人手不足倒産
「人手不足」を原因とする倒産の内訳のうち、60%以上を占めたのは代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」で、こちらも過去最高の割合でした。経営余力が乏しい中小企業では、突発的な代表者交代や従業員退職などが、倒産に直結するリスクとなっているのです。
働き手を確保しづらい小規模事業者の倒産が目立つ。
規模でみると従業員数10人未満の倒産が全体の79%を占めた。
小規模事業者
平成24年の経済センサス-活動調査では、法人企業は約171万社とされています。
171万社について従業員規模別で見てみると、0~4人の企業の割合が約58%と最も高く、次いで5~9人の企業が約17%となっています。171万社の約75%は従業員10人未満の企業、
小規模事業者の場合、人を雇って育てる余裕がなく、また誰かが抜けただけで会社が回らなくなります。
日本の介護ビジネスは大規模化・集約化が進んでおらず、個人経営で従業員10人程度の小規模事業者が圧倒的に多い。そのため低賃金しか払えず、慢性的な人手不足に苦しんでいた。東京商工リサーチによれば、2024年の介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産は過去最多の172件(前年比40.9%増)。その大多数は個人経営で、従業員は10人未満だ。
企業件数と人手不足倒産件数
事業所数は572万8000事業所(不詳事業所除く)
会社企業数では、153万企業
法人企業が142万社、個人企業が242万社、合計では384万社
2021年6月時点の全国の企業数は367万4000社
2024年に従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする人手不足倒産は、累計で342件が発生
従業員5人未満の企業が半数を占めるコロナ破たん
小規模事業者は色々と余裕がありません。
2,030件の内訳では従業員5人未満が1,146件(構成比56.4%)と、半数以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が388件(同19.1%)、10人以上20人未満が260件(同12.8%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
内部留保とは
内部留保とは貸借対照表における利益剰余金の事です。
貸借対照表とは、企業の資産状況を示す書類です。
貸借対照表では左側に資産(運用方法)、右側に負債と純資産(調達方法)が書かれています。
- 資産 = 負債 + 純資産
例えば、1億円の借金をして1億円の機械を買った場合、負債は1億円、1億円の機械を持っているので資産も1億円になります。
- 負債は調達方法として貸借対照表の右側に書かれます。
- 機械は運用方法として貸借対照表の左側に書かれます。
会社の利益1億円で1億円の機械を買った場合、純資産は1億円、1億円の機械を持っているので資産も1億円になります。
- 会社の利益から調達したお金は貸借対照表の右側に書かれます(利益剰余金の事で内部留保とも呼ばれます)。
- 機械は運用方法として貸借対照表の左側に書かれます。
内部留保は利益剰余金の事で、貸借対照表の右側における純資産の所にある利益の積み上げになり、利益剰余金がどのような形になっているかは貸借対照表の左側に書かれています。
内部留保は貸借対照表の「利益剰余金」を指し、例えばその金額が1億円であれば、「●社は1億円の内部留保がある」とされる。
仮に利益が1億円あったとしても、その内8,000万円で機械を購入すれば、内部留保は1億円残っているが、企業には現金2,000万円しか残っていない。このような面で、内部留保と企業に残っている現金は異なる。
内部留保と中小企業
会社の規模別の傾向として大企業よりも中小企業のほうが内部留保率は高くなる傾向があります。
内部留保と自己資本比率
内部留保が多い企業は倒産リスクが低いともいわれ、
内部留保の確保は、大企業はもちろん中小企業においても極めて重要である。特に中小企業は、外部からの新規の自己資本調達が難しいため、内部留保を積み上げて自己資本を増やしていくしかないからである。
内部留保と自己資本比率の関係とは、比例的な関係にあるといえる。内部留保が多ければ自己資本比率も高くなり、内部留保が少ないと自己資本比率も低くなることが多い。
内部留保と言われる宿泊・飲食サービス業の利益剰余金はコロナ前の2019年10~12月期の3.8兆円から0.6兆円まで減少しています。一部の小規模飲食店では時短協力金によって普段以上の金銭収入を得ている事例はあると思われるものの、業界全体ではそういった状況は見受けられません。
およそ3ヵ月で0.5兆円ずつ宿泊・飲食サービス業の内部留保が減っていることを考えると、冬場にかけて内部留保が枯渇し債務超過に陥る企業が続出する可能性が出てきています。
自己資本比率
70%以上 超優良企業で倒産のリスクが極めて低い企業。
50~69% 平均以上の自己資本比率である優良企業。倒産のリスクが低い
20~49% 一般的な自己資本比率の企業。倒産のリスクはまだ低い
10~19% 資金力に乏しい企業。倒産のリスクがあるため財務改善が必要である
0%~9% 危険水域にある企業。倒産のリスクが極めて高く、早急に対策が必要
マイナス 債務超過に陥っている企業。