メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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VS暴食の尖兵:1

 俺が電撃のジオ、Lくんが衝撃のザン、Cちゃんが火炎のアギが使えるとして。これだけ揃ってるなら誰かひとりぐらいブタ玉の弱点を突けるんじゃなかろうか。

 

 

「燃えろッ! ──なに!?」

 

 

 はい。さっそく火炎耐性を確認できました。バスケットボールぐらいの火の玉がアッサリと受け止められて握り潰されてしまったがな。

 となれば、メガテン脳で考えるなら氷結弱点の可能性が高いか? それならそれで電撃と衝撃は普通に通ると期待できるので戦いようはあるが。

 

「奥では同類が炎に焼かれて息絶えているのだがな、見た目と違って能力は別物と考えるべきか。よし、私は囮役としてヤツの動きを牽制することに集中しよう。偉そうなことを言っておいて任せるのも少々情けない話だが、主戦力は貴方たちに任せるッ!!」

 

 消費するMAGの量を調節したのだろう、今度は野球ボールぐらいのサイズを両手に発現させている。

 なるほど威力を絞る、そういうのもあるのか! 俺みたいに前世知識という先入観が無いぶん、魔法の扱い方はふたりのほうが器用かも。

 

 

 ヤツの意識を分散できるなら、少しぐらい大胆に攻め込んでしまうのもアリだな。というかCちゃんのMAGが尽きて気絶するまでに決定打を与えないと一気に崩れることになる。

 だからといって簡単には致命傷を狙えない。となれば、せめて戦闘力を低下させるぐらいのことは──部位破壊かッ! 腕でも脚でも1