メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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ベビー/フェイス:10

「皇帝の狗どもよッ! 貴様らのペギャ」

 

 なぐる こうげき! ナックル! 

 

 いやぁ、演説の最中にピクシーさんにこっそりスクカジャを重ねがけしてもらったおかげで楽勝でした。

 

 これが戦いなら気絶で放置するところだけど、俺たちがやってるのは戦争だからね。ここは油断せず、しっかり顔面に弾丸何発か撃ち込んどこ。

 容赦? 躊躇? すまねぇ、そんなうまのふんより役に立たないモノは国家貢献の義務が始まった初日で売り切れたわ。平和な日本で暮らしていた前世の感性なんて、本物の死の恐怖を体験すれば案外簡単に捨てられるもんだよ。

 

 とはいえ。救世主だの聖戦だの叫んでいただけあって、仲間がひとり天に召された程度では戦意喪失など望めるワケもない。そもそも最初からそんなん期待してないけど。

 ただ隙を作ることに成功したのは事実である。当然プロの軍人たちの反応も早い。無駄に驚いたり感嘆したりすることもなく、景気よく銃声を奏でている。

 

 

 よし、これなら巫女たちも……肉体的には無事だけど精神的にはダメージを受けているようで。正面から斉射を受けた襲撃者たちの手足がバラバラになったりアンコが飛び出している光景に耐えられなかったらしい。

 

 お前らヨモツイクサ相手にシキガミでやんちゃしたべや。アレだって生モノやぞ? そこに違いなんてありゃしねぇ──こともないか。

 同じ人間が相手ってだけで感じ方なんてまるで違うだろうし。肩書き掲げて他人を見下してたわりに、案外だらしねぇな? どうかその感性を失わずに大人になってほしい。たぶん叶わぬ願いだが。

 

 

 

 

「やっぱり仮染めの肉体のままでは脆すぎる……ッ! みんなッ! 魂を解放して戦うのよッ!!」

 

「「「「了解ッ!!」」」」

 

「ガーヂアン部隊、前にッ!! 僕らが命と言う名の盾になるんだッ!! 神聖なる儀式を、人間の超越を祝福する贄となれッ!!」

 

「「「「オォォォォッ!!」」」」

 

 

 

 

 不穏な単語を叫びながらMAG結晶体を取り出した襲撃者たちを、不穏な単語を叫びながら身代わりの壁になって弾丸を防ぐ襲撃者たちとかいう最低の光景よ。

 味方の射線を邪魔しないよう一撃離脱をしたのがこれ以上無いほど裏目に出ちゃったよもったいねぇぇぇぇッ!! あのまま前に突っ込んでイッポンダタラの暴れまくりかヒートウェイブで薙ぎ倒すのが正解だったかなァッ!? 正しく後悔先に立たずって感じィッ!! 

 

 

 それで、お前らいったいナニをするつもり──あ、MAG結晶体を食べ始めた。さては強力な魔法スキルで形勢逆転を狙うつもりだな?

 単純に上位の攻撃魔法を使ってくるのか、それとも即死系や精神・神経に作用するバッドステータス付与を狙ってくるか。だがその程度なら数の有利に気合いと根性でなんぼでも対処ができる……と思ったんだけどなぁ。

 

 

 コレオ伍長。生きてるって、素晴らしいことなんだって実感しないか? 俺は正直なところ、仲魔に恵まれたことは嬉しいけどそれはそれとして頭痛が痛むわ。

 

「もしかしたら私たちもあんなふうになってたかもしれないんですねぇ。うわぁ、なんかもう、いろいろキモチ悪いよぉ……」

 

 

 

 

「どうッ!! これが死を超越する資格を得た者だけが手にすることを許された、人類を新たな世界へと導く救世主の力よッ!!」

 

 

 

 

 救世主を自称するなら、ビジュアルはもっと一般受けを狙った方が世間に受け入れられると思うんだけど。前にコロニーで戦った推定天使よりもキモいぞお前ら。

 パラサイト・イヴのクリーチャーやデッドスペースのネクロモーフも肉々しい異形の化け物で雰囲気出てたが、MAGモグモグした襲撃者たちは人間部分がしっかりそのまま残ってるから不快感がパネェわ。

 

 ……いや。よく見たら俺の知るメガテンの悪魔みたいな要素を所々に感じるな。どういうことだ? クソッ、なんかこう記憶からヒントを掴めそうなんだがゆっくり考え事してる暇なんてなさそうだ。

 

 ハッ!? ホムスビちゃんはどうなったッ!? バーサーカーシステム、じゃなくて悪魔送還プログラムは発動したのかッ!? してないねッ!! 

 えぇ~? じゃあどういう基準でブチ殺す判定が出てんのぉ~? それとも俺が勝手に悪魔っぽいと思ってるだけで、アレもまた別物ってコトぉ? シキガミに近い感覚とか。

 

 あるいは、そもそもオルギア式にプログラムが組み込まれていないとか? 旧式のアラヤン式だけに搭載された、現代を生きる者は存在すら知らないプログラムだったりして。それはそれでロマンありますねぇ! 問題は俺を全力で屠りに来ることですが。

 

 

 さてさて? 死の超越がどうとか言っていたが、無事判定に失敗した連中は身体の内側から肉が膨張してダークファンタジー系に出てくるバイオレンス肉団子みたいな塊に変化してしまっている。

 それがだいたい半数より多いぐらい。アレがそのまま蠢くだけで使い物にならないのであれば、数の有利はますます帝国陸軍に傾いていることになる。

 

 だが残りは変身したことで物理耐性が付いたのか、それとも単純に肉体の強度が増したのか、コチラの弾丸はほとんど効いてない様子だ。

 

 

「銃弾は効果が薄いぞッ! 異能で攻撃しろッ! ──電撃よ、ヤツらを貫けッ!!」

 

「バカねッ! 異能の力っていうのは……()()とは、こう使うのよッ! ──マハ・ザンマッ!!」

 

「な、オレの電撃が打ち負けグァァァッ!?」

 

 

 軍人さん吹っ飛んだぁーッ! いまアイツはっきり魔法って言ったな。聞き間違いなんかじゃない、異能ではなく魔法ってわざわざ言い直しやがったぞ。やっぱり悪魔と合体してんじゃねぇの? 

 

 まったくも~。展開は早いし、情報は教えて貰えないしでワケがわからないことばかりだが……ひとつだけ、俺の頭でも理解できることがある。

 それは、前に戦った天使っぽいヤツは自爆してくれたから助かったものの、今回はソレを期待できそうにない上に数が多いってコトだよ☆

 

 

 プランD、いわゆるピンチです。

 

 

 序盤のボスキャラが量産型ザコで出てくるのはジャパンRPGの定番だけどさぁッ!!

 実際に体験すると結局ボスはボスのまま格上の存在だから悪夢でしかないんだよクソがよォォォォッ!!!!




妙だな……何故か一部の読者兄貴姉貴たちの心がひとつになっているぞ……?
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