化粧品会社でパワハラ自殺、社長辞任し遺族に1.5億円支払いへ
化粧品会社の「ディー・アップ」(東京・港)に勤務していた女性(当時25)が社長からパワーハラスメントを受けて自殺したとして遺族が賠償を求めた訴えを巡り、東京地裁(松下絵美裁判官)は11日までに、同社社長の辞任や1億5千万円の支払いなどを民事調停法に基づき決定した。
遺族側の代理人弁護士が同日、東京都内で記者会見し、明らかにした。決定内容に社長の辞任が盛り込まれるのは異例。9日付。
訴状などによると、亡くなった里実さん(姓は非公表)は入社した2021年、先輩社員とのトラブルなどを理由として社長に呼び出され「野良犬」と罵倒されたり、「大人をなめるなよ。会社をなめるな」などと約1時間にわたって一方的に叱責されたりした。
翌年にうつ病と診断。休職期間満了を理由に解雇された後に自殺を図り、意識が戻らないまま23年10月に死亡した。三田労働基準監督署は、社長の言動はパワハラに当たると判断し、労災を認定した。
里実さんが亡くなる前の23年7月に遺族が提訴し、今年に入り会社側が和解を提案。その後に調停に移行し、地裁が民事調停法に基づき決定を出し、双方が受け入れた。
会見で里実さんの姉(31)は「頑張っている人に強い言葉を投げかけるのではなく、温かく見守る優しい社会になってほしい」と求めた。
ディー・アップはホームページに「深い哀悼の意を表し、心からおわび申し上げる」とする遺族への謝罪を掲載。ハラスメント防止規定の見直しなどの再発防止策を講じていくとした。社長が10日付で辞任したことも明らかにした。〔共同〕
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