伊東市では、田久保市長の学歴詐称の疑いをめぐって市政の混乱が続いていて今月1日、市長に対する不信任決議案が定例市議会で全会一致で可決されました。
静岡 伊東市長が市議会を解散 来月20日までに市議選へ
学歴詐称の疑いが指摘され、市議会で不信任の議決を受けた静岡県伊東市の田久保真紀市長は10日午前、市議会を解散しました。40日以内に市議会議員選挙が行われることになります。
これを受けて市長は、地方自治法の規定に基づき、11日までに議会を解散するか、辞職・失職するかを選択することになっていましたが、田久保市長は10日午前10時ごろ、市議会を解散する通知を議長に提出しました。
市長は「地方自治法の規定に基づき令和7年9月10日に議会を解散するため通知をいたします」と書面を読み上げたあと議長に手渡し、部屋から出ました。
議会は10日付けで解散され、40日以内に市議会議員選挙が行われることになりました。
市の選挙管理委員会は11日、選挙の告示日や投開票の日程を決めることにしています。
選挙管理委員会によりますと、選挙は公職選挙法の規定に基づいて40日以内に行われ、期限は来月20日だということです。市によりますと、市議会議員選挙には少なくとも4500万円ほどの費用がかかるということです。
選挙後の新たな議会で、再び不信任決議案が出される可能性があります。
地方自治法には、解散後、初めての議会で3分の2以上の議員が出席し、過半数の議員が賛成して不信任決議案が可決された場合は、市長が失職するという規定があります。その場合、市長が失職してから50日以内に市長選挙が行われます。
田久保市長は市議会の百条委員会に対して証人尋問への出頭や卒業証書とされる書類の提出を拒否し、市議会から地方自治法違反の疑いで刑事告発されているほか、卒業証書とされる書類を市議会の議長らに見せたことについても偽造有印私文書行使の疑いがあるとして警察に告発状が提出されています。
田久保市長「議会は審議を放棄 広く市民に信を問うべき」
市議会を解散したあと伊東市の田久保市長は報道各社の取材に応じ、「9月の定例市議会の初日に不信任決議案が可決されたので、その後の審議はストップし、現在は、議会は行われておりません。定例市議会は昨年度の事業の総決算を行う大変重要な議会で、補正予算案も審議を待つだけの状況でした。これらの重要な案件が無事に審議されたあとの最終日に私の不信任決議案を決議するという結論に議会が至らなかったことに関しては非常に残念な思いであると言わざるを得ません。よって本日、議会を解散するという結論をもって議長に報告にあがりました」と述べました。
そして「議会から私への退陣要求があることは重々承知をしていますし、その責も重く受け止めておりますが、今、この状況を鑑みて、市政や市民生活において大変重要な議会の審議や採決が、議会初日で放棄されてしまったことは事実として冷静に受け止め、これは改めて広く市民に信を問うべきであると考えました」と述べました。
また「議会の最後の段階で不信任決議案が出た場合は違った選択肢もあったのではないかと考えております。解散、辞職という2つの選択肢があり、当初から結論ありきで進めていたわけではございません。9月議会の様子を見ながら決断をしたいと考えておりました」と述べました。
今後行われる市議会議員選挙をめぐり、自身を支持する候補者を擁立するつもりかと質問されたのに対しては「私に対して常にイエスマンである議会であってはならないと思っておりますが、今の状況を鑑みまして、もっといろんな議論や結論があってしかるべしという風に考えており、そういった意味での新しい力に期待をしております」と述べました。
中島弘道 前議長「大義なき解散 時間とお金のむだ」
市議会が解散されたことを受けて伊東市議会の中島弘道前議長は「この大義なき解散について本当に今、私どもには怒りしかありません。本当に時間とお金のむだだなとつくづく思います。市政の停滞はこのまま続き、市民の皆様には引き続きご心配とご迷惑をおかけすることとなります。私たちは伊東の明るい未来のために、これからも戦い続けたいと思います」と述べました。
青木敬博 前副議長「市民よりも自分ファーストという印象」
青木敬博前副議長は「たった1人のために6万4000人の市民が苦労したり不安になったり、いろいろな思いをすることは許されないことです。来年度の当初予算の編成が間に合わないかもしれず、6万4000人の市民生活よりも、皆さんが汗水流して働いて稼いだ4500万円というお金を使って選挙を行うということで、市民ファーストよりも自分ファーストなんだなという印象です」と述べました。
市幹部に会議で説明 企画部長「新年度予算編成など懸念」
議会を解散したあと田久保市長は市の幹部職員との臨時の会議に出席し、今回の判断について説明したということです。
会議のあと近持剛史企画部長ら3人が報道各社の取材に応じました。
このうち近持部長は「市長の説明に対して職員から多少意見はあったが、政治的な判断なのでコメントは差し控えたい。議会が解散されたので市民サービスが滞らないように全庁的に連携して対応していきたい」と述べました。
その上で、今月5日の台風15号の被害に対応するための必要な予算については、議会の議決を経ずに専決処分で執行することを明らかにした一方、議会が解散された影響について「政策的な予算は専決処分ではできないので、新年度の当初予算の編成などが最も懸念される」と述べました。
一方、田久保市長は10日、報道各社の取材に対して、不在が続いている教育長をめぐり「人事案を議会の最終日の審議に間に合わせるべく調整を進めてきた」などと言及した上で、「議会初日に不信任が議決され審議が放棄されてしまった」と述べました。
伊東市教育委員会の西川豪紀教育部長は、「数人に教育長の就任をお願いしてきたが、このような市政が混乱している中でなかなか受けてもらえることができなかった状況だ。受けてもらえそうな人には依頼に行くことを考えていたが、現状としてどなたに教育長に就いてもらえるかということは全く決まっていない」と述べました。
市民「お金の使い方残念」「市をよくしたい気持ち同じ」
田久保市長が議会を解散したことについて、伊東市内ではさまざまな声が聞かれました。
30代女性
「本来はしなくてもいい選挙をもう一度しないといけないのはお金の使い方としても残念です。しっかりと政策を見て議員を選びたいと思います」
旅館営む40代男性
「お客さんからも『伊東市をなんとかしてほしい』などと厳しい意見が多く、精神的にきついなと感じることがあります。市長も市議会も新しく生まれ変わってほしいです」
60代男性
「市民は市長の学歴についてあまり気にしていないと思います。市議会は解散を覚悟して不信任決議案を出したと思うので、全員がまた選挙で当選して、もう一度不信任決議案を出して、新しい市政を取り戻してほしいです」
50代男性
「市長を支持する人たちもそうでない人たちも、伊東市をよくしたいという気持ちは同じだと思います。そういう人たちが選挙で選ばれて、いま以上にいい伊東市になってほしいと思います」
伊東市役所に電話やメール相次ぐ 多くは批判的内容
田久保市長が市議会を解散したことを受けて、市役所には10日午後4時までにおよそ400件の電話やメールが寄せられたということです。市によりますと、その多くは市長に批判的な内容だということで、職員たちが電話への対応にあたっていました。
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