メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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アンサング:11

 管理社会っていうのは、なんというか……自由意思があっちゃいけないんだよ。それこそ、階級が上の人間ほど国家に心酔してないとダメなんだ。

 

 

 つまり、なにが言いたいかというと。

 

 

 ディストピアっぽい世界観やってるくせに特権階級の上の人間が国家を裏切ってんじゃねェェェェッ!!

 

 やるなら俺みたいな下っ端がうっかり鉢合わせしないような場所をちゃんと選べよォォォォッ!!

 

 テメェらTPOってもんを知らねぇのか企み事も満足にできない社会人のクズどもがァァァァッ!! 

 

 管理社会なんだろッ! (洗脳的な意味で)教えはどうした教えはァァァァッ!! 

 

 

 

 とりま敬礼はしておこう。どんなときでもアイサツは大事だって古事記にも書いてあるらしいし、主星にアマテラスなんて名前つけて宇宙開発進めながら古くさい文化を残してるなら尚更のこと重要だべ。

 なにより立場的に間違いなく向こうのインテリが目上の軍人だし。もっとも? 俺の産まれや育ちを考えればこの宇宙に生きる人々の大多数は俺より目上の存在かもしれないけどね~。Hahahaha! 

 

 

 お取り込み中、失礼します閣下ッ! こちらに避難してきた民間人はおりますでしょうかッ! 必要であれば、我々が避難誘導の任を承る所存でありますがッ! 

 

「なるほど、ご苦労でした。しかしわざわざ来てくれたところ申し訳ないが、ここにいるのは私と友人たちだけなんだ。キミたちに命令しなければならないような案件は特に思いつかないな」

 

 ハッ! 了解しましたッ!! 

 

 

 よし帰ろう。

 

 

「いや……しかし……」

「その……えぇと……」

 

 

 予定調和だよ、ふたりとも。

 

「「え?」」

 

 今回の一件、たぶんイレギュラーなのは俺たち調査隊の存在だけ。それ以外はぜ~んぶ予定通りの想定の範囲内ってヤツだろうさ。誰が生き残って、誰が犠牲になったのかも含めてな。

 だからホラ、将校殿のお召し物も式典に参加できそうなほど調っているだろう? 俺たちみたいなDクラス上がりの兵隊でさえ、どんな汚染区域が発生してるかわからないってデモニカスーツを使わせてもらってるのに。

 

 

 ちなみに。ピクシーさん? 

 

(あの青ローブのニンゲンたちが運んでるモノ、たぶんアレがMAGパッケージってヤツね。一応、波長から中身がなんなのかもわかるけど……聞きたい?)

 

 知ってた☆

 

 

「ふむ。下級帝国市民が必ずしも無能ではない、などという与太話を聞かされたときは下らない妄言だとばかり思っていたが……なかなかどうして使えそうな駒もいるじゃないか。空気が読めるということは、とても良いことだよ」

 

 ハッ! お褒めに与り、身に余る光栄であります閣下ッ!!

 

 与太話と妄言は意味が近いからセットで使わなくてもいいんじゃね? というツッコミは命に関わるかな……。

 

 

「……私はリーダーの判断に従おう」

 

「……そう、ですね。僕たちの中ではリーダーが一番知識も豊富でしょうし」

 

 

 ふたりとも、納得はしていないみたいだな。当たり前か。それでも俺の露骨な態度から危険を察知して合わせてくれるところは流石だね、ナガレイシだねぇ!

 とにかく。俺たちの任務は完了した。俺がそう判断したから誰がなんと言おうが完了した。だから閣下のお機嫌がよろしいうちに帰りましょ♪ 

 

「与えられた命令を忠実に実行することにキミたち駒の存在価値がある。

 だがそれはそれとして、言葉にせずとも我々上官の意図を察して行動できる駒が貴重なのも事実だ。そういう意味では、キミは実に利用価値の高い兵士だと言えるだろう」

 

 

 お、くるか? 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが、キミのその小賢しさはただの駒には過分というものじゃないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「リーダーッ!?」」

 

 チィッ! 服の上からもMAGコートの光がわかる、高級将校だからって性能の高いヤツ着込んでやがるなッ! 

 

 露骨で雑過ぎる前振りのおかげで将校殿の突進からの刺突はガードが間に合ったが、まさかデモニカスーツの重量込みで吹っ飛ばされるとはなぁ。

 タイミングの調整は完璧だったのに踏ん張りきれなかった。こりゃ単純なフィジカルで争ったら向こうが有利か? 周囲に漂うMAGの光をどれだけ有効活用できるかで勝率も変わりそうだが……それは相手も同じ、か。

 

 

「フフフ、良い反応をするじゃないか。だが、いまの一撃で素直に死んでいたほうがよかったんじゃないかな? 嬲り殺しにして苦しむ姿を楽しむ趣味は持ち合わせていないのだが」

 

 嘘つけぇ、生きた人間をオモチャにできるのが楽しくて仕方ないって顔してんぞテメェ。

 

 はぁ~~~~。許されるなら最高にクソデカため息を吐き散らかしたい気分だわ。どうせ戦うことになるんだろうとは覚悟してたけどさ。

 

 

 しゃーない。──将校殿、ひとつ質問の許可をいただきたいのですが。

 

 

「なにかな?」

 

 第三者に知られて困る秘め事があるのであれば、何故出入り口を内側から封鎖なさらなかったのでしょうか? 

 

 もしかして、その程度の予防策も思いつかないほどの温室で育った見かけ倒しの階級だけで偉そうに能書きを垂れ流しておられるのですか? どれだけ実戦経験が足りてないクソザコ童貞なんですか? 

 童貞なら童貞らしく、今後は自分の愚かさをキチンと自覚なさり策士の真似事など止めたほうがよろしいかと。どうしても暗躍ごっこ遊びがしたいのであれば、まずはご母堂にご相談なさってよくできまちたね~イイ子でちゅね~と空っぽのオツムをヨシヨシナデナデしてもらってから実行するほうが青二才のインポ野郎にはお似合いでありましょう。

 

 

「~~~~ッ!!!!」

 

 

 おや、怒鳴るんじゃなくて顔芸でリアクションしてきたか。コレは転生してから初めてのパターンかな? それとさっきまで不機嫌だったマモルとホノカがなんか嬉しそうにニヤニヤしてるのはなんでなんだぜ? 

 ま、いいや。やる気があるのは結構なことだよ。必然的に青ローブの集団も相手しなけりゃならんのがちとキツいが……そういや未だ遭遇してない悪魔の問題もあったわ……テヘペロ☆

 

 とりあえず将校殿は俺をロックオンしてるだろうし、マモルとホノカが青ローブどもとの戦いに集中できるよう上手く誘導して──。

 

 

 …………。

 

 

 …………。

 

 

 今回さぁ、別に俺がボスキャラを挑発してタゲ取る必要なかったよねぇ?

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