英紙が報じた「日本では異色の移民誘致を掲げる街」 海外人材を呼び寄せる「切実な理由」とは?
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大企業が海外人材獲得を急ぐ理由
いま浜松市が求めるのは、かつてのような産業成長を維持するための労働力ではなく、人口減少と東京への人材流出によってひっ迫する市内の企業を支えるための労働力である。 市は移住を希望するあらゆる労働者を探している。そのなかでもインドからの移民は急増しており、新たな移住者は過去に比べて、より高学歴で専門技能を有しているという。つまり、サプライチェーンやサービス業に従事する人材だけでなく、エンジニアやソフトウェア開発者も浜松に惹かれているのだ。 浜松市は文化交流プログラムのほか、外国人就労者の日本語学習を支援する補助金制度、通訳サービスなども提供。日本語講座は日常生活に必要な内容に重点を置く。 日本政府も労働者が長期滞在しやすくなるよう制度を整えており、「特定技能」ビザ取得のハードルも下げている。このビザは、将来的に無期限での滞在を可能にする道を開くものだ。 一方、大企業にはこのような労働者を呼び込みたい独自の理由がある。スズキの浜松本社は、自動車産業のビジネスモデルを変革する技術開発のためにインドの子会社から約200人の技術者を招いた。インドの大学から直接採用もしている。 スズキの常務役員で次世代モビリティサービスを統括する熊瀧潤也は、同社の施策についてこう述べる。 「我々は伝統的すぎて新技術に対応する人材が不足していました。機械系の技術者はいましたが、ソフトウェア技術者はいませんでした。また、新たな事業創出が重要ながら、ここは日本企業が苦手とする分野です。 そのため、インドからは若手技術者に加え、管理職の人材もさらに招く予定です」
David Keohane, Harry Dempsey and Leo Lewis
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