- 1125/09/09(火) 23:32:40
「姉、うえ……」
不調ゆえの心細さからか。熱に浮かされた妹が布団の端から腕を伸ばし、苦しみながらやっと焦点を合わせられたような眼でこちらを見た。相対した者達の限界も醜さも、何もかもを照らし出してしまういつもの眩い光は鳴りを潜めて、今にも風にさらわれそうな灯火だけが瞳に宿っている。「ああ、可哀そうに」と思うと同時に、胸の奥が甘い疼きにさらされた。
(これは、いけない)
その乞うような視線を、真っ当に受けてしまったら。
静かにプリーツスカート越しに自分の脚に爪を立てて息を吸い込み、さっと笑顔を作った。
「どうしたの、オル。あ、もしかして、プリンやゼリーをご所望かな。ごめんよ、すぐに買ってくるから……」
「近くへ……」
後の言葉をどこか期待してしまう己を振り払うように矢継ぎ早に話した声が、短く小さい声に一瞬でかき消されて霧散した。そうして、寝床から尚も自分をまっすぐ見つめ続ける妹の可憐な唇が、またゆっくりと、息苦しさに喘ぎながら言葉をつむぐ。
「……ここで、余に添い臥、せ……」
尊大な言葉に似つかわしくない、消えてしまいそうな声色と揺れる瞳。己のやましい気持ちの防御を優先してその声を拒否できるほど、彼女は妹離れしていなかった。あまりにもか弱く健気なその「おねだり」を前にして、ほとんど反射で首を縦に振ったのだった。
初めての感覚で少し心細さを覚えたオルに同衾(健全)を所望されたけど、実の妹に自分が仄暗い欲をもっているという強い罪悪感と妹への崇拝によりオルが辛い思いしていても一線を越えようとしない姉者のドリオル、ここに置いてますか - 2125/09/09(火) 23:36:11
スレ立てするのは初めてだから使い勝手があまりよく分かっていないんだけど、とりあえず以下ドリオルスレで
なんでもいいからみんなの妄想を聞かせてほしい
もし荒らしが来たらシカトで - 3二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 23:37:37
はいはい当セな当セな
- 4二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 23:38:20
そのモブは何者なんだ余
- 5二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 23:49:00
その命知らずモブ、翌日には学園から消えてない?
- 6二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 23:49:56
凱旋門賞イベの時みたいなオルフェが感情をうまく発散出来てない時にジャーニーはどう対処していたのか地味に気になる
落ち着くまで待ってるのか何か物で釣ったりするのか - 7125/09/10(水) 00:43:58
ネグリジェに着替えて布団の中に潜り込むと、すぐに妹が自分の胸元に顔をうずめるように抱き着いてきた。甘える猫のように頭を押し付けてくる妹を、思わず笑みを漏らしながら撫でる。こうしていると、まだ彼女が自分より小さかった頃の、かけがえのない思い出が昨日のことのように蘇ってくる。
あの頃は、この子にこんな気持ちを抱えることになるなんて知らなかったのに。
「オル……暑くないかい?」
「……」
「……オル?」
背に回された腕が、自分を掻き抱いてふるふると震えている。妹は何かに耐えるように縮こまり、息を殺すような呼吸をただ繰り返していた。
「オル、」
自分の脚にすらりと伸びた脚2本が蔓のように絡みつき、尻尾の先は自分の腿へと巻かれた。二人の全身がぴっとりと密着するような体制になって、オルフェーヴルの身体がぴくぴくと震えているのがより鮮明に分かる。
「は、は、」
細かな吐息が絹を通して肩に当たる。ごくりと音を立てながら上下した妹の喉が僅かに胸へと触れ、ぞくりと肌が粟立つ。尚もジャーニーの背中を抱く腕の力は強く、まるで濁流に溺れるなかで必死に救いの手に追いすがるようだった。
戸惑って行き場を探すジャーニーの指が、不意に丸まった背中の筋をなぞった。その瞬間、オルフェーヴルは微かな声と共に、その肩をびくりと震わせた。
その時オルフェーヴルが気づいたのは、微弱な電流が身体を走るような心地良さだった。それにはっとした後、彼女は少しだけ、姉から身を離した。そうして、太陽を孕むアメジストを期待で潤ませながら姉を見つめる。 - 8125/09/10(水) 00:45:13
「……いまの、感覚……」
ぼそりと呟く妹の声。
「……どうしたのかな、オル」
「先のを、もう一度……」
「……だめだよ」
「疾く……」
そう言ってまた、ぎゅう、とジャーニーの肩を強く抱いた。きつく抱きしめられる身体と一緒に、心まで締め付けられるような感覚がジャーニーのなかを満たす。
「……ごめん、オル。私には、何も出来ない」
「できないんだよ……」
静かに唇を噛む。それでも心の底からこんこんと湧き出る罪悪感が、とまらない。このようなことになってしまって。このようなことをする輩を見落としてしまって。――このようなことになっても、ずっと何も出来なくて。
「ごめんよ」
吐息混じりに吐きだされた声は震えている。ジャーニーの様子がただならないと感じたのか、オルフェーヴルも「よい」「かまわぬ」と小さな声で応えた。
「……あつい」
「そう、だね。私がいたらきっと、熱が悪化してしまう。煩わしければすぐに出ていくから……」
言いかけたその言葉に、オルフェーヴルは肩口に顔をうずめるようにしてゆっくりとかぶりを振った。
「……そうかい」
そう答えたあと。オルフェーヴルが寝付くまでただその背を撫でつけていたが、ジャーニーはよく眠れないままだった。姉妹としての姿でいようと努めた夜は、妹の瞳の色と似た朝焼けを連れてきてもなお続いたのだった。
はい。 - 9二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 00:49:56
はい
- 10二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:25:16
ちっちゃい姉上に足絡めて全身密着するオルフェの姿を想像すると…良いね
- 11二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 07:08:10
女の眉ってなんだよとオモタ