【エッセイ】蕾舟、夢の河流れ
夢河蕾舟
第1話 【イクサガミ】小説でも起こる、この旅を終わらせたくない症候群
イクサガミ 今村翔吾
明治十一年五月五日、京都。天龍寺に集められた300人近い武芸者たち。
彼らはその年の二月に日本全国でばら撒かれた豊国新聞なるもので、「十万円を得る権利」と「五月五日、天龍寺。武技に優れたる者、集まるべし」という内容を知る。
主人公・嵯峨愁二郎はある事情からどうしても大金が必要であり、その話を訝しみながら天龍寺へ入るが──。
そこで巻き起こったのは、東海道を上り、東京──かつての江戸を目指すデスゲーム。チェックポイントとなる宿場で所定のポイント=参加者が持つ木札を奪っていなければ失格、というものだった。
新時代に馴染めない侍の亡霊たちが、各地で闘争を繰り広げる武芸アクション。
最終巻の神を読み切るのが悲しくて1巻目の天から読み返す「この旅を終わらせたくない症候群」をあろうことか小説で発症。それくらい面白い。
忍びである響陣や、公家の懐刀である右京、アイヌより来た弓の達人カムイコチャといった「いいやつら」がいてくれるから、読んでいっても希望を捨てずに楽しめるし、そのおかげで無骨や幻刀斎などの恐ろしい敵が際立つ。
当初「殺人者」に戻ろうとしていた愁二郎を、双葉という少女が止めてくれているんだな……と感じられ、この二人の「親子感」がたまらなくあったかくなる。さしずめ響陣は親戚の兄ちゃんみたいな感じ。
すっごい面白いわ……と感じると同時に、おれはいつ神の巻を読むのだろうと思った。買ってから、一ヶ月経っている。
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