2025-09-10

ある日起きたら、片耳の聴力を失った話

朝起きたら、突然片方の耳が聞こえなくなった。

突発性難聴だ。

昔に急性感音性難聴になったことがあり、その瞬間に悟った。

これは2週間以内に治療しないと治らないヤバい病気だ。1か月たつと完全に手遅れだ。

すべての予定をキャンセルして、かかりつけの大学病院に行った。


聴力検査の結果、片耳は完全に失聴していた。

どんな音も完全に聞こえていない。

聴力検査スピーカーがでかい音で振動しているのはわかるんだけど、音として全く聞こえないのだ。(100dbでも聞こえない。通常は10-30dbぐらいで聞こえるはず)

医者からステロイドパルス(全身ステロイド)を提案され、受け入れる。

ステロイド剤のプレドニゾロン5mgを 朝30mg(6錠) 昼30mgで合計60mgを3日飲むことになった。

その後、量を減らしていくというのを合計1週間やることになった。

2日目に、強い眩暈に襲われる。

麻痺して聞こえなくなった耳から飛行機の中のようなゴーという轟音の耳鳴りが響き、歩き始めに強烈な眩暈に襲われるようになった。

病院電話すると、眩暈に対する薬としてアデホスコーワ顆粒とメチコバールは出しているか大丈夫ですと返された。

ひと事だと思いやがって・・・

ただ、信じるしかないので、ステロイドパルスをつづけた。

だがしかし、これでは改善しなかった。

以前、突発性難聴(急性感音難聴)を発症した時はステロイドパルスで治ったのに、今回は無理だった。

治療甲斐なく、片耳は失聴して何も聞こえていない。

よほどの重症らしい。

ステロイドの鼓膜内投与という選択肢があるということで、これを1週間毎日注射をうちに通うことになった。

細い注射針で鼓膜からステロイドを耳の中に投与するという療法だ。

注射後は横になり、会話とつばを飲み込むのを15分禁止。耳管を開くと入れたステロイドが流れ出てしまうから

これでなんとかなればと・・・

だが、それでも無理だった。

相変わらず片耳は失聴して何も聞こえていない。

この大学病院ではもうお手上げということで、残された手段である高圧酸素療法ができる病院にいくことにした。

高圧酸素療法(HBOT)に1週間通うことになった。

1回1万円かかる治療である

先生に、高圧酸素で治りますかね?と聞いたら、可能性は低いです。と返されて、かなり落ち込んだけど、

カネはかかっても、とりあえず1週間はやってみようということになった。

(途中で、大学病院あるあるの予約が取れるのは数週間後ですというクソな対応を受けたが、こっちはタイムリミットがある病気なんです、そんなに待てませんとごねて、無理やり枠を入れさせた。)

この途中で、SNS検索していたら、2025年8月1日付で、高圧酸素療法とステロイド薬物療法の併用が、2.6倍ぐらい効果的というデータが、耳鼻科学術誌のLaryngoscopeに2025/8/1付けで公開されていることを知る。

突発性難聴に対する高圧酸素療法と薬物療法の併用は,薬物療法単独に比して,聴力回復において利益をもたらす可能性が高い.10研究1687例メタ解析 Laryngoscope 2025 Aug.1 pic.x.com/dJpCyflRNy
https://x.com/EARL_med_tw/status/1952656171552444503


当初は、高圧酸素は1回1万円と結構カネがかかって、効果はいまいちという説明医者からされていたので、高圧酸素に入らなかったのが今回の失敗につながった可能性がある気がする。

効果が薄い? 高圧酸素ステロイドを併用したら、「2.6倍高い」というデータがありますがな・・・

ただ、突発性難聴にたいしては、いろいろなエビデンスが出ては消えている状態らしい。

ある日突然起きる、原因不明難病から・・・

それでも、少しでも回復可能性を上げることが大切だと思うんよね。

なんとか医者を説得するため、このエビデンスを出して、今やっている高圧酸素療法(HBOT)とステロイドを組み合わせてくれとお願いする。

ただ、全身ステロイドをもう一回するのは、他の持病もありリスクが高いので難しいということになった。

でも、鼓膜内ステロイドだったらできるということになり、鼓膜内ステロイドを受けながら高圧酸素療法を行った。

1週間後。

なんと、高音域がごくわずかではあるが聞こえるようになった。(とはいえ100dbの音でやっと聞こえるレベル。通常は20dbぐらいで聞こえるはず。)

