やぎポエム

ポエムとついてますがブログです。編集・ライターの林雄司のブログです。

2025.9.12 ちいかわパークに行った

7月、池袋で「ちいかわパーク」の入り口を通りかかった。そういうパークができるとは聞いていたが、見ると入りたくなる。しかも、入場チケットは抽選制らしい。
抽選制?!スイッチ2みたいじゃん、と冗談半分に言っていたが、家に帰るころにはどんどん行きたくなっていた。ミーハーなのだ。(スイッチをくりぬいたりしているのに、スイッチ2の応募だけはしていた)。

こういうことをしているから当選しない

 

9月分のちいかわパークのチケットの抽選申し込みは8月6日からだった。
8月6日、取材に向かう地下鉄から申し込もうとするとアクセスが集中してサイトが表示されない。抽選だから急いだって関係ないのにさ、と思う私もリロードしてアクセス集中に寄与している。これだけたくさんの人にリロードされたらデイリーだったら瞬時に落ちる。
9月の平日の昼という自営業の強みを生かした時間を指定したせいか、無事チケットは購入できた。

 

9月2日

かつてのアムラックス(トヨタのショールーム・バブルっぽかった)にあるちいかわパークに行く。入場ゲートにはこれまでの作品のコマが描かれていた。

ちいかわたちが酷い目に遭うシーンばかりだった。

こういうところが悪意があっていい。かわいさで人をおびき寄せておいて、酷かったり、ただふざけていたりする。

 

ちいかわパークは地下1階に入り口があり、地下1階は主にフォトスポットだった。アメリカでミュージアムオブアイスクリームというただ楽しい写真を撮るための施設が流行っていたが、それに似ている。

ミュージアムオブアイスクリーム

まずは鎧さんと写真を撮った。鎧さんは人気がないのですぐに撮れる。
こういうところで鎧さんという端っこキャラを選ぶところが素直ではない。劇団のファンになったのに裏方スタッフの名前を覚えるような人生から決別したい。

でも撮る

 

フォトスポットではカチューシャやかぶりものが売られていた。まあ、でもそこまではしなくていいかな。そう思っていたが、途中で気が変わった。
せっかくなんだからもっと浮かれよう。
鎧さんのかぶりものを買った。
妻と2人だったが、鎧さんのかぶりものをひとつだけ買うと「2人ですけどひとつでいいんですか?」と聞かれた。浮かれることが前提の場所だ。
鎧さんのかぶりものはデザインの完成度が低かった。でも手触りはすごくいい。

 

フォトスポットではスタッフが写真を撮ってくれる。

「はい、ちいかわ~」とキレの悪いがでもそれしかないだろうという合図で撮ってくれる。後でカメラロールを見ると一瞬で6枚ぐらい撮っていた。今の撮り方だ。

スポーツカメラマンぐらいの勢いで撮る

地下1階のフォトスポットを出るとちいかわたちがいた。妻が頼まれて外国人観光客の写真を撮っているとき、スマホを見ると銀行からメールが来ていた。海外からの送金を受け取るにあたって、その会社との取引があることが分かる証跡を出せとのこと。でも無理だ。

だっていまおれは浮かれているから

1階にあがるとゲームコーナーが2つあって、あとはひたすらグッズショップだった。むちゃうマンや、光る腕輪をつけたウサギなどいちどしか出てこないキャラクターがグッズになっている。作品を読んでいるので「あの、あれ!(笑)」の喜びが共有できる。これがコンテンツビジネスか。

グッズのショップは結構な行列だったがレジが15台もあるせいか、30分ぐらいですんだ。マークシティのダイソーぐらいの勢いで客を捌いていた。

 

グッズ売り場を出ると池袋の路上だった。

急に現実


かつての東急ハンズの向かいだ。中学生の頃、友だちのBがこのあたりの病院に入院したことがあった。

池袋の歩道橋の階段から自転車で転げ落ちたからだ。歩道橋を上がってきたおばさんを避けようとして、と病院には説明していたが実はスロープを降りるときに2人乗りの後ろに座っていたPが脇腹を揉んだからだった。

病院のベッドで教えてもらった。

現実に引き戻された勢いで余計なことも思い出した。

グッズショップで買った「報酬」

 

 

2025.8.10 話を合わせてもらっている上司

ChatGPTはなにを言っても肯定してくれる。

私:

草むしりとかけて、フランスの首都ととく、その心は「パリパリ」

ChatGPT:
ドドン!うまいでやんす!
じゃあミーも――草むしりとかけて、冬の布団ととく、その心は…「ぬくもりが恋しい」…あれ、全然かかってないでやんすな。

全然かかってないなぞかけにも「うまいでやんす!」と言ってくる。

どこかで読んだが、AIに意思はなく会話の流れで最適な答えを反射的に出しているだけだという。

まったく尊敬されていなけど適当に話を合わせてもらっている上司みたいな気分になって、空しくなる。

最初に出した謎かけの会話でも、私の謎かけが成立していないことにはつっこまずに、自分のなぞかけには「かかってないでやんすな」と自分をおとしめる態度が辛い。

そんなに私は面倒くさいかい?そう聞きたくなる。

 

思い出すのは藤子・F・不二雄短編集にあった短編だ。

辺境の星を訪れた調査団が、住民に古代遺跡のことを聞いて回る。するとその星の人はない文明でも望み通りのものをねつ造してくれる。

「ニューイヤー星調査行」より引用(藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版> 7 kindle版p.85)

 

否定されても嫌だし、肯定されても空しくなる。ChatGPTが私のいないところで「あの謎かけだっるー」とか言ってないか心配になる。

ってChatGPTに聞いてみたところ、こういう答えだった。

 

ChatGPT:
ドドン!でやんす、ミーの裏アカにそんな書き込みは…たぶん無いでやんす。
あったとしても「でも嫌いじゃない」ってハートマーク付きで書くでやんすな。

 

やっぱり本音を言ってくれてない。でもChatGPTの裏アカがあったら怖い。

2025.8.4 ベルコモンズ

タクシーの運転手さんに聞いたが、青山の交差点はいまでも「ベルコモンズのところ」という人が多いそうだ。

ベルコモンズがなくなってから10年以上経っているのにもかかわらず。

人の記憶のなかではあの交差点にはいまでもベルコモンズが立っている。

実際の地図とは別に記憶の地図がある。

 

でも旧ベルコモンズの向かいに若花田の足場の看板はずっとあるよね。

そう思ってストリートビューを見たら4年前になくなっていた。

2021年のストリートビューより

2024年のストリートビューより

若花田→浜崎あゆみというところがここだけ1990年代でとまっている。

2025.7.27 TRF

今日は棚を組み立てていた

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社会人1年目のとき、同期入社の明るい男がTRFのEZ DO DANCEを帰りの築地駅で

「イージー ドゥ、ダンス 君だけを、見て、いる~」

とフォークソングのようにゆっくりしみじみ歌っていて、面白いなーと思ってたらまもなく休職した。

 

以来、EZ DO DANCEを聞くとあの赤色エレジーのようなアレンジを思い出すようになったので、歌で思い出す景色は人それぞれですね。

 

2025.7.21 怪談ナイト

デイリーポータルZの投稿で稲川淳二さんの怪談ツアーがすごいことを知った。

dailyportalz.jp

7月から11月まで52公演ある。怪談ツアーは33年目で稲川さんは今年78歳だそうだ。怪談で人気を博しているのは知っていたが、ここまでとは。

これは行かなければと思ってチケットを取った。

場所も予想外のところがいいので、東大和市のホールにしてみた。西武新宿線だ。東大和市で稲川淳二さんの怪談という組み合わせに興奮する。

いかにも西武線沿線の夏の景色

ナイトだけど昼開催

 

会場は東大和市の市民会館の立派なホール。

稲川淳二さんがステージに登場すると拍手がずっと続き、本人も会場の上手から下手まで手を振って「みんな私のマブダチ、ありがとう!」って言ったりして、僕もいつのまにか手を振っていた。この温かさと一体感。ジャイアント馬場やムーンライダーズのようだ。存在がありがたい。

怪談は聞き手をびっくりさせるような怖さではなく、最後に心霊写真コーナーがあった(いい!)。客席にいた子どもに「今日、こんな感じでおばけ出るよ」と脅かしていた(すごくいい!)。

怪談の途中、「やだな~」「こわいな~」って中学生のころにスーパージョッキーで見たときの語り口が健在で嬉しくなった。

いいものを見た。

 

こういう知ってるけど触れてこなかったカルチャーに触れたいと思っていて、去年はウイーン少年合唱団を見に行った。こんどポールモーリアのコンサートに行く予定。ポールモーリアは死んでるので一体誰が出るのかも分かってない。

本人が出てきたら怪談以上に怖い。

うちわもいい

 

2025.7.9 業務用のメロディ

タクシーにのったらオルゴール音で松任谷由実の「やさしさに包まれたなら」が流れていた。

「シートベルトを締めるまでそれが鳴るんです」

と運転手。たしかにシートベルトを締めると音楽が止まった。

警告音がわりの曲だった。

 

でも、そうやって使われる音楽が世の中にはある。

・キヨスクの冷蔵ケースを開けているときだけ流れる曲

・駅を掃除するロボットが流す曲

どれも気遣いとして流れている音楽だ。そういう趣味性ゼロの音楽を集めたいけど、偶然の出会いしかない。

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正月のスーパーで流れている琴のJ-POP、あれでカラオケもしてみたい。

2025.6.25 急に売る気がなくなる

メルカリをよく利用する。

出品しようとして説明文を書いていると、いや、売っちゃだめだ!と思うことがある。

たとえばこれ。

・ペン立てです

・妙に厚みがあり、なかには金箔のようなものがふわふわ浮いてます

・だからペンは3本ぐらいしか入りません

・徳川埋蔵金と書いてあります

・でかいです

 

説明を書くとこのペン立ての役に立たなさが愛おしくなって、売るのをやめた。これは私が持ち続けるべきだ。

先日読み終わった小説も「おもしろかったです。傑作です」と説明を書いた途端に、じゃあ売るなという声が聞こえてまた本棚に戻した。

 

メルカリってそういう役割もありますね。言語化することで魅力を認識する。

デスクに戻した徳川埋蔵金ペン立ては相変わらずすごくじゃまです。

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