恐怖の「酒舐めオジサン」
・物流会社での「ギフト商品の梱包・出荷」作業
扱う商品のほとんどがアルコール類で、ビン類や缶類の詰め合わせが多かった(「軽い品物ばかりです」という求人はウソだった)。
梱包が終わり、ベルトコンベアから流れて来た商品をカートに積み込むという作業をしていた私は、うっかり手を滑らせて日本酒の入った箱を割ってしまう。
慌てて拾い上げようとしたとき、衝撃の場面を目撃した。
70歳は超えているだろうと思われる男性がおもむろに近づいて来て、「もったいねえなあ」と言いながら、床にこぼれ出した日本酒を舐め始めたのである。まるで「行燈の油を舐める化け猫」のようにピチャピチャと舌を鳴らす姿には驚愕した。
周囲にいた社員もそのショッキングな光景に声を出せず、ただ見守るだけ。男性は床をキレイに舐め終わると、満足気な顔で自分の仕事へと戻っていった。
・物流会社でのピッキング作業
ピッキングとは、リストを見ながら商品を集めることである。二人一組で作業をすることになり、私は40歳前後と思われる男性と組むことになった。
キャラクターのトレーナーを着て「痛バッグ(*推しキャラでデコレーションしたオタク御用達のカバン)」を持った、いかにも「オタク」風のこの男性、なんと胸ポケットにもアニメのフィギュアを忍ばせている。
「●●ちゃん、もうすぐ終わるからね」「ポケットの中、苦しくない?大丈夫?」などと声をかけていた。まるで恋人に話しかけるようだ。
この日は珍しく若い女性もいたが、彼女も彼女で、3時間ずっと泣きながら作業していたのが印象的だった。