メガテニストはディストピアでもヘコたれない。 作:はめるん用
アマラ経絡。
それは真・女神転生Ⅲに登場する……ダンジョンって扱いでいいのかな? 悔しいが俺の語彙力ではアマラ経絡をひと言で表現するのは無理っぽいな。
尊い犠牲の上に安定した活用法が見つかったらしいが、悪魔の姿さえ見えていない連中基準の安定だべ? ちょっと信用するのは難しいところだし、とりあえず原作のように危険な悪魔に襲われないよう祈るしかない。
ま、偶然名前が一致しただけの可能性のが高いだろうから、そこまで警戒することもあるめぇよ。だって実用化されてる移動方法なんだもの。
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思ってたのと違ったわ。なんか薄暗いし、壁も床も天井も無機質な金属みたいなだし。ついでにピクシーさんとウェンディゴも実体化するのを嫌がってるし。どゆこと?
クソ、さすがに転生してから17年近く経ってるからもうゲームでの設定なんてほとんど覚えていない。というか魔人マタドールの印象が強すぎるんだわ。手札が少ない序盤で戦った強敵って、下手するとラスボスより記憶に残るよね。
しかしマジでどうしたもんかね。カネサダはライトを片手に普通に先導してくれてるし、本当に危険は無いのかもしれないが……ここ、大勢の人間の命を飲み込んだ場所なんだよなぁ。
仕方ない。ピクシーさんたちの協力無しで推理ができるほど俺の知力は高くないし、いまはヨモツイクサの襲撃にだけ警戒しておこう。
言ってしまえばここは宇宙開拓時代の死者の国みたいなもんだ。光の速さで年単位の距離を歩いて数分の距離にしてしまうほど時間と空間が歪んだ場所ならば、犠牲者たちが本当に死んでしまったとも限らない。もしかしたら人間以外のナニかになってる可能性だってあるだろう。
いや本当にさぁ、俺の記憶力くん中途半端過ぎんかね? なして悪魔の名前はすぐ出てきたのにアマラ経絡なんて大事な要素を忘れるかなぁ~。
そりゃ覚えていたところでこの有り様だし、その記憶が役に立ったかはわからんけども。メガテン3の主人公である半人半魔の人修羅さんやその仲魔たちは普通に活動していたが、俺の仲魔たちはちょっと呼び出せそうにない様子だもの。
……少し、つついてみるか。
カネサダさんや。このアマラ経絡ってのはずいぶん寂しい場所だけど、開通した当時からこんな感じだったのかな?
「はい、いいえ少尉殿。かつてはここもMAGに酷似したエネルギーに満ちていたと記録が残されています。しかしあまりにも濃度が濃く制御が不安定であったため、アマラ経絡内部のMAGを運び出すことで解決したそうです」
ちなみにどうやってMAGを運び出したかなんてのは……教えられないよね~やっぱり。というかカネサダも知らないのね。そもそも情報にアクセスする権限がない、と。
メガテンでは人間の強い感情の動きから発生すると言われている生体MAG。それに近い性質をもつエネルギーを運搬するために最も適した器はなにかと問われれば──うん、これ以上はいけない。
ここはアマラ経絡という名前ではあるが、俺の想像するアマラ経絡ではない。いまはそう思っていたほうが精神衛生的によろしいな。
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特に襲われることなく五○一番タタラの基地に到着ッ! な~んだ、やっぱりただ名前が同じだけの安全な通路じゃないかHahahahaha!
嫌な気配がべっとりと張り付いてて離れねぇんだけど。全身を見えない手で撫で回されたみたいな気分だ。無色透明なマドハンドの群れでもいたのかな?
「お待ちしておりました特務少尉殿! 乙型討伐の若き精兵たる少尉殿を御迎えできて光栄であります! ……っと、失礼しました。
自分は当基地にてひよっ子どもの指導を受け持っています、テッセン軍曹であります。さ、まずは少尉殿のお部屋へご案内しましょう!」
出た! セクシーティラノサウルス! これはいい軍曹だ、いかにも軍曹って感じの軍曹だな。そのうちひよっ子たちをヨモツイクサから守るための盾になってリタイアしそう。
しかし軍曹さんや? 部屋に案内してくれるのはいいんだけどさ、普通はこういうときって偉い人に着任の挨拶とかしなきゃいけないんじゃないの?
「問題ありません少尉殿。資源惑星である五○一番タタラに特務少尉殿の作戦行動に口出しできるような御身分の高級将校殿はおられませんので。
まぁ、鉱物資源の採掘と精製を地下で行っておりますからな。佐官級ともなると、汚れてしまった勲章を磨くだけでも1日が終わってしまい仕事にならんのでしょう」
はて? 俺が特別扱いされるのはヨモツイクサとの戦闘中だけだと言われたはずなんだけど。
「我らが基地司令たる少佐殿の主な業務は緊急時に備えて脳を休めることでありましてな。いまごろはアルコール相手の会議が忙しくて挨拶どころではないでしょう。
もっとも、大抵のトラブルは現場で解決してしまっていますので、基地司令殿の御活躍を拝見する機会には恵まれておりませんがな!」
それでいいのか日本帝国軍。