メガテニストはディストピアでもヘコたれない。 作:はめるん用
頭を狙いたいところだが欲張るな、的の大きい胴体に確実にブチ込むッ! お願いだから反射だけは勘弁してくださいッ!
うるァッ!
「ぎゃあッ!?」
んごォッ!?
反動パネェなこいつッ!? デモニカスーツの上半身が完全に壊れたとはいえ、MAGコートが周囲のMAGの影響でバリバリにサポートあってもこれか……ッ! そりゃ生身で撃ったら手首なんか一発で終わるわ。なんなら腕全体がヤバいことなるんじゃね?
それで、ダメージのほうは──おぉッ! 通ったッ! 脇腹がMAGコートごと削れてるぞッ! 反動を制御しきれなかったせいか直撃ではなかったみたいだが、フルパワーで叩きつけた斧が折れたことを思えばダメージを与えただけでも試した価値はあったってもんよッ!
そう。ダメージを与えられるということは、ヤツは決して無敵の存在ではないということ。
無敵の存在でないのであれば、攻撃を続ければ必ず倒す方法はあるということだ……ッ!!
だからなんだよダメージが通ったって戦力差が天地ほどにも乖離してる事実はなにひとつ変わらねぇだろうが攻撃を続けたところでダメージレースはこっちが周回遅れどころじゃないレベルで負けてんだよバカじゃねぇの? 通常攻撃を一発入れるために左腕を一本ロストしてんだけど。
やっぱ主人公とか言われてる連中はどいつもこいつも頭イカれてるのばっかりだな! アイツらこんなクソみたいな可能性の搾りカスみたいなの根拠に格上の強敵に当たり前のように喧嘩売るんだぜ? しかもそれで普通に逆転して勝ちやがるし。だからといってメガテンの世界で主人公になりたいかと言われれば……もちろん全力でお断りです!
「救世主様ッ!!」
「えぇいッ! 身命を賭してお守りしろッ! 帝国の狗に我らテンプルナイトの希望を奪わせるなッ!!」
そしてこの取り巻きの量よ。
「さて……こうも数の暴力を前にすると、三人でコロニーを歩いていたときを思い出すな?」
「そうですね。あの頃に比べればずいぶん僕たちも強くなりました。それ以上に……危険な状況に追い込まれてしまいましたが」
どうにか復活したふたりも満身創痍か。マハガルーラの標的はあくまで俺だったおかげか、一応デモニカスーツの原型は残ってるな。どんな力加減が働いたのかヘルメットの部分は完全に壊れてるけど。
さて、こうなるといよいよ手詰まりだな。手持ちの手札をほぼ使いきって、パワーアップした仲間もボロボロで、逆にテロリスト集団は救世主様であるボンボンを守るためにモチベーションも高いしズラリと並んで威圧感凄いし。
これはもうどうにもならん。
どうにもならんから……。
足元に転がってる、中身入りのMAG結晶体を砕いちゃうのも仕方ないよね~?
えぇ、バッチリ見えてますよ。将校殿が落としたのか、周囲の青ローブが落としたのかは知らないけれど、悪魔のシルエットがバッチリ見えてますとも。
とりあえず拾い上げてみるとして。うん……見られてるわ。俺が悪魔を認識しているように、悪魔も俺という存在をしっかりと認識しているらしい。
だって内側からMAG結晶体をドンドン叩いてるみたいな動きしてるもん。
MAGドンとは新しいな……。さっさと自分を解放して名前を寄越せとでも騒いでいるんだろうか?
ほかにこの場を生き残る手段が無いのは理解してるんだけど、コレ、呼び出したあとのこと考えるとリスクとんでもないんだよなぁ。
死亡フラグを折るためにさらに強力な死亡フラグを振り回していくスタイルとか、いったいどんな罰ゲームなんですか?
はぁ~~~~。覚悟、キメるか。
マモル。
ホノカ。
先に謝っておくわ。
暴走して巻き添えでブチ殺しちゃったらマジでゴメン。どうにか気合いと根性でイイ感じに逃げ回ってくれ。
急になにを言い始めた? みたいな顔でキョトンとしているふたりを無視して、ソーマの入った小瓶と一緒にMAG結晶体を握り締めてぇ……ハイ、バキッとなッ!
さぁ、目覚めろ。
そして思い出せ。
──汝は魔王『ミノタウロス』なり。