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「前代未聞かつ極めて重大な不祥事」佐賀県弁護士会、県警DNA鑑定不正に最大限の非難
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「前代未聞かつ極めて重大な不祥事」佐賀県弁護士会、県警DNA鑑定不正に最大限の非難

佐賀県弁護士会は9月9日、佐賀県警科学捜査研究所技術職員によるDNA型鑑定での不正行為について、「前代未聞かつ極めて重大な不祥事」として非難を表明する会長声明を発表した。

9月8日、佐賀県警が記者会見で公表したところによると、科捜研技術職員が7年余りにわたり、実際は行っていないDNA型鑑定を行ったように装う虚偽書類を作成するなどの不正行為を130件確認。このうち16件の鑑定結果が証拠として佐賀地方検察庁に送られていた。

●「科学鑑定に対する信頼を根幹から揺るがす」と批判

佐賀県弁護士会は声明で、「DNA型鑑定などの科学鑑定は捜査の基礎となる情報であり、その内容や結果が信頼されるのは高度の専門性と中立性に担保されるものであるが、本件不正行為はかかる科学鑑定に対する信頼を根幹から揺るがすものであって、前代未聞かつ極めて重大な不祥事である」と厳しく批判した。

県警が捜査・公判への影響はなかったと説明していることについても、「捜査機関内部のみで実施された調査結果に到底信を措(お)くことなどできない」と断じ、元被疑者・被告人やその弁護人への調査が一切なされていないことを問題視した。

●第三者機関による調査実施を強く要求

また声明では、「7年余りもの間本件不正行為が看過されてきたこともゆゆしき問題」として、組織的な問題であると指摘。佐賀県警に対し、130件すべてについて関係者への説明と謝罪、事案の詳細と調査結果の全部公表、第三者機関による調査実施を強く求めた。

佐賀地方検察庁に対しても16件の詳細公表と関係者への情報提供を要求。「身内だけの判断で捜査・公判に影響がなかったなどと不祥事に蓋をするのではなく、公益の代表者として堂々と再審公判で検証しなければならない」と訴えている。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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