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社員に罵倒される日々

・加工食品工場での段ボール積み上げ作業

加工食品の工場の庭で、ひたすら段ボールをつぶして積み上げる作業(「空調の効いた工場での楽な作業です」という求人はウソだった)。力仕事のせいか男性が多めだ。

そのうちの一人、「昼飯は車の中で食うわ」と言っていた30歳前後の男性が、お昼の休憩時間が終わっても戻って来ない。

バイト仲間と一緒に様子を見に行ったところ、その男性は車の中で寝落ちしていたらしい。片方の手にはスマホを持ち、もう片方はズリおろしたズボンの中……。スマホから流れていたのはアダルト動画だった。バイト仲間たちとともに、そっとその場を離れたのは言うまでもない。

・食品会社でお菓子の箱詰め作業

一緒に入ったスキマバイト仲間の40歳前後の女性は、不器用を絵にかいたような人だった。作業が遅いうえに何回教わってもやり方を覚えられない。仕上がりも雑なため、常勤のパートさんが常にやり直しをしていた(あきらかに二度手間)。

さらにこの女性、箱詰めが終わった商品をカートで運んでいる時にふらつき、カートごと転倒してしまった。菓子折り200個をパーにして社員を青ざめさせただけでは終わらず、足首をひねったことを「これって労災ですよね!?」と騒ぎ出した。

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結局そのまま早退したが、現場の常勤パートや社員からは「二度と来るな」の大合唱。私はその様子に「慣れない仕事をやってるんだからしょうがないじゃない」と反感を持ったが、確かにスキマバイトを頼まなければならないくらい忙しい現場で足を引っ張られては迷惑でしかない。別の現場での話だが、ミスをした高齢男性が孫世代の社員に「いないよりマシだと思ったのに、これじゃいないほうがマシだよ! ねえ、おっさん、聞いてる?!」と罵倒されていたことがあった。ちなみに、スキマバイトのスタッフは社員から名前を呼ばれることはなく、「スキマ」や「タイミー!(タイミーから来てなくても)」と呼ばれることがほとんだ。

・運送会社の仕分け作業

休憩中に喫煙所でタバコを吸っていたら、高齢男性が灰皿から吸い殻を集めて吸っていた。「最近は紙巻き(タバコ)が少ねえな」と言いながら、その人は加熱式タバコの吸い殻にも火を付けて「何の味もしねえじゃねえか」と文句を言いながら何本も吸っていた。

他人の属性をあれこれ語れる身分ではないが、このように、スキマバイトに行くとさまざまな人間模様を目にする。貧困層の拡大が取り沙汰されて始めているが、スキマバイトに集まる人々はそんな日本の現状を切り取っているようにも感じる。

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