メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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ベビー/フェイス:4

 おっぱいが大きくて距離感がバグッてる黒髪ロングなオレっ娘系の巫女さんに好かれるとか転生者として勝ち組だって思うだろ? 

 だから、もしそう思うヤツが世界の何処かに存在するなら是非とも俺と立場を交換してくれ。どれだけ平凡でもかまわないし、どれだけ退屈な人生でもかまわない。ただ、1秒後に死ぬかもしれないという心配さえしなくていいなら俺は希望を胸に抱いて生きていけるから。

 

 

 緊急時の連絡用に照明弾を持たされて、いざ新人たちの初任務開始である。俺たち4人は最後尾をテクテク歩いてついていくだけの簡単なお仕事、のワケがない。後方からの奇襲が一番厄介なのだ。

 俺のピクシーさんとコレオ伍長のユキダマくんならヨモツイクサが接近してくればMAGの流れで簡単に察知できるが、実戦の空気に触れた瞬間に頭が沸騰するバカもいるかもしれないから油断はできない。

 

 ついでに、ご機嫌良さげに鼻歌なんぞ奏でながら隣を歩いているユウコ女史の存在も不確定要素が強すぎて吐きそうなのである。お前アレだろ、遠足とかで並び順無視して気になるヤツの近くに行って先生に怒られるタイプだろ。

 

 

「たかが曹長如きでは八葉の巫女などという高貴なご身分のご婦人のお相手など務まりません。それにせっかくの機会ですし、海軍へお戻りになられたときの土産話にもなると具申する次第であります!」

 

「えーと、なんかあんまり関わらないほうが良さそうな気がするのでお任せしますね! ホラ、私、伍長ですし! それなりの階級の人が一緒じゃないと失礼ですもんね!」

 

「申し訳ありません少尉殿、わたくしは人造超力兵ですので話しかけることそのものが不敬罪に該当する可能性が無いこともないような気がするので緊急時以外ではなるべく離れて歩かせていただきます」

 

 どうだ、これが俺の頼もしい部下たちの賢い選択ってヤツだぜ! おかしいな、俺これでも一応上官で隊長なんだけど皆とは少しだけ距離を感じるね! 具体的には前方へ5メートルほど。

 だがしかぁしッ! これぐらいのことで動揺するほど浅い人生を歩んじゃいねぇッ! 相手側に男女のアレコレな感情がないことぐらいわかるし、ようは小学生や中学生の男子相手ぐらいの感覚で会話すりゃいいだけの話だべ。

 

 本音を言えばほかの巫女さんたちのように表面だけ取り繕って見下しててくれたほうが楽だったけどね。

 ユウコ女史のほうから話しかけてきてんのに俺が無視したり冷たい態度で接したら、前を歩いている候補生たちも生きた心地がしないだろうからコミュニケーションを楽しむってだけの話よ。

 

 

 実際、気になることはあるから会話をできる状況ってのは悪くない。八葉とやらにとある名前が在籍してるのかとか気になるじゃん?

 ゼッテー聞かねぇけど。D民上がりの俺がなんでその名前を知ってるのかみたいな尋問が始まる未来しか見えねぇし。

 

 そんなことより身近な危険に備えるほうが優先順位は高い。具体的な戦闘スタイルや、そもそもシキガミってのがどういう存在なのかを知らなければ連携もできん。

 どうせ巫女たちが好き勝手な行動して怪我しても俺たちの責任にされるんだろ? なら全力で協力して守護らねばなるまいよ。ホントに邪魔だなコイツら? 大人しく野営地で待ってりゃいいのによー、命令したヤツはマジでなに考えてんのぉ? 

 

 んで。ユウコ女史は物理と呪殺が得意とか言ってたけど、その巫女装束に不釣り合いなゴツいハンドガンは射撃が得意だって受け取ってもいいのかな。

 

「んー? あぁ、コイツは普通の武器とは違うんだ。コレはヨモツイクサに向けて撃つんじゃなくて、こうやって自分の頭に押し付けてパァンッ! ってよ? これがオレのシキガミ召喚の簡易儀式なんだわ」

 

 お、急にペルソナ3始まったか?

 

「契約したシキガミを召喚するための簡易儀式はイロイロあってな。札を投げるとか、カードを砕くとか、ペンダントを握りしめて祈るとか、ともかく自分がイメージしやすい方法で呼び出すのさ。

 で、オレの場合は銃で自分の頭を撃ち抜く動作をするのが一番やりやすかったんだよ。キリノハのお嬢ちゃんも似たようなスタイルだったかな? 確か、MAG結晶体のナイフを自分の胸に突き刺してたっけ。どうよ、なかなか個性的だろ?」

 

 あー、うん。いいんじゃない? スタイリッシュで。自分の表面的な仮面をブチ抜いて戦いの意志を引き出すとか、頭を撃ち抜く動作をすることで戦う決意と覚悟を決めて気持ちを切り替えるとか、そういうヤツでしょ? わかるわかる。 

 

「……へぇ。なんだよ~、よくわかってるじゃねェかッ! さすがは特務少尉殿だなッ! せっかくならオレのシキガミも見せてやりたいところだけどさ、ぶっちゃけまだまだ修行が足りてねェからムダ撃ちするワケにもいかなくてな? 

 ま、ヨモツイクサどもが現れたら真っ先に見せてやるから楽しみにしとけよ。あぁ、あくまでシキガミを使った殴り合いが得意ってだけで、本体のオレはそこまで格闘戦には強くねェから、そこはしっかり守ってくれな?」

 

 本体の戦闘力がイマイチなのは、ペルソナ使いっていうよりジョジョの奇妙な冒険に出てくるスタンド使いみたいだな。

 いやまぁ、当たり前のようにシャドウと戦えるP4の番長チームのが普通に考えたらおかしいのかもしれんけど。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 歩き続けること……3時間ぐらい? 転生者特有の類稀なるフラグ管理能力により、1度も戦闘することなくソーマが湧き出ているポイントに到着した俺。

 遠くから戦闘の音が聞こえてきたあたり、ほかの輸送部隊は残念ながらヨモツイクサとの戦闘は回避できなかったようだ。ただ、駆逐は不充分でも万が一に備えてベテランの戦闘員が隠れて配置に付いているらしいから、そこまで心配することはないだろう。

 

 むしろ、俺は目の前の光景のほうが心配だねぇ? ほら、テッセン曹長もコレオ伍長もすっかりイケメンフェイスに早変わり、臨戦態勢が完璧に調っちゃってるよ。

 そりゃね? 湧き水が出てる岩場がポツポツあって、それらを取り囲むように綺麗な花が群生している光景は癒し効果は抜群かもしれないよ? 天然自然系の観光地みたいで俺も嫌いじゃないけどさ。

 

 その花から光の粒がポワンポワンと蛍みたいに飛び立ってる光景がなぁ。ル号採掘基地で少年が合体悪魔に変身したときの、周囲のヨモツイクサからMAGを吸い上げたときの様子に似てるんだもんなぁ。

 

 

 ピクシーさんは、アレはMAGに近いものは感じるけど微妙に違うモノだから多分大丈夫じゃないかと言っているが……俺たちだけ回れ右して帰ってもいいかな?

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