平凡な日々に近い

 長女を学校に送り出す。次女を連れて保育園に行く。

日常に変わりはない。相変わらず長女は自分の服を自分で出すことを渋るし、次女はぐずぐずと着替えを嫌がる。


妻が焼いたパン…の、子供の食べ残しを食べる。冷蔵庫から親の地元のメーカーのヨーグルトを出して食べる。俺の母親はこのヨーグルトだけを俺と弟に食わせていた。


職場に出す報告書を作るから、今日は保育園のお迎えにはいけない。僕の父親も仕事だから、今日は妻の番。


長女は寝転がったまま着替えを始めなかった。

「10歳なんだからさ、自分の服は自分で選ばないと。18歳になったら一人暮らしできないと」

 小学校に出かけないといけない時間が迫る。寝転がって動かない長女にしびれをきらして服を放り投げてやる。

「わたし一人暮らししない」と長女は顔をしかめて言う。

「お母さんは18歳から一人暮らしだったんだよ」

僕はイライラしながら諭す。

「できないし」

「だから、10歳からあと8年でできるように訓練しないと」

長女は無言で寝転がる。

「もーわかった!このままだとお父さんと2人で家を出て暮らすからな!パパ流の暮らしになるぞ!」


「やだ!ぜったいやだ!!」


しぶりながら長女は服に腕を通し始める。


 そのころ、次女は妻の用意したパンの耳のトーストという、いつものメニューが気に入らないと豊田真由子氏ばりに「ちーがーうー!!」と激怒し、妻は精神にダメージを受けていた…。


 子育てってこんなもんなんだろうか。妻の記憶では妻の家ではこんなことはなかったという。毎日みんな素直に準備をして出かけていたのだと。

 僕の弟も優等生だった(中2でぐれるまでは)


「ミニえりちゃんが2人いるんだよなー」と妻はこぼす。「そこが可愛いんだけど」

「君の遺伝子が機能してないのは君の責任だ。君みたいな娘が出てくると思っていたのに」

「えりちゃんが3人いて楽しいよ」


何度もした会話。「ミニえりぞ」たちとの暮らし。

いつまで続くのだろう。ずっと先になっても、子どもたちは今のことを覚えているだろうか。


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