メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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ガーヂアンだったりガーディアンだったりしてもよい。

なんならブギウギで蜂の巣にされる権利も進呈しましょう。私はされました。(N敗)


VS量産型プロトメサイア:2

 ガーディアン部隊? とかいう肉壁といい、MAG補給装置にされた変身失敗組といい、人材の消耗を苦にしないような連中の後方待機勢だ。ツラ構えが違う、というか確実になにか企んでるだろアレ。

 

 よし、ここは慎重に──。

 

 

「待てッ! 迂闊に前に出るんじゃないッ!」

 

「邪魔しないでよッ! オジサンも見てたでしょ、私のシキガミが連中を真っ二つにするところッ! あんなヤツら、私ひとりでも全員倒してみせるわよッ!!」

 

 

 か~ッ! 見んねウェンディゴ、あれが特権階級の人間ばいッ! フォローしたら巻き添え食らいそうだから放置して様子見しようかと思うんだけど、なにか意見ある? 

 

(アァ? いいんじゃねぇ~の~ほっとけばよ。本人が戦いてェって言ってンだからよ。だが気を付けろよニンゲン、あの出来損ないだか混ざり者だかの残骸から出たMAGの影響かわかんねぇが、やたらと力が満たされてる感覚がある。

 もしかしたら、いつかみてぇに周囲に見えるほど完全な実体化をしちまうかもしれねぇ。あとシキガミとかいうクソ玩具もなにかしら影響を受けてるみたいだが、それ以上に襲ってきた連中から強い魔法の気配がしやがるのが気になるぜ)

 

 賛成してくれたことに流石は悪魔と感心しつつ、追加の情報がありがたいけれど気分をガッツリ下げてくれる危険な話ばかりで俺は情緒をどこに合わせればいいのかワケがわからないよ? 

 

 

 

 

「フッ、愚かな。……生命の輝きよ、魂の光よ、我が手に集い、我が意志に応えよッ! ──奇跡の波動を、その身に刻むがいいッ!! ザンダインッ!!」

 

 

 

 

 自信満々に接近していった巫女のシキガミがあっという間に衝撃波に飲み込まれたけどアカンこれ止まらねぇ衝撃波がこっちまで届いてノォォォォんほォォォォドラッフェィッ!? 

 

 ゲホッ、オエッ、背中……ッ!? 折れ……いや、砕けて……ない……。手足は……? ある? ホントにあるか、これよ……? 指はぁ……あぁ、クソッ! 身体中が、表面も内面も泣き叫びたいほど痛ェ。でも痛すぎで泣き叫ぶこともできねぇ。

 そうか、そうだよな……。ゲームはシステムっていう絶対のルールがあるから単体しか攻撃できないが、この世界じゃそんな都合よくねぇわな……。前にワンランク下のマハラギオンやマハガルーラを受けたことがあったけど、アレとは比較にならねぇわ……。

 

 あぁ痛ェ、クソ。どうやらいまの俺では、最上位のダイン系魔法では余波だけで瀕死になるらしい。特大威力の最強クラスであるバリオン系なんか使われたら予備動作だけで即死するんじゃないか? 

 

 

「う……あ……あぁ……」

 

「哀れな少女よ。欲望のままに人々の生命と尊厳を搾取し続ける蛆虫どもに利用され、八葉の巫女などという血塗られた役目を押し付けられた、偽りの栄光と繁栄の犠牲者よ。

 もう大丈夫よ? 安心して、アナタたちの悲しみも苦しみも全て私たちが消し去ってあげるから。シキガミなんて呪われた技術のために自分の命を捧げる必要もないし、恐怖に怯えながら化け物と戦う必要もないわ。

 だから、いまはゆっくりと眠りなさい。次に目覚めたときには新しいアナタに生まれ変わっているはずだから。まずはこの国を浄化して……正しい秩序の元で、誰もが自由と平等に暮らせる優しい日本を一緒に作りましょう?」

 

 

 ボロボロになった巫女を優しく語り掛けながら抱き上げた半分悪魔な女が。ヤツが何者なのかも、なにを目的としているのかもわからない。喋ってる内容も電波が凄くて理解できないというよりは理解したくない雰囲気だし。

 だがひとつだけ確信したことがある。あのまま連れ去られようとしている巫女の少女は、きっともう助からない。誰も助けられねぇンだわ、さっきのザンダイン1発の余波で全員が吹っ飛ばされたから。殺されはしないだろうが、下手すりゃここで死んだほうが救われたかもしれんね。

 

 どうやら連中の目的が巫女かもしれないって予測は当たっていたらしい。シキガミじゃなくて本体が目的だったようだが、こんな状況じゃ違ったからなんだって感じだな。またひとり、さらにひとりと意識を失っている巫女たちが連れ去られて行く。

 

 

 で、まぁ……こっちに歩いてくるよね。だって俺の後ろにも巫女いるんだもん。頼みの綱のシキガミが踏み潰された虫みたいにグシャグシャになって、さっきまでの威勢の良さなんて欠片も残っていない怯えた女の子が。

 

 

 どう考えてもこのまま死んだふりするのが賢い選択なんだよなぁ。下手に抵抗するよりは、ユウコ女史が連れ去られるのを黙って見送るほうが生き残れる確率が圧倒的に高い。そんなのはバカな俺でもわかるよ。

 

 なのにさぁ、あるんだよ。目の前にソーマが入ってた小瓶がどういうワケかこれ見よがしに落ちてんのよ。指でつまんで振ってみると、中身が入っているのがわかる。

 凄くない? 瀕死の重傷で全身が激痛だらけなのに、こんな小さな小瓶の中に液体が入ってる感触わかっちゃうんだぜ、俺。うん、ちゃぷちゃぷ揺れてるね完璧に。

 

 

 あぁ……ヤダなぁ……。どうしてこう、俺ってヤツはこんなにも意志力が弱いんだろう? たったひとつしかない貴重な命なんだからさ、余計なこと考えないで生き残ることだけに集中すればいいのに。

 キュッと軽く捻れば簡単に小瓶の蓋は開いてしまった。ホント俺ってダメ人間、男ってバカね☆ チクショウ、こんな危ない橋を渡るような真似2度とやらねぇからなッ!! なんで俺が他人のために苦労しなきゃならねぇんだよふざけやがってよォォォォクソがよォォォォッ!!!! 

 

 

 南無三ッ!! 

 

 

 ……なんか、駄菓子のコーラにカシスオレンジ混ぜたみたいな味すんな。MAG結晶体に比べれば何万倍も美味いけど。

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