国民民主党の榛葉賀津也幹事長は12日の記者会見で、立憲民主党の野田佳彦代表が決めた新たな役員の顔ぶれについて「なつかしい面々がたくさん並んでいる。野田首相が増税して(衆院を)解散したときの政府のメンバーがずらっといる」と皮肉った。
妙な安定感
野田氏は、ベテランの安住淳幹事長のほか、衆院当選2回の若手から本庄知史政調会長、渡辺創広報委員長をそれぞれ抜擢した。榛葉氏は「いい意味で切磋琢磨して、共にこの国のために頑張りたい」とエールを送った。
一方で、「本庄さんを岡田克也さんの分身、渡辺さんを枝野(幸男)さんの分身と考えると、まさに野田、安住、岡田、枝野体制が見事に復活した。妙に写真に安定感、安心感があると思ったら、昔のみんなだと思って」と語った。野田政権では、安住氏は財務相、岡田氏は副総理、枝野氏は経済産業相などを務めた。本庄氏は岡田氏の秘書を長く務め、渡辺氏は枝野氏に近い。
兄弟になったつもりはない
榛葉氏はまた、野田氏が「政権を取りに行く執行部」と意気込んだことをとらえ、「前の執行部は政権を取りに行っていなかったね。やっぱり。内閣不信任決議案も出さなかったし、なるほど、と思った」と述べた。
立民との関係については、しばしば「兄弟政党」と表現されることに「誰がそんなこと言ったの。兄弟になったつもりはない」と不快感を示した。立民との協力に関しては「野田さんが『政権交代』というけど、共産党や参政党を入れないと数が足りないでしょ。厳しいと思う。国民民主党は国民民主党の政策を訴え、それを理解し実現しようとしてくれる党と連携できるところは連携する」と語った。
参政党は台風の目
次期衆院選での野党間の候補者調整については「仮に一本化しても、参政党がどんどん票を取っていく。引き続き参政党は台風の目になる。そう考えると、旧態依然の古い野党の考えで、一本化すればいいでしょ、という政治や選挙はもう終わっていると思う」と否定し、積極的に候補者を擁立する考えを示した。