貢献活動から始まってブタ玉野郎にマハラギオンでブッ飛ばされてから覚悟もヘッタクレも関係ないまま次々と厄介事に突っ込まれて散々死にかけてきたこの俺がいまさらこの程度のヌルい状況で精神的に追い込まれるようなことなるワケねーんだわ。むしろこうして自分が今日まで歩んできた道程を振り返るほうがよっぽどメンタルの負担がデケェんだわ。クソがよぉ……。

 

 

 しかし、そんな俺の心情など無関係ッ! 

 

 正面からのソウゴ少年の踏み込みッ! 

 

 

 ひとつ、ふたつと斬撃見切り。しかし向こうはシキガミを出しているのだから追撃のスキルが……スキルが……こないねぇ? 

 

 

「ガルッ!!」

 

『哮ッ!!』

 

 

 えぇ……? わざわざ詰めた間合いを離してから魔法使うのぉ……? そんなんじゃ甘いよ、見てから回避余裕でしたよ。そしてソウゴ少年、そこで悔しそうに「避けた……だと……?!」とか呟かれても困るのよ。逆になんで当たると思った? 

 

 

 ちょっとピクシーさぁんッ! 

 

 

(それが縛りなんじゃない? 力の支配率がニンゲン側に大きく偏ってるみたいな。だから、あのニンゲンがああやってイチイチMAGを流してやらないと能力を使えないんだと思うわ。たぶん、だけど)

 

 なーほーね? いや本体のMAGを消費してスキル発動のルールは俺らも変わんないじゃん。

 

(でもアンタ、アタシたちに命令したりしないでしょ?)

 

 お前はなにを言っているんだ。助けを求める側が手助けしてくれる相手に命令するとか有り得んだろ。

 

(あっそ。アンタのそーゆー変わらないところ、アタシけっこうスキよ? で、一体これからどうするつもりなワケ? なんだか面倒なだけで面白い発見とか期待できなさそうなんだけど)

 

 

 それな〜。

 

 とりま考察タイムが欲しい気分になってきたし、ソウゴ少年にはここいらでリタイアしてもらおうかな。

 

 

 狙い目はサーベルによる斬撃からシキガミによる魔法スキルへと切り替えるタイミング。そこを全力で蹴り飛ばす────と見せ掛けて、胴体に蹴りが当たる瞬間に軽くブレーキ。ソウゴ少年の胴体へのダメージを最低限に抑えつつ、見た目だけは派手に後ろに吹き飛ぶので決着の形としては悪くないだろう。

 ま、こうして手加減したところでさすがに衝撃全てが緩和されるなんてことはない。石造りのアレとかコレじゃなくて場外の樹木に叩き付けただけ我ながら優しい対応ができたのではなかろうか? それでもワラワラと物陰から現れたお友達の皆さんからの反応はちと渋いが。

 

 

 会話の必要は無い。

 

 それは俺の役目じゃないからだ。

 

 

 と、いうことだからアキラ。その跳ねっ返りどもをしっかりと労ってやれよ? 

 

「ハッ! 了解でありま……え、労う?」

 

 そう、労うんだよ。お前がね。

 

 誰かが憎まれ役を引き受けたのなら、それ以外の大人が味方してやらないとガキ共が捻くれちまうだろう? そしてこの場でそれができるのはお前しかいないんだから、先輩としてイイ感じにアイツらを励ましてやることだ。言いたいことも色々あるだろうが、それは一旦全部飲み込んどけ。これは特務少尉としての正式な命令だよ。

 

「マジっすか……これでも一応、教官役として規律とかそういうのにも少しは責任のある立場なんですけど……」

 

 奇偶だな、実はこう見えて俺も戦闘行為に関する事柄には責任のある立場なんだ。

 

「……はぁ〜。わかりましたよ、特務少尉殿。連中のフォローは俺のほうでなんとかしておきます。その代わり、と言っちゃあなんですがね。今回の一件もそうですけど、跳ねっ返りどもの相手、ちゃんとお願いしますよ?」

 

 

 いやいやいやいや……それ、学生相手とは言うけれど実際のところ結構しんどいと思うんですが。ソウゴ少年の蹴りごたえ、まるで何枚も鉄板を重ね合わせたかのような感触だったし。これが有名無実のクソザコナメクジ集団だったらナンボでも気兼ね無くへし折れたけど、ちゃんと育ってる若者を訓練過程で潰すワケにゃいかんだろうよ。この区画の支配者やってる御三家から悪い意味で注目されちゃうじゃん。

 

 でも良い意味で注目されたとしても面倒なことにしかならねぇ気がするんだよなぁ……。気に入られたらそれはそれで信用という名の脅迫によって厄介事を押し付けられるだろうし。アレ、どう転んでも俺に逃げ道無くない? そりゃいつものことかッ! ガハハハハッ!

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