メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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ベビー/フェイス:3

 男はコウタロウくんひとり、残りのメンバーは女の子ばかり。もしも彼がハーレム系主人公ならパーティーメンバーが完成したことになるのかな? 

 俺としてはあと2人ぐらい頑張って女の子を追加してほしいところさん。前列3人後列3人って並び方なんとなく好きなんだよね。真・女神転生は当然として、ウィザードリィシリーズとか剣と魔法と学園モノとか。

 

 それにしても……ここにきてシキガミときたか。ピクシーさんが感じた違和感のことも気になるけど、ミリタリー色が強い世界だと思っていたから単純に驚いたわ。

 名前そのまま『シキガミ』って悪魔もいたが、ヨモツイクサが大きなカテゴリーの名前として使われていることを考えるとコチラもそういう扱いなんだろう。ゲームでいうところの魔法とか特技とかのコマンドみたいな。

 

 

 興味は、ある。でも護衛役としては未知数の戦力ってのは普通に困るんだよなぁ。どの程度戦えるのか、どういう戦い方をするのかわからないだけでも面倒だもの。

 それに俺は日本帝国魔導院とやらがどういう組織なのか知らないし、まして異能のエキスパートなる八葉とかいう人名? 集団? の権限なんてサッパリわからない。

 

 このキリノハ シズルなる巫女さんに命令してもいいのか、それともイエスマンとして従わなきゃいけないのかでも対応が違ってくるし。その辺りはどうなのよホムスビちゃん? 

 

「……判断が難しいところですね。相手はあくまで少尉候補生ですから、軍の常識で考えれば特務少尉殿の発言力のほうが上です。

 しかし魔導院が相手となると緊急時でもなければ迂闊なことは言わないほうがよいかもしれません。詳しく説明しようとすると長くなってしまうので簡潔に申し上げますと、魔導院は立場が特殊で露骨に優遇されているので敵対するとゲロ面倒なことになります」

 

 いまゲロ面倒って言った? しかしなるほど、ディストピア定番の特権階級存在がやってきたワケか。どおりでコウタロウくんたちやほかの候補生たちの雰囲気がなんか悪そうな感じになってると思ったよ。

 だってサラッと聞こえてきたもの。シズルお嬢様がコウタロウくんたち3人にお前ら異能使えないの? それマジで言ってんの? 恥ずかしくないのかよウケるwwみたいなことお上品に言ってたもの。

 

 

 なによッ! そんなに異能が使えるヤツが偉いっていうのッ!? 日本帝国が誇るエキスパートって言ってたもんなぁ。俺の中でエキスパートって単語はライバル集団に悪戦苦闘してる集団ってイメージがチラチラ頭をよぎるけど。

 

 というか、そもそも八葉ってなに?

 

「古い時代、それこそまだ人類が地球という辺境の小惑星だけで活動していたころから、日本帝国の栄光と繁栄を支えてきた者たちのことです。

 始まりはその中でも特に秀でた8人の能力者から。やがてそれぞれが独立して家名を持つ権利を認められ、共通する『葉』の文字から八葉と呼ばれるようになりました」

 

「へぇ~、なんかスッゴい人たちなんですねぇ~。でもそんな人たちがどうしてこんなところまで派遣されてるんですか?

 というか、これ候補生たちの能力を確かめるための任務なんですよね? 立場が上の人が一緒にいるんじゃ、それどころじゃなくなると思うんですけど」

 

「そうですね、コレオ伍長の言う通りです。どうも今回はいつもと様子が違うようです。そもそも普段であれば派遣される巫女様は3人ほどですし、それも野営地に待機するだけで現地まで同行したことなど無いはずですが……」

 

 

 やはりイベントか。いつ同行する? いまでしょッ! これは間違いなく大いなる意志が働いてますね。ヒーロー役のコウタロウくんと推定ヒロインのシズルお嬢様が出会えるようにとの配慮ですわよッ! 

 やっぱコウタロウって名前がもう主人公っぽいもんな。シキガミの姿が見えなくても、そこに存在するものとしてありのままに受け入れて使役できそうな名前してるもん。ヒロインが巫女装束なのも完璧じゃなぁ~い? 

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 朗報! 俺氏、やはり幸運がカンストしてる模様ッ!

 

 予定外の巫女集団たちが部隊の空気を最悪にした結果、野営地にいた上官殿が頭を抱えながら配置換えを決定し、無事ヒーロー候補生たちから離れることに成功せりッ! 

 ハッハッハァッ! そっちはそっちで思う存分嬉し恥ずかし登山イベントで絆を深めるがいいさッ! 俺はお前たちがアオハルしている様を高笑いしながら眺めているぞッ! 人の言う『安地』とやらからなッ!

 

 この世界に安全な場所なんてあるのかとかは考えてはいけない。死んで墓の下に埋葬されても尚油断ならねぇのがメガテンなんだぜ。泣けるぜ。

 

 まぁ八葉の巫女とやらからは逃げられなかったんですけどね。でもこれはしょうがない、まさか厄介者だからとひとつの部隊に固めるワケにもいかないだろうし。そこは必要経費と割り切ろう。

 そう、血の気が多めなヤンチャ系ボーイ&ガールの世話を上官殿から頼まれたのも必要経費さ! いうてコイツら俺の指導方針を知ってるだろうから、ある程度は指示に従ってくれるんじゃないかな。

 

 やはり巫女との関わり方が鬼門か。なるべく早めに距離感を掴まないと、せっかく折れたフラグが無意味になってしまう。

 ここは慎重に様子を見ながらコミュニケーション方法を考えることにしよう。だからそれまで俺のほうに近寄るんじゃねぇ歩いてくんなその薄笑いを止めろ俺に近寄るなァァァァッ!! 

 

 

「へぇ? キリノハのお嬢ちゃんが他人に興味を持つなんて何事かと思ったが、こりゃ確かにおもしれェ気配がするな。ウチらの扱うシキガミに近いけど決定的に何かが違う。

 本家のジジィどもに命令されたときゃメンドクセェと思ってたが、どうやら面白いピクニックになりそうだな? 今日はヨロシク頼むぜ特務少尉殿?」

 

 俺は別にヨロシクしたくないけどねぇッ!?

 

 っていうか距離が近いんだよ下から覗き込んでくんな生きるか死ぬかの瀬戸際を常に駆け抜けてる身分じゃ谷間なんか見えても全然嬉しくねーんだよ離れろ。

 

「あぁ、名乗るのが遅れちまったな。オレは柘葉一族の巫女『ツゲノハ ユウコ』だ。シキガミを使った殴り合いと呪殺の異能を得意としてる。

 つーワケだからよ? ソーマの識別がオレたちの本来の役目だが、戦闘のほうもそれなりに期待してくれて構わない。いや~、ヨモツイクサどもの襲撃が楽しみだな!」

 

 楽しくねぇからッ! 俺たちの任務はソーマを持ち帰ることだからッ!! 余計なフラグ立てないでくれませんかねぇッ!?

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