人生を諦めるには早過ぎる。
東京在住の女性K様から「旦那とのセックスレスに悩み、自分はこのまま尼さんになって枯れていくのだと思っていたら、年下の男の子といい感じになってしまって背徳感に震えているから話を聞いて欲しい」とご連絡をいただいた。私の正しい使い方である。いろいろな人から「こんなことを人に話したのははじめて」とか「こんなことは坂爪さんにしか話せない」と言われる。おそらく、私が行きずりの男だから話しやすいのだと思う。家族や友達や同僚には話せないことを、初対面の男には話せる。秘密を聞けることは面白い。誰もが秘密を抱えている。秘密は淫靡だが、身を滅ぼす。秘密を出すことで当事者の心は自由になる。
無職の私は社会的弱者で、守るべき規律も規範も薄い。コミュニティに属していないから、背負う社会も少ない。だから、話しやすいのだと思う。普段は敬遠されがちだが、一般論なんか聞きたくない、正論なんかで丸め込まれたくないと思った時に坂爪圭吾の需要が爆発して「会いたい」とラブコールが届く。時間だけはたらふくあるので、呼ばれた場所には何処でも行く。自分が行きたい場所に行くのではなく、呼ばれた場所に行く。だから、自分一人では知り得なかった場所を知る。私に会う人は「会う前はいろいろ話したいと思っていたけれど、坂爪さんの顔を見たらどうでもよくなった」と言う。私は、破壊型のモモだ。貧相な暮らしをしているが、毎日は豊かである。食べ物が与えられた時はそれを食べて、何も与えられなかった時は「断食だね」と言って、水を飲む。
日本における中国人観光客の評判は非常に悪い。マナーの悪さが問題視される。マナーとは何か。生きるためには自分を主張しなければならない中国と、生きるためには自分を殺さなければならない日本と、文化の違いは歴然としている。我々ジャパニーズは、敵国チャイニーズを憎みながらも嫉妬している。本当は、彼らのように自由に生きたいと思っている。俺も我慢しているのだからお前も我慢しろ的なジャパンと「悔しかったら強くなれ」のチャイナでは、モノの考え方が異なる。日本は優しさ推しだが、中国は強さ推しである。気を遣い合って自滅しているジャパニーズは、中国の脅威に震えている。しかし、実際は「中国人のようなふてぶてしさが自分の中にもある」ことを知っているから、自分に震えているのである。
社会に適応をしたところで虚無感を感じる諸君。チャンスだ。私たちホモルーデンスには、生のフラストレーションと死のフラストレーションがある。安全と危険を同時に求める厄介な性質があるのだ。安全なら安全でムカつくし、危険なら危険でムカつくし、どっちも欲しい。生きまくりたいし、死にまくりたい。これが人類の本懐である。その点において「社会に適応をしたところで虚無感を感じる」あなたは間違っていない。安全なだけでは退屈だし、危険なだけでは生きた心地がしない。日本は、なう、安全に殺されている。安全を守るためにはやらなければならないことが多過ぎて、安全を守るためにヘトヘトになり、安全を守るために殺されている。これが、優しさ推しジャパンの脅威である。日本は日本で脅威なのだ。
人間は弱いからお互いに助け合おうとか、そんな陰気なことではいけない。未熟なまま、ぶつかり合おうではないか。摩擦の火花が日本を照らす。過ちも繰り返せばサマになる。懲りない。めげない。諦めない。まだ、人生を語るには早過ぎる。若者の老人が増えた。経験は薄いくせに「人生ってこんなもんだよね」と分かったような顔をする人間は退屈だ。死んでよし。生きてなくてよし。五十、六十、鼻垂れ小僧。無知を前提に生きる。目の前には、未知の原野が広がっている。人間の心の中には、秘密の大海が広がっている。そこを覗く。そこを覗いて死ぬ。拾い集めたものではなく、生きていることを僥倖とする。どこまでも軽やかに晴れやかに生きる。これから仙台に行く。
おおまかな予定
9月12日(金)宮城県仙台市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
9月23日(火・祝日)静岡県伊東市伊豆高原
EVENT@チャイニーズオーベルジュ仙豆飯店
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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