メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

34 / 129
VS怨言の八脚:5

 トゥッ! へァッ! ダンディーステップッ!! 

 

 フハハハハッ! 呪殺魔法、恐れるに足らずッ! 実際コロニーで戦った天使モドキのガル系魔法のほうが厄介だったな。

 最後のガルダインが発動してたらマジでミンチより酷いことになってたかも。

 

 そしてこのマハムドが避けられるのも、相手が見た目からして知力とか魔力のパラメーターが低そうな肉グモだからと思ったほうがいいかもしれん。いうて本物の死神やら邪神クラスの呪殺魔法とか人間が抵抗できるとは思えないし。

 

 

 過剰に恐れる必要はないが、退き時を見誤ると簡単に終わるな。無効化できる装備を探すよりも、無効化できる手段を持ってそうな悪魔と交渉して仲魔になってもらうほうが確実かなぁ。

 最悪の場合は仲魔に盾になってもらうことになるが……それは本当に最後の手段にしたいところだ。ピクシーさんは俺さえ死ななければMAGを消費して復活できるとは言っていたが、気持ち的に協力してくれてる悪魔を捨て駒にするのは抵抗があるわ。

 

 まぁ? 目立ちたがりやら出世欲やら自意識過剰な味方とかが、自ら命という名の盾になってくれるなら素直に甘えさせてもらうけど? 

 そういう意味ではさっきのD民の子たちはいい仕事してましたねぇ! 是非とも懲りずにまた俺に貴重な情報を提供してほしい。助けられる状況ならたぶん助けてあげるから。

 

 

 しかし景気よくマハムド連発してくれやがってからに。まさかヨモツイクサはMP無限とかいうオチかい? もしそうなら初期のドラクエのホイミスライム並みに厄介だぞ。

 キープしてる結晶体にも限りはあるし……ヒーホーちゃんに逃げてもらって俺もとんずらすっか? でも多少は情報を探りたいし、できれば友好的な関係を築きたいのでもう少し会話をしてみたい。

 

 

 どうにかして反撃のタイミングを──なんだッ!? 肉グモの身体が崩れ始めたぞッ!? 

 

(魔法の使いすぎでカラダを維持するためのMAGが無くなったみたいね。足りないMAGをどうにかしようと脚を自分で食べてるんだと思う。

 でもあんな方法じゃ最後にはどうやったって実体が消えちゃうんじゃないかしら? だって食べちゃった脚を再生するためのMAGが無いんだもの)

 

 自食作用だっけ? 餓死寸前の人間が内臓とかの細胞を自分で溶かして栄養にする、みたいな。それのMAGバージョンってところか。

 そういやファイナルファンタジーとかにもいたっけな、魔法生物系はMPをゼロにしても倒せるってヤツ。残念ながらメガテンにはMPにダイレクトアタックする手段なんて……相手のMAGを削るのがMP攻撃に該当するなら部位破壊からの再生でもワンチャンいけるのか? 

 

 いや、そもそもHPとMPの役割をまとめてMAGが担ってるみたいなモンか。わざと再生されるのを待つぐらいなら、部位破壊で得られた有利を利用してそのまま押し切るほうが楽だろう。

 

 

 ふむ。しかしこう考えると下半身を吹き飛ばしたにも関わらず、残った実体が崩れることもなく死んだ量産型を甦らせた上にマハラギオンまでブッ放してきたブタ玉ってかなりヤバかったんだな~。

 ……あれ、もしかしなくても俺ってば俺が思っていた以上にかなり絶体絶命のピンチだったのでは? マモルとホノカがいなかったら冗談抜きで終わってたかもしれん。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

「助けていただき、ありがとうございました! それで、え~と……。あ、私の名前はT0811と言います! 

 さっき一緒にいた子たちは、ぶっちゃけ偶然知り合っていつの間にかチーム扱いされてたので詳しくはよくわかんないです!」

 

 えぇ……? キミのことメッチャ過保護にしてた子とか、学校時代からの幼馴染みとかじゃないのぉ? 

 

「いえ? 全然。エネルギー結晶体を食べてお腹がユルユルになっちゃったときがありまして~、お仕事を休んじゃったペナルティのために頑張って化け物と戦ってるときに知り合いました。

 なんだか一方的に可哀想な人扱いされて、一人で盛り上がってアタシが護ってやるとか言い始めたんですよね~。なんか断ったら面倒そうだったのでそのまま一緒に戦ってたって感じです」

 

 姉御肌(笑)だったかぁ~。しかしこの子結構強かというかなんというか。フワッフワな雰囲気のわりに冷静に状況を見ながら判断ができる切れ者ちゃんなのかしら? 

 まぁそんな他人の人間関係のことなんかよりMAG結晶体食べてお腹壊したって話のほうが興味あるけど。というかそもそも、キミはどういう流れでMAG結晶体を食べようとか思ったワケだい? 

 

「あ、それは別に深い理由とかは無いです。お仕事中にあのパックのドロドロご飯をダメにしちゃったことがありまして。

 それで、エネルギー結晶体って生活のいろんなことに使ってると学校で習っていたので、食べればご飯の代わりにもなるかな~と思ってパクりと」

 

 泣くほどマズかったけど生きてるので結果オーライですッ! と笑顔でガッツポーズを決めるヒーホーちゃん。実に逞しいな! 死にたくないって一心で賭けに出て飲み込んだ俺とはメンタルの強さが別格だわ。

 それで、きっかけはともかく……MAG結晶体を食べることで身体能力が強化されることに気が付いてからは積極的に取り込むことにした、と。

 

 

 なるほどなるほど。こうなるとほかにも悪魔が見える人間は、特にD民の出身者にはそれなりに多いと考えるべきか? ユキダマくん、なんてニックネーム的な扱いでも実体が得られるみたいだし。

 ただピクシーさんが言うには、ユキダマくんは密度が薄くてヒーホーちゃん側のMAGの消費効率が悪そうだってことだけど。やっぱり名前は大事なんすね~。

 

 だからって、もちろんジャックフロストのことは教えないけど。なんで名前を知ってるんですか? なんて突っ込まれたら厄介だし。

 

 生き残るためにもいざというとき一緒に戦える仲間は増やしておきたいが、距離感を間違えるワケにはいかんのだ。無条件で助けてくれると期待されても困るんだよね~、俺だって死にたくないんだから。

 いや、そういう意味ではヒーホーちゃんと知り合えたのは当たりなのか? 頭の中でちゃんとそろばん弾けるなら一方的に頼ってくることもあるめぇ。

 

 

 ……う~ん。マモルやホノカは同じD民って立場だったから気楽にチーム組むことができたけど、こうなると階級って場合によっては地味に邪魔だな?

 ま、いいや。とにかく1度帰ってからゆっくり考えよう。戦闘の興奮が残ったまま考え事したって上手くまとまるとは思えんからな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。