原作を知る人も納得の変更だろう。公開中のSF映画「リライト」。小説では静岡が舞台だった物語を、オール尾道ロケで描き直した。主題のタイムリープといえば確かに尾道がよく似合う▲何しろ原作も大林宣彦監督の尾道3部作「時をかける少女」へのオマージュ。過去と未来が交わる青春群像劇に、情緒あふれる街並みと自然美が奥行きを与える。禁断ともいえる、運命の書き換えに手を染めた黒幕は誰か。謎解きにも引き込まれる▲静岡でも「リライト」が注目を集めている。伊東市長の学歴詐称疑惑である。市議会や市民から厳しい批判を受け、就任2カ月で辞任表明に追い込まれた▲大学を除籍になったにもかかわらず「卒業」と信じていたという謎。議長らに「チラ見せ」した証明書の真相もやぶの中だ。それでも市長は再選挙に立候補するそう。もともと学歴より、誠実さやクリーンさを重視する人の方がずっと多いだろうに▲再選挙には3千万円が余計にかかる。市政の停滞も避けられない。市長は「後悔」を口にした。もしもタイムリープできるならば、戻るのは選挙前か学生時代か。当選に目がくらんで過去を書き換える間際、でなければいいのだが。