メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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アンサング:8

 人間が化物に変化する様子を見てしまった探索者全員、SAN値チェックです! 

 

 まぁ余裕でクリアするんですけどね。だって普通の軍人じゃなくて最初から化物相手にドンパチやるのが専門みたいなところあるし。

 むしろ問題は露骨に接近戦がアウトな見た目している触手の塊を相手に殴り合いをしなきゃならんという事実よ。異能が使える(俺以外)から手が出ないってワケじゃないけれど、さてどうする? 

 

 

 ──おん? 

 

 

 

 

「ターゲット正面ッ! 撃てッ!!」

 

 

 

 

 なんと、曲がり角の向こう側から弾丸がズバズバと!

 

 

 もちろんメガテン世界は天使も悪魔も銃弾で倒せる世界、あっというまにメシテロ肉天は挽き肉だぜざまぁww

 なんか意味深なセリフめっちゃ言ってたけど、こうもアッサリ退場するとは中ボスですらなかったか。つまりあーゆーのが今後はザコ枠として大量に出てくるワケですねわかりたくない。

 

 

 で。

 

 援護してくれたのは状況から予測するに、要塞の警備部隊とかだろう。このタイミングで味方の増援とはありがたい。

 

 

「皆さん、大丈夫ですか!?」

 

 援護してくれたのは髪色から判断するに、要塞の人造超力兵なのだろう。このタイミングで味方? の増援とは頭痛い。

 

 

 もちろん警戒するよね。

 

 だって暴走した人造超力兵がジェノサイド祭りしてるって情報を与えられていたからね。

 

「あ、あの……?」

 

 そんな俺たちの対応を見て困惑する人造超力兵。そして困惑する彼女たちを見て困惑する軍人たち。

 

 うーむ、そうなるか。なるかもなぁ。仮に悪魔絶対ブチ殺すモードだったとしても、トリガーとなる情報を知らないのであれば処理の対象にはならないのかもしれん。

 つまり余計なことを言わなければ、少なくともこの場では彼女たちは味方として扱ってもいいワケで。いや、見えない敵とやらが突然コンニチワしてきたら態度も急変するんだろうけど。

 

 

 うーん。

 

 う~~ん。

 

 う~~~ん。

 

 

 イヤだけど。

 

 本当はイヤだけど。

 

 

 ホントにッ! 

 

 スゴくッ!! 

 

 イヤだけどぉぉぉぉッ!!! 

 

 

 

 

 フェイス、オープン♪ 

 

 

 

 

「「リーダー!?」」

 

「おいッ! 少尉ッ!?」

 

 

 フゥ~↑↑ 憧れのデモニカスーツとはいえ、顔をまるっと包み込んでの行動だからな。どうしても息苦しさってヤツとは付き合わないとならんのが困り者だ。いやぁ、解放感の中で味わう空気は美味いぜ! 

 ジャンクフードやインスタント食品みたいに体に悪いモンは美味いって相場が決まってるからな、有毒物質やら死者の気配やら死亡フラグで満たされた要塞の空気が美味いのも道理ってもんだ。ガハハハハ! 肺の洗浄が間に合うまで俺生きてられんのかな? 

 

 さて、わざわざ顔を出したのは別に唐突なドM願望に目覚めたワケじゃない。安心させるためのパフォーマンスだ。

 

 

 ごほん。

 

 帝国海軍所属、F8492特務少尉だ。任務の都合で装備が制限されていて苦戦していたところでね。おかげで助かった、ありがとう。

 

 

「特務……はい! いいえ少尉殿、お役に立てたのであれば幸いであります!」

 

 ピシッ! と敬礼する人造超力兵たちの反応は実に良好である。よしよし、これなら当分の間は仲間としてカウントしても大丈夫だろう。タイマーが見えない人間だけを殺す時限爆弾の部隊という不具合にさえ目を瞑れば。

 あと俺は難聴系のラノベ主人公じゃないから確認をするように特務って呟いたのちゃんと聞いてたからね? どうやら特務の意味を知らないのは俺だけで人造超力兵はよくご存知の様子だな? 不公平じゃね? 怖くて詳しく聞けないっつーか聞きたくないけど知らないと絶対どこかで命が危険になるんだろうなー。マジふざけんなよ特務ってなんなんだよ。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

「大変申し上げ難いのですが、人命救助に関しては可能性はほぼ潰えているかと。避難誘導より先に隔離処置が実行されていますので……」

 

「複数のブロックに初期の段階で速乾性流体金属が散布されているんです。アタシら人造超力兵の応急処置に使われているものと違って、宇宙要塞の補修用ですからね。生身の人間が浴びれば確実に助かりませんよ」

 

 むむ。なんかこう、箱の中みたいな空間に逃げ込んでもダメなヤツ? 

 

「仮に避難していたとしても、金属でピッチリ覆われるワケですから5分と持たずに窒息してしまいますよ。救出しようにも、専用の特殊な機材や薬剤を使うしか……」

 

 そりゃそうか。宇宙空間に浮かぶ施設でトラブルが起きたときのための措置だもんな、人力でどうにかなる程度の強度じゃ役に立たんわな。

 よし、ここは逆転の発想でいこう。民間人の生き残りがいないのであれば、俺たちの任務は半分ほど完了したようなものだと。怪我人なら助ける必要があるかもしれないが、死人であれば手遅れだからと諦めもつくってもんよ! 

 

 

「あとは……そうですね、生存者がいるとすれば動力室が比較的可能性が高いかと思われます。我々人造超力兵は入室どころかエリア単位で近付く権限がありませんが、途中まで護衛も兼ねてご案内いたしますよ」

 

 ほぅほぅなるほど? 

 

 現在進行形でテロリストと悪魔が暴れている要塞の動力室とかいう特級危険地帯にいつ後ろから撃ってくるかわからない兵器に案内されて突入しろってか。

 もう調査とかどうでもいいから全員撤退して要塞全域に流体金属散布したほうが早いんじゃないかな? たぶんそれが一番早くて安全だとボクは思いますけどねぇッ!?

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