名古屋出入国在留管理局の施設で2021年3月にスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した。この事件について、遺族らは9月14日に東京都内で、事件やこれまでの裁判の経緯について報告会を開く。
ウィシュマさんの死亡についての国の責任を問うだけでなく、重要な証拠となるものの開示も強く求める予定だ。
◆「仮放免に向けた誇張やアピール」と適切に対応せず
ウィシュマさんは2017年に「留学」の在留資格で来日。しかし、交際相手の暴力などを理由に日本語学校に通えなくなり、除籍され、在留資格を失い2020年8月に入管に収容された。
しかし、2021年1月以降、施設内で嘔吐(おうと)などの症状を訴え、3月6日に死亡した。職員らは、苦しむウィシュマさんを「(一時的に収容を解く)仮放免に向けた誇張やアピール」と受け止めて適切に対応せず、アメリカ政府も人権報告書で問題視した。
当時の入管幹部らは刑事事件としては不起訴となったが、遺族は国に損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴し係争中。「適切な医療措置が受けられなかった」などと主張している。
◆ほとんど非開示「遺族が見られないのはおかしい」
また、収容中のウィシュマさんの様子を撮影した監視カメラの映像は295時間分あるが、国が名古屋地裁の勧告に応じて開示したのは5時間分だけ。
遺族は2025年2月に個人情報の開示を請求したが、国は3月に、残る290時間分をすべて非開示とした。理由はこうだ。...
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