4か月でエタバン相手2人に振られたお話③
私の心に深く刺さった棘は乱暴に引き抜かれましたが、少しずつその傷が穏やかに癒やされる日々が続きます。
『お盆にエオカフェへ行こうと思うんだ。』
「いいね!私も行くから転職祝いにおごってよ。道案内するから。」
『勿論だよ!好きなだけ食べさせてあげる。』
毎日、毎日、これからのことを話しながら。
『僕の地元にも遊びに来てよ!連れて行きたいところがたくさんあるんだ。どこへだって車を出すからさ。』
「貴方と私の勤務形態じゃ、お盆の次は年末だね。」
『それじゃ先過ぎるよ。季節のフルーツとかは冬じゃあんまりないよ。秋が一番いい季節だよ!秋にしよう?』
そう言われても…と返した数日後。
『今後頻繁に遊べるように、転職を考えてるんだ。君と休みが重なる事を最優先条件にしてる!』
「ええ!?びっくり…いいところが見つかるといいね。」
転職まで…?リアルも…って言ってたの、本気なのかな。
約束したエオカフェの日。楽しい時間を過ごしました。1人目の彼と違ってリアルのお付き合いの話はありませんでした。私のペースを尊重してくれてたのかな。
気づいたら少しずつ連絡頻度が下がっていきます。毎朝来てたメッセージが来なくなったり…。好きな人とは毎日こまめに話したいって言ってたのにな。ちょっと前から私が通話ができなくなった影響かな。
「ねえ私と通話出来たほうが嬉しい?」
『そのほうがもちろん楽しいと思うよ。』
なんか歯切れが悪い。嬉しい?って聞いてるのに楽しいと思うよって返すのは他人事のよう。そういえば最近一言も好きだよって言葉を聞いてない。
「昨日変なこと聞いてごめんね。最近避けられてる気がして不安なの。」
『僕のリアルが忙しくなって、なおかつ新しく作ったLSのこと考えてるだけだよ。不安にさせてごめんね。』
やっぱりなんか変。今までみたいなストレートな表現じゃなくなった。熱量も全然ないし。
「私と今後も通話したい?」
『勿論そのほうが楽しいよ!でも費用の面とかあるし、僕は一緒に遊べてるから今の状態でも大丈夫だよ。』
質問と回答にズレがあるのが怪しい。文脈読めないタイプではないのに…何か引っかかる…。
「楽しいじゃなくて、したいかしたくないかを知りたい…したいって言ったからって金銭的な要求はしないよ?」
『正直な話をする。僕はある女性と同棲することになったから、君とは今後はリアルでは遊べないし、通話もできない。でも、君の事を話して、ゲーム内相方ということで折り合いがついた。』
「私、振られたってこと?」
『そうです』
私の個人情報を、私の知らないうちに、私に無許可で話して、私の知らない人に、ゲーム内相方のみという許可を得た…?
そしてそれを追求するまで黙ってた?私が気づかなければ、この人は私の知らない女性と同棲しながら、私と遊ぶつもりだった?
『その女性は以前から家には来てて、君のことも話してる。お盆に君と会ったって話をした日から毎日うちに遊びに来て、今は同棲してる。』
文章を読む事は出来るけど理解が追いつかない…。毎晩私と通話しながらゲームしてたのに、お昼は別の女性を家に上げていたってこと?冗談でしょ?
『リアル最優先なのは当然ですよね?』
リアル優先なのは当然だけど、私も実在しててバーチャルじゃないんだけどな…。距離は少し遠いけど…。
『これからも君とは楽しくゲーム内相方として過ごしたいと思ってます。ご考慮いただけますか。』
少し前まで言ってたことと全然違う…。違う人と話してる気までする。前のエタバン相手の事を不誠実って言ってたけど、その一連の行動は私に対して不誠実じゃないの?
「相方であり続けたいって事だよね…ちょっと考えさせて貰っていいかな」
『僕もその気持ちです。お返事お待ちしています。』
私は誰と話しているの?この状況は一体何?たった10日でなんでこんなことになってるの?
先日諸事情でゲーミングチェアを彼に譲った事を思い出す。あの時は無償でいいよって言ったけど、これで彼の気持ちを確かめてみよう。ずるいことしてるのはわかってはいるけど…。
「以前譲ったチェアだけど、やっぱり買い取って貰っていい?本体価格5万円、送料1万円だったの。」
『判りました。金額と口座番号を教えて下さい。』
口調がほんと違う。事務的?私とは遊び続けたいんだよね…?信じていいよね…?
「口座はこちらです。金額はお任せします。妥当だと思う金額をお願いします。」
『都合をつけて振り込みに行きます』
『振り込みました。確認してください。』
2万円。そっか。私と遊び続けたいとか口だけだったんだね。厄介払いしたかったのかな…もう少し何かあると思ったんだけどな…もういいや。待っている言葉を返すよ。
「確認しました。この金額で相方を続けるのは無理です。」
『そうですか。短い間でしたがありがとうございました。本日中にFCとこのディスコードサーバーから抜けさせていただきます。』
次にスマホを開けたときには、サーバーから蹴られてましたし、1時間後位には別のデータセンターにキャラ移動していました。手際が良すぎる。準備万端だったのかな…。
いつの間にか私と、彼と私の共通の友人は全員繋がりを絶たれ、SNSは鍵をかけられてしまったようです。
会った時に渡した手編みのコースター、使ってくれてるかな…ゲーム内限定って言ってたし、捨てられちゃったかな…。
悲しすぎて涙も出ない…と思ってたけどやっぱりすごくすごく泣いてます。
一度力強く引き抜かれた棘が、再び、同じ場所により深く突き刺されました。その棘が抜ければ…と、ここまで書き続けてきました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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