メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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HDリマスターされた東京受胎と人修羅を……最高やな!


オープニング:4

 新しい戦場は同コロニー内でお隣のセクター、つまりは斜め上方向に見えていた板の上だった。セクター間をどうやって移動するのかはDクラス上がり程度には勿体なくて見せられないよ! ということらしい。

 

 

 三人一組のチームで行動できること、装備がハンドガンとナイフからマシンピストルとサーベルに強化されたこと、ノルマの制限がその日限定から一週間のトータルに緩和されたこと。

 これだけ良い条件が与えられるときたら、今度の仕事で戦うクリーチャーはいままで倒したヤツらより強いだろうなって想像するじゃん? 実際その通りでした。ブタ玉ほど大きくはないが、それでも3メートル級のクリーチャーとか出てきちゃったらビックリするだろ普通に! 

 

「こう大きいとエネルギー結晶体……ではなかったな、生体マグネタイト結晶体を取り出すのも一仕事だな。1匹から複数個採取できるのは悪くないが。マモル、それにリーダーも」

 

「ありがとうございます。リーダー、どうしますか? ノルマには余裕がありますが、Dクラスのときと違って貯蓄が許されてますしチップと交換するのもいいと思いますよ」

 

 いや、ここは自分たちで吸収することにしよう。余裕があるからこそ、いざというときに魔法が使えるようにMAGを蓄えておくべきだ。

 あとキミたち、ナチュラルに俺のことリーダー呼びしてるのなんなん? 俺たちはそんな上下関係を気にするような間柄じゃないだろ? もっと対等な関係でいこうぜ、具体的にはあらゆる責任を三等分するぐらいに。

 

「名前を決めていなかった貴方が悪い。せっかくCクラスに昇格したのに。いつまでもFだのナンバーだので呼んでいたら面白くないだろう?」

 

 フンッ、と少しご機嫌ナナメに鼻を鳴らすホノカ。そういえば名前を決めていなかったことで先任のCクラス戦闘員の偉そうなハゲに「自分の名前すら決められなかったグズのキサマにピッタリな呼び名があるぞ。今度からお前のことは『ノロマ』と呼んでやる。どうだ嬉しいだろノロマ! ハッハッハッ!!」とか言われて周囲にいた連中に笑われたときもイヤそうにしていたな。

 ぶっちゃけこんな世界だし、その程度の嫌がらせなんか強がりでもなんでもなく平気なんだけど。何処ぞのポストアポカリプス世界の戦車作りの名人なんか親しみをこめて「ハナクソーッ!」とか呼んでくるし。お前のことやぞバトー博士。でもメタルマックスシリーズの中でもお前のことは嫌いじゃないわ! 不動の一番人気はポチです異論は認めんッ!! 

 

 

「別に僕もホノカもリーダーに責任を押し付けようなんてかんがえていませんよ。ですが、事実としてリーダーが一番戦いで頼りになりますからね。いろいろと……その、洞察力と判断力に優れていますし」

 

「先日戦った大型の──あぁ『乙型ヨモツイクサ』と言うんだったな。あのレベルの敵がまた出てきたときには活躍に期待しているぞ? もちろん命を無駄遣いしない前提でな。それにしても、ヨモツイクサ……か」

 

「死者の国である黄泉の国から、現世を生きる人間を喰らうために這い出てきた異形の化け物。軍で正式にそう呼んでいるのなら、国家貢献義務の説明のときに一緒に教えてくれてもよかったのに、とは思いますね」

 

 それはそう。いままでクリーチャーだの化け物だの呼んでいたが、正式な名称があったなら勿体ぶらないでいいだろっていうね。

 

 それとも、これも仕事のやる気を引き出すための施策のひとつなのかな? お前は偉くなったから、いままで教えられなかったことを教えてやるぞ~みたいな。

 結局こうして知ることができるんだし、まさか化け物の呼び名を教えるって行為そのものが国家機密に関わっているワケでもあるめぇによ。だって普通に戦ってんだから。

 

 

「連中が死者の国の軍隊ならば、私たちが歩いているこの場所は死者の国の入り口か……それともすでに足を踏み入れているのかもしれないな?」

 

「そうですね……。建物が植物に覆われてしまっているのは前の場所と同じですが、壁の一部がどう見てもヨモツイクサの身体みたいに変質しています。なんだか奴らの腹の中にでも入ってしまったようで、あまりいい気分ではありませんね」

 

 ん~。スマン、ふたりとも。こういう肉々しいダンジョンは前世で何度も経験してるから“そういうもの”ぐらいにしか思ってなかったわ。洞察力(笑)ですねこれは。

 いや、警戒はしてるよ? この肉壁からいきなりヨモツイクサが生えてきて襲い掛かってくるパターンとか普通に考えていたし。

 

 あのブタ玉が魔法を使ってきた以上、その辺の雑魚である丁型ヨモツイクサとやらも魔法を使える可能性は普通にあり得る。

 それが攻撃魔法ならばまだいい。火炎のアギや氷結のブフとかならダメージを受けるだけだが、これが混乱を引き起こすプリンパだったり、魅了効果のマリンカリンあたりを奇襲で使われた日には泣きたくなるような被害が出るだろう。

 

 最悪はもちろん即死付着の闇魔法ムドです。同じ即死でも光系のハマは……どっちかっていうと帝国軍の上層部とかに使えそうなヤツいそうだな。天使を自称するような連中だ、プロパガンダ的な意味でも有効だろうさ。

 

 

(魔法が使える化け物が増えるっていうことは、アタシと同じような悪魔もいるのかな? 面白そうだし、またMAG結晶体につかまっている子がいたら助けてみようよ!)

 

 おぉ、そうそう仲魔も増やさないとイカンのだった。俺にそれができるのかどうか、という問題はあるが試してみる価値はあるはずだ。

 幸いにしてD民生活のときとは違い一定量のMAG結晶体を持ち歩くことが許可されている。下手な動きを見せればあっという間にドナドナされるだろうが、砕くだけなら体内のMAG量を補充すると言い訳もできるからなんとかなるだろう。

 

 

 これでいきなりメガテンやペルソナで高レベルが要求されるような悪魔が出てきて、契約と同時にMAG吸いつくされて死んだら笑えるな! アッハッハッ! 

 

 いや笑えねぇから。

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