第2話 【日本怪異幽霊事典】いにしえの怪異が怖くない? 不思議な感覚について少し考えた

日本怪異幽霊事典 朝里樹


 結論から言ってしまうと、時代を幾つか遡っていくと、現代人である我々は「同じ土地に立っていたとしても、さながら、異世界の出来事に感じる」からだと思う。

 というのも、超えられないものという意味では、異世界への何らかの「壁」と、時間というものは同一だからだと思っている。

 つまり、己の身に何かが差し迫る身近な過去であれば別だけど、遠い遠い昔のことなんて、伝聞のそのまた伝聞、風化した「御伽噺」に思えてしまう。


 無論、怪異の類は真実だ! すべてほんとうだ! というほど自分はファンタジーに生きていない。

 不思議なことや説明のつかないことは現代でもいくつもあって、そしてそれは、科学などまるで芽生えない古代であれば顕著だったというだけのこと。

 故に幽霊や妖怪の仕業と考えるし、現代人なら、大好きな引き寄せ逆引き寄せの法則──言って仕舞えばマーフィーの法則のようなものを引き合いに出す。


 さても、やはりというか、怪異は現代に近づけば近づくほど怖くなる。

 やはり生活感やなんかのディテールが想像しやすいだけに、現実的というか、日常の延長のように感じられる。


 そういえばある動画で「貞子の霊と遭遇した」という体験談を話すトーク回があった。

 貞子は小説のキャラクター──つまり創作上の人物である。なぜ創作上の人物が現世に霊体をなしたのか、非常に気になるところではある。

 そして、実際に原作を読んだことはないが、貞子の物語はどうも「SF的」らしい。

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【エッセイ】蕾舟、夢の河流れ 夢河蕾舟 @YRaisyu89

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