これは、高圧酸素療法が効いたのか、ステロイドとの併用が効いたのかは、よくわからない。

また、めまいをかなり改善された。

あれだけやってダメだったのが改善されたということは、高圧酸素療法とステロイドの併用は、Laryngoscopeにあるように効果があるんでね?と思ってる。

既にここまでで3週間経過。

タイムリミットの1か月まであと1週間果たしてどうなることやら。

治療につかれて、辞めたくなったけど、あと1週間だけ頑張りたいと思う。

もう完全な聴力の回復は諦めていて、少しでも聞こえる音を増やし、耳鳴りめまいを減らしたい。

私の負けは確定した。私の片耳はもう使い物にはならないだろう。

あとはいかに負けるかだ。




医者の指示に従ったつもりだけど、ここまで病気が治らないのは不思議である

突発性難聴は発病原因からして不明難病なので、仕方がない点もあるだろうけど、技術者として、どうすればもっと良い結果になったのかを考察したい。

私は医者ではないので、これは個人の感想だ。

起きたことはもう仕方ないので、どうすればよりよかったのかを考えたい。

考えられる最適なルート

高圧酸素療法(HBOT)+全身ステロイド(ステロイドパルス)+ステロイドの鼓膜内投与をやるべきだったと思ってる。

どれか一つではなく、全部を、なるべき早く実施するべきだったと思う。

その理由

今回のように、全身ステロイドだけでは効かないことがあるため。

また高圧酸素療法は、発症後1か月は保険適応。計50回は健康保険で入れる。

ただし、1回1万円近くかかり、一部の大病院しかない。

でも限度額認定があるので、途中から医療費は0円になる。(後述)

と、いうことは、なるべく早くやる方が得である

高圧酸素療法ができる医療機関一覧

https://www.juhms.net/anzenkyoukai/shisetsu/kantou/

https://www.juhms.net/hbo/ninteishisetsu/

限度額認定

1回1万円と治療費が高額だけど心配しなくていいのは限度額認定があるためだ。

国民健康には限度額認定証があるので、その月の医療費が同一医療機関一定額を超えると、その月はそれ以降は0円になるという神制度がある。

我々には憲法保障された、健康で文化的な最低限度の生活を送れる権利があるのだ。

素晴らしきかな国民保険生存権

マイナンバー保険証だと、限度額認定証がディフォルトでセットで付与されているで何もしなくても一定回数で無料になる。

紙の保険証の人は役所に行って発行してもらうか、後日、高額医療費申請して払い戻しを受けるかだ。

また、年の医療費交通費込みで10万円(所得200万円以下は5%を)超えたら、確定申告税金が減る医療費控除も利用できる。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/ehime/cat080/2397-35324/#koujo

          月額の医療費の上限

 (省略)

所得月額51万円以下 80,100円が上限

所得月額26万円以下 57,600円が上限

低所得者(住民税課税世帯) 35,400円が上限

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3020/r151/

もし、あなた低所得者なら、高圧酸素療法は4回目から0円になるし、安月給の26万円以下だったら6回目から0円になる。

したがって、初手からステロイドの大量投与の全身ステロイド(ステロイドパルス)をやって、且つ、高圧酸素療法をするべきだ。

また、海外でやられているのようなステロイドの鼓膜内投与も最初からやるのも大切だと思う。

これはChatGPTから教えてもらったんだけど、アメリカドイツでは、全身ステロイド(ステロイドパルス)と同時に鼓膜内ステロイド投与もするらしい。

この場合、鼓膜内ステロイド意味がないかもしれないけど、やったところで損はないでしょ?というのが彼らの理屈で、とても合理的だと思う。

残念ながら、日本耳鼻科学会の手順では、全身ステロイドをやったあとで、それでも効果がないなら鼓膜内ステロイド投与をするという流れになっているそうで・・・

ただ、それだと貴重な急性期(治る可能性が高いのは発病から2週間以内。1か月たつともーむり)を無駄にしてしまう。

できるだけ、一度にやった方が効果的だと思う。

兵力逐次投入の愚をやらないためにも。すべてを一手に集めて決戦をするべきだ。

日本も、アメリカドイツ基準に代わってほしいよ・・・

また、鼓膜内ステロイド注入も、日本はデキサートかデカドロンの水みたいなステロイド剤を入れるけど、

海外では、ヒアルロン酸などを混ぜて粘性を高めて「滞留時間を延ばす」工夫をした研究報告もあるらしいので、

そこら辺も今後改善されることを願いたい。(薬事法の壁があるのでそう簡単にはできないだろうと、AIは言ってた。)

水みたいに流れ落ちないように、鼓膜内に注射してもらったら、注射された耳を上にして横になり、15分はしゃべってはいけないし、唾をのんでもいけない。なぜなら耳管が開いて流れでてしまうので。

これが結構厳しくて、最初の2回は失敗して流してしまった。

一度目は、注射後の横になる処置部屋が遠くて、流してしまった。

2度目は、処置室の診療台に用意されたティッシュを落としてしまって、あっていってしまって、そのまま流してしまった。

実にもったいない・・・

これに対して、AI相談したところ、「できるだけ薬の滞在時間を長くしたいので、すぐにベッドに行きたいので、注射後は椅子を戻してください、そしたらすぐにベッドにいって姿勢を取ります」と事前に医者に言うという方法を取ることでうまくいった。

なお、もう一つの方の大学病院は、そもそも処置室で注入してくれるので、移動時間がなくてとても楽。

ただ、設備整った処置室が1つしかないので、空いていないとまたされるのが辛いところ。その後、こちらも15分はベッドを占有してしまうのが申し訳ない所。

さて、ここまでいろいろと考察してきたが、RTAみたいな最適ルートをまとめたいと思う。

突発性難聴に対しての最適と思えるルート:

即日、高圧酸素療法ができる大学病院に行く。

おそらく、突発性難聴だと気が付いた瞬間に119して、高圧酸素療法ができる大学病院に運んでもらうのが、最良なのかな。

タイムリミットがある病気なので、時間無駄にしてはいけない。カネを惜しんでもいけない。

そして、全身ステロイド(ステロイドパルス)と高圧酸素療法を即日開始する。

可能なら、鼓膜内ステロイド投入もやってくれと主張してみる。(無駄かもしれないけど、いうだけはタダだしね。鼓膜内ステロイドは3割負担で1回300円ぐらいなので、こちらはカネは気にしなくていい。)

これを急性期の2週間、毎日やる。

発病から4週間(一か月)でもう無理になるまでは諦めるな。

毎日の通院は辛いかもしれないが、頑張れとしかいえない。

まりに遠いなら入院ホテルを取るとかもありだと思う。

今回、交通費だけで数万円使っているけど、もうしゃーないと思ってる。

時間との戦いなのでカネを惜しむな。

今やらずして一生後悔するか、今後悔するかなら、今後悔したいでしょう。

突発性難聴の頻度は、人口10万人あたり30人程度と報告されており、年間では3~4万人程度の人が発症していると推計されているそうで、誰でもランダムに起こりうる恐ろしい病気だ。

このある日、突然やってくる難病に、一人でも多く方が回復されることを願う。

  • まるでその処置で好転するかのように思ってるようだが 気のせいですよ、そんな可能性を絶 あのとき「このような治療をしておけば良かった」などと思うのは真面な負け方ではありませ...

    • どうせ負けるなら派手に戦って負けたいものだ。 もちろん、無謀な勝負をするわけではなくね。

  • 「これをやってみたら治った」 は 「これに効果があった」 とイコールではないからね 原因が不明ということは 「何もしてなくても治った」 の可能性も常にあるので それも踏まえて素...

    • 論文で効果があると書かれてることにそんなことよく言うね

      • いろんなエビデンスが出ては消えしてるって書いてあるだろ 論文一本で勝った気になるアホが多すぎなんだよ

      • そういう論文があることと医療として確立してる事は別では?

  • 機械の耳とかできないの?

    • 人工内耳はあるらしいけど、それは両耳ともに失聴した時にやる処置であって、片耳の場合はやらないらしいよ。 現代医学でも神経に関係する部分の病気への治療は難しそうに思ってる...

  • ここまで書いて結局治ってないのは ちょっと笑えるな   急性期(治る可能性が高いのは発病から2週間以内。1か月たつと難しい) って書いてるけど   それって 治る人は早期に回復して ...

    • コーヒー浣腸で治るというエビデンスが学術誌にあるなら、やるよ。 普通の治療を一通り試して、それでもダメで、コーヒー浣腸がより効果的であるというエビデンスがある論文がある...

      • でも増田君は学術誌も論文も読めないよね

        • 読めないっていうのはどういう理由から来るんや?今のご時世どんなバカでも内容は噛み砕けるようになってるし、そもそも手に入らんみたいな話?

        • お前も大工仕事をプロ中級以上にできないじゃん

    • 治療開始時期の話なんで読み違えてるのはあなたですねえ 治らない人は1ヶ月以上治療しても治らないというデータを読み違えてるだけじゃないか

    • 増田的には、もし自分が同じ症状になったら面白さは増すの?減るの?

      • 難聴RTAが始まったらそりゃ、あがるだろ

        • うーん確かに 事故に巻き込まれて足が吹き飛びましたとか、突然身内が亡くなりましたとかよりは自分で楽しむ余地があっていいね

  • ステロイドが効くのは、体内から原因が取り除かれて、あとは炎症を抑えるだけの段階になった場合だけやで。

    • 原因が取り除かれたらといっても、発病からして謎の病気だからねえ。 原因を取り除くのは無理というものだろう。 動物実験やこれまでの事例の積み重ねから、早期のステロイドが有効...

    • そんじゃあなんでアトピーにステロイドが効くんや?

  • まずその1か月タイムリミットっていうのがいきなり思い込みじゃん エビデンスとか色々揃えてたぶん1ヶ月って概算値出すのはいいけど、途中からそれが絶対的な尺度に切り替わってる...

    • 一般的に言われていることの情報を基にしています。 この病気は発病から謎が多いので、この先研究が進めば変わっていくでしょうね。

      • 医師の言う事より一般に言われてる事を信用した結果回復しなかった という可能性はないの?

        • これってなんでそういう感想が出てんの? 俺ですらTogetterとかで急に耳が聞こえなくなるのをほっといたらやばいみたいな発言がわんさか付いてるのを見たし、突発性難聴になったらや...

        • 俺の感想 「あとは」も何も、何の情報も提示されていないので想像力を働かせる余地がない。癌患者が標準治療を拒否して謎の民間伝承に固執したみたいな話でもないのに、なぜこうい...

    • 神経がダメになってる場合は固定化されるのが3週間から1ヶ月ってのはあってる話よ 内耳が膨らんで血行悪くなってるレベルだったらもう少し余裕あると思うけど ソースは治療に1ヶ月く...

    • お前の思い込みの方がやばそう

    • 思い込みだってエビデンスを示そう、な!

  • ネットでいうても、学術誌の情報が元だからねえ。 ちゃんと治療をした上で効果がないので、それならダメ元でどうかという話で。 それとトラバを消してんじゃねーよ。

  • 社会保障費圧迫するのやめてな?😅

    • 生物が遺伝子をランダム配合して多様性を確保するという戦略を取ってる以上、ハズレを引いて能力が低かったり病気にかかり易かったり最初から障害をかかえてたりする個体は絶対現...

  • 高音だけ聞こえなくなった、突発性難聴経験者ですが、ステロイドとハリ治療を並行して完治しました。 程度が違うので参考にならないかもしれませんが。 聞こえなくなった時の絶望感...

  • 朝起きたら近所の森が消滅してて 1ヶ月後に中華製太陽光パネルになってたわ 終わりだよ、この国

  • かかりつけの大学病院って存在したんだ

  • お疲れさま。書いてくれてサンクス。はてブにも仲間がいて心強い 私もちょい前に突発性難聴になって「あらかじめRTAの知識が無いと詰む病気だな」と思ったんだった。元増田や私の治...

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