メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

15 / 129
オープニング:2

 男は度胸! 

 

 なんでも聞いてみるものさ☆

 

 

「不注意に失礼なことを言ってしまうか心配だから勉強できる物が欲しい、と。いいわ、私の権限で持ち出せる本なんかを持ってきてあげる。

 でもあまり期待しないでね? 主な任務が医療用だから見た目ではわかりにくいかもしれないけど、私これでもオルギア駆動の……あ~。えーと、機械の人形って言って通じるかな? とにかく生身の人たちよりできることが少ないの。それでもいいなら任せて」

 

 

 そっちか~い! SF的な意味での人外か~い! 

 

 

 僥倖……ッ! 

 

 そしてセーフ……圧倒的セーフ……ッ!!

 

 一瞬だけ聞こえたオルギア駆動とかいう単語にペルソナプレイヤーとしてはなんかポンコツ臭と同時に不安を感じてしまったものの、ロボットのほうが人間の皮をかぶった天使に監視されるよりは100倍安心できる。

 なんなら同じロボットでもペルソナ3の初期アイギスより人間らしさに富んでいて話しやすいし。いや、アレはアレで大好物だけどね? なるほどなーの言い方とか最高に可愛いからね。キタローこと主人公にベッタリなのも大型犬っぽくて嫌いじゃないわ! 

 

 しかしロボットとな。もしかしたら12歳まで過ごしてた施設にも中身ロボットの職員さんとかいたんだろうか? 

 それとも完全に軍事用で外には流通していないとか。いうて施設にいたのは番号で管理されてるDクラス帝国市民の子どもだし、テクノロジー満載の機械なんか配置するワケないか。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 天使という言葉を使わないほうがいい、その理由は戦々恐々と想像していたアレコレよりかなりシンプルなものだった。

 皇帝陛下、そしてその血族たちの直属の部下。その栄誉を賜ることを許された身分の者を天の御遣い、あるいは天使や天使兵と呼ぶんだそうな。現人神たる皇帝陛下に仕えることを許されたAクラス帝国市民だけの特権なんだそうだ、天使って表現は。──ややこしいわ! 

 

 はーキレそ。いや転生してから施設にあったソレ系の漫画とかテレビをちゃんと見てこなかった俺が悪いんだけど。当時は若く、この世界にメガテン要素があるとは思っていませんでした。

 しかし……う~ん。これ絶対に『裏』があるよな。だって生体マグネタイトって単語があって、魔法って概念もあるんだよ? しかも軍が一般市民や下っぱにはそれらの情報を与えることなくMAGも人材も積極的に集めてるっぽいというオマケつきだ。

 

 

 なにより、渡された資料のどこにも『悪魔』や『魔王』といった記述が無いのがべらぼーに胡散臭いし不自然過ぎる。

 神や天使を名乗り民衆からの支持を得たいなら、そうしたわかりやすい悪者がいたほうが楽なことぐらい俺にだって想像できるのに。

 

 

 さて困った。

 

 別にこの階級社会をブチ壊して人々の平等な自由を取り戻そうとかそういうことは全然考えてはいないけど、むしろ自分の生活が保障されるなら秩序のある社会で生きることもやぶさかではないけども。

 だが情報が足りてないままでは地雷原でダンスしながら生き続けるようなものだ。前世の知識と価値観が残るまま知らぬ存ぜぬとアホのふりをしていても、必ずどこかでボロが出るに決まっている。

 

 

 記憶を維持したまま若い肉体に生まれ変わった存在がDクラス帝国市民の中にいる、なんてバレた日には。

 

 しかもそいつが上層部が隠そうとしている悪魔や魔王に繋がるようなモノが見えていると知られたら。

 

 

 い、嫌すぎる……ッ! 人間らしく生きることができる未来なんて砂粒ほどにも見えやしねぇ……ッ!! 

 

 だがいまさら手に入れた力を手放すことなんてムリだ。一般市民にどこまで情報が公開されているのかはわからないが、この世界には悪魔の力が使えるクリーチャーが存在しているのは経験済みなのだ。

 そもそも手放そうと思ったって手放せないだろうし。3年間も必死になってクソ不味いMAG食い続けてたからな、下手すりゃ俺ってば何割かもう人間辞めてるんじゃね? だからピクシーの姿が見えてるのかもしれんし。

 

 ……ん? というコトはほかの連中は、LくんやCちゃんは別の方法で力に目覚めたってコト? 

 

 もしそうならアレだ。俺は死なないために強くなろうとした結果、より凄惨な死に方をする道を全力ダッシュしていたことになるな。

 まったくも~、おっちょこちょいのオチャメさん♪ ふざけんなチクショォォォォッ!! 生きるために必要だからと選んだ選択肢が実は難易度を爆上げするトラップとか、それが人間のやることかよぉぉぉぉッ!! 

 

 

 よし、諦めて悪魔の力を集めよう。

 

 

 やはり暴力、暴力こそが全てを解決する唯一にして絶対の真理……ッ!

 

 情報を集めるにしてもさっきのロボット、アンドロイド? のお姉さんの話からして立場によって閲覧できる資料に制限があるみたいだし、軍の中で功績を上げるためにも力は必要不可欠だ。

 

 まぁ秘密を知るということは自ら危険に近付くことと同じではあるんだが。それでも一方的に使い捨てに、というかモルモット扱いされながら死ぬよりはマシだ。

 こうなったらタダでは死なん、せめて上層部にいるかもしれない神やら天使やらに嫌がらせのひとつやふたつぐらいしてやらないと気が済まない。もし本当に人間しかいなかったら? そんなん顔面にグーパンしてやるですの! 

 

 とりあえずはこのあと、俺を含めてあの騒動を生き残ったD民たちをどう扱うのか沙汰を待つしかないか。わざわざCクラスの市民権を与えたんだ、引き続きクリーチャーと戦わされるとしても環境は変わるハズ。

 せめてまともな食事を毎日食べられるような生活をさせてほしいもんだな。お湯でドロドロにした超薄味のカロリーメイトみたいな物体を啜るだけの日々は普通につらたんだったし。

 

 

 

 

 ……さっき食べたウィンナーソーセージ、ちゃんと豚肉とか牛肉で作られたヤツだよな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。