メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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VS失名の贄:3

 実は転生したのはメガテンではなくクトゥルフ系の世界だった説。あると思いますッ! 人間の背中から腐った翼が生えてくるのは正気度ロールを要求してるでしょどう考えても。

 

 

「重力よ、ヤツの動きを封じろ」

「火炎よッ! 爆ぜろッ!!」

 

 

 重力操作とはまた珍しい魔法を使ってんねぇ! ホノカと一緒にいるのはヒサメちゃんだったかな? 頭の回転が早いアキラのサポートとしては魔法ガチャ大勝利なんじゃない? 

 そこにホノカのアギラオが直撃して激しく爆炎したがダメージは……うーん、翼でガードされてしまったか。見た目とは違い頑丈なようだ。

 

「よそ見すんなよッ! 俺もまぜろってッ!」

 

「ぎぃッ!?」

 

 魔法による攻撃を無視して俺に殴りかかってきた天使に、今度こそアキラの奇襲が成功した! こっちはちゃんとダメージが通ってる雰囲気あるな。やはり腐っても天使、魔法という奇跡の力には耐性があるのかもしれん。

 それを人間が製造した無機質な武器で貫くってのは、なかなか皮肉というかなんというか。日本にも西洋にも鍛冶に関わる神様はいたと思うんだが……やはりメガテン世界の神話は別ものか。

 

 

「リーダーッ! アキラくんッ! 離れてッ!」

 

「うるぁぁぁぁッ!!」

 

 

 マシンピストルを連射しながら走ってくるマモルとヨウイチくん。そこにホノカとヒサメちゃんの銃撃による追撃が加わりダメージは加速する。もちろんアキラも参加して弾幕は危険な領域になんたらだぜ~ッ! 

 俺? もちろん待機です。メガテンの天使が簡単にくたばるワケがない。もちろんこの弾丸の雨で決着してくれるならそれが一番良いことなんだが、臆病者が生き残るためには油断は許されないのだ。戦いは不都合なモノって烈海王先生も言ってたし。

 

 

「おの……れ……ッ! ニン……ゲン、がぁ……ッ!!」

 

 

 うん。普通に効いてますねコレは。

 

 あるぇ~? これならむしろ、羽が生える前のほうがよっぽど恐怖というか強キャラ感がヤバかったんですけどぉ~? でも俺知ってるんだ、手負いのボスキャラほど危険なヤツはいないって。

 

 ピクシーさん! アイツの羽をブッ壊す! 

 

(りょうか~いッ! ブフッ!)

 

 狙いは腐肉の翼。氷結魔法であるブフで凍らせてしまえば、あとはサーベルを力任せに叩き付けるだけで──しゃあッ! 部位破壊はボス戦の基本だぜッ! 

 

 

「くぅおのぉぉぉぉッ! 痴れ者がぁぁぁぁッ! マハガルーラァァッ!!」

 

 

 へぼりゃぁぁぁぁッ!? 

 

 私……飛んでるッ! だがこのまま無様に地面とキスする俺ではないッ! 鍛えられた身体能力と残っているスクカジャの効果が合わされば華麗な着地もお手の物という待ってベンチがあるなんて聞いてない脇腹ァァァァッ!? 

 ゴフッ!! さ、さすがは天使の……マハ、ガルーラ……なんというダメージだ……ッ! たった1発でここまで有利をひっくり返されるなんて……ッ! やはりメガテンの天使は恐ろしい敵だぜ……ッ! 

 

(アタシはある意味アンタが一番恐ろしいと思うわ。カラダもココロも頑丈だね。はい、ディア~)

 

 よし、これでまだ動ける! ありがとうピクシーさん! 

 

 

 しかし困った。バラバラに刻まれるほどの威力が無かったあたり、向こうもかなりのダメージを負ってはいるのだろう。

 だが先ほどのマハガルーラの風圧で近くにいたアキラはもちろん、駆け寄ってきていたマモルとヨウイチくんも派手に吹き飛ばされてしまった。

 

 天使のギラギラと光る金色の瞳はまるで「お前だけは絶対にブッ殺す」と言わんばかりの迫力で俺を見ている。というか近付いてきてる。そんなに恨まれるようなことしたかな? 心当たりしかないぜ! 

 

 

「もういい。もう殺す。キサマだけは、キサマさえ殺せれば私はそれでいい。キサマの存在は、同胞たちの復活には邪魔だ。

 千年王国のためにも、哀れなる者たちの魂の救済のためにも、キサマだけは……確実に、殺すッ!! ──奇跡の風をその身に刻むがいいッ! ガルダインッ!!」

 

 

 ここにきて最強クラスの疾風魔法とかルールで禁止ッスよねぇぇぇぇ!? 

 

 いや、大丈夫だ向こうもダメージで威力は落ちてるしピクシーさん回復してくれたし華やかな活躍はできなくてもゴキブリのようにしぶといのが脇役モブの特権だし人間なんてそう簡単には死なないはずだしでも危険だからピクシーさん俺の後ろに隠れてッ!! 

 

 …………。

 

 おや? 攻撃がこねぇな? ──って、えぇぇぇぇ!? なんで天使の腕が破裂してんのぉぉ!? 

 

「は、はは。ハハハハッ! 見たかニンゲンッ! これが力だ、これが救済だ……これこそが、選ばれし者だけが使える……本物の魔法だ……肉片と血煙に塗れて悔い改め……は……? 

 ダメ、ですよニンゲン。貴方は、私の、風を受けたのですから。肉体が残っていては、救済できないじゃ……貴方、も……罪、償わせ、千年王、国に導くのが……私の……役目なの、に」

 

 やめて! そんな慈しみと悲しみが混じった眼で私を見ないでよ! なんか罪悪感とか感じちゃうじゃないッ! というか、あんだけ殺す殺す言ってたクセに俺のことも救うつもりではいたんだな。

 価値観は違うし人間を見下してはいるけど、仕事熱心だし本気で救いを与えなければとは思ってるんだなぁ。だからこそ悪魔よりもある意味厄介なんだけど。

 

 

「しんなるかみよ……あなたはいま、どこにおられるのですか……なぜわれわれのなをよんでくれないのですか……それだけで……われらはなんどでも……

 あぁ……どうか、もういちど……われらの……わたしのなをおしえてください……あなたにおつかえする、わたしは、いったい……なに、もの、なの……ですか……」

 

 最後の最後まで謎で殴ってくんのマジでやめて欲しいんですが。生き残るたびに不安だけが増えて人間らしい最低限の生活って目標から遠ざかってる気がするよ! よッ!!

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