子どもの頃、住んでいたアパートからは線路が見えた。その上に新たな線路を通す工事が進み、「ひかり号」が走り始めた。山陽新幹線の全通から50年。かっこよくて眺めたがやがて当たり前に。たまに黄色い車両が走るのは不思議だった▲延べ約30億人を半世紀で運んだ。きょうもビジネスや観光で大勢が利用する。最近はインバウンド(訪日客)の増加で混み合うことが多い。「大動脈」は人やモノの流れを促し、日本の経済や文化を大きく変えてきた▲観光や修学旅行で広島を訪れやすくなった。原爆資料館や宮島を見て、お好み焼きやもみじまんじゅうを初めて頰張った人もいるはず。文学のまち尾道や博多のめんたいこなど地方の名所や土産物には、新幹線で「全国区」となったものも少なくない▲九州や北陸、北海道なども走るが、「東北」は走行中に連結が外れるトラブル続き。「東海道」では刃物による死傷事件や焼身自殺と巻き添え死があった。「山陽」のトンネル壁崩落も。安全な乗り物に進化できるか▲新幹線は遠征するカープ選手の負担を減らし、共に突っ走ってきた。優勝の報が車内に届いたことも。節目の年、久しぶりに再現してもいいのでは。