脳外科医が教える“攻めのリハビリ” 50代からスタート…自宅でできるカンタンな動きで「脳が実年齢より20歳若返る」!

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【前後編の後編/前編を読む】片足切断の寝たきり91歳男性を歩かせた!「脳」を知り尽くしたリハビリ医だからわかる“攻め”の回復術

 脳卒中で半身麻痺になった高齢者も、再び歩き始める。『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK/2013年)第200回で“攻めのリハビリ”と取り上げられた、脳神経外科医で、脳卒中や認知症などのリハビリのエキスパート・酒向正春医師。前編で触れたとおり、そのメソッドの肝は筋力増強。また歩けるようになるだけでなく、生活習慣病や骨粗鬆症の予防、さらには認知症の予防まで叶える。

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「認知症にはふたつのタイプがあります。まず、脳が萎縮して認知症になる遺伝的タイプ。そして、脳への血流が不足することで脳細胞が変化していく加齢変性タイプです。後者の場合、生活習慣病である糖尿病、高脂血症、高血圧に由来しているので、筋力増強によってそれらを防ぐことで、認知症も防げます。また軽症であればその進行を食い止めたり、緩やかにすることができます」(酒向医師、以下同)

 酒向医師によると、80歳の人の2割が認知症を患っているそう。

「85歳で40%、90歳で60%、95歳で80%…が世界的なデータです。若年性認知症についてはエビデンスがないのですが、筋肉増強によって、認知症は85歳で20%、90歳で40%ぐらいまで減らせると考えています」

 生活習慣病予防に認知症予防。筋力を増強すればいいことづくめであることはわかったが、筋トレは億劫。別の方法で同じ効果は得られない?

「そもそも筋肉は、加齢+使わないことによって難溶性タンパクが溜まるもの。寝たきりの人の筋肉がカチカチで細くなり、使えない筋肉になっていくのはこのため。このタンパクが悪さをしている、というイメージです。これを溶かす実験を行ったところ、投薬や栄養では無理でした。筋肉運動訓練でしか溶かせなかったんです」

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