脳外科医が教える“攻めのリハビリ” 50代からスタート…自宅でできるカンタンな動きで「脳が実年齢より20歳若返る」!

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現状を知り、すぐにスタートを

 ここはやっぱり、自分で筋力をつけるしかない。そもそも今の自分に筋力はあるのか、ないのか? 簡単に知る方法は握力だという。

「握力がある方はほかの筋肉もある、握力がない方はほかの筋力もないんです。だいたい握力が15キロ以下になると転倒するようになり、骨折します」

 女性では85歳を超えると15キロ以下になる方が多いそう。

「次のポイントとしてはフレイル、加齢によって身体が弱って要介護へと移行していく状態ですね。病気や怪我をする方は70歳での握力が男性は握力28キロ未満、女性が18キロ未満になります。70歳の平均握力は男性が38キロ、女性が24キロです。握力だけで、危険サインが手軽にわかります」

 握力計はネット通販などで簡単に購入できる。価格も1,000円程度だ。

「自分の筋力の有無がわかったら、どこを鍛えればいいのか? 大きな筋肉を鍛えるのが効果的なので、太ももとお尻から始めるといいと思います。これから自宅で簡単に始められるトレーニングをいくつか紹介しますが、60歳以上の高齢者には、効果的なマシンの使い方がわかるパーソナルジムをオススメします。もちろん、パーソナルトレーナーをつけると月3~4万円はかかり、継続が難しい。だから、安価なジムへの指導活動も積極的に行っています。筋力を鍛え始めるのに、遅すぎることも早すぎることはない。できたら50代には始めていただきたいですね」

【酒向流・この動きでラクラク筋肉増強】

★立ち座り(連続30回×朝昼晩)

(1)椅子に座った状態から立ち上がる。このとき膝はギュッと伸ばし、お尻(股関節)は前に突き出す
(2)お辞儀をして、そのまま椅子に座る

「これがいちばん簡単なトレーニングです。高齢者はドスンと座ると圧迫骨折を起こすので要注意。このトレーニングを続けると転倒しなくなります。外歩きをバンバンされたい方は毎回50回に増やしましょう。物足りない方はペットボトルなどを持ちながら。僕は10キロのダンベルを両手に持ってやっています」

★腕立て伏せ(1日20回)

「腕立て伏せが20回できる身体は、かなりしっかりしています。腕立て伏せが難しい場合は、膝をついた“膝立て伏せ”や、壁に手をついて行う“壁立て伏せ”からやってみましょう」

★腹筋(30回×朝晩)

「寝た状態から、背骨を床につけたまま肩甲骨だけを起こせばOKです。背骨や腰骨が浮かないように気をつけて。反った状態でやると腰を痛めます。ベッドの上で行ってもいいのですが、柔らかいと少し大変かもしれません。床でやるほうが楽だと思います」

★背筋(回数問わず)

「最初はうつ伏せ状態から上半身はほとんど上がらないと思います。慣れてくると5センチ、10センチと上がるようになっていきます。20センチくらいを目指しましょう。“だんだん上がるようになってきた”がモチベーションになります」

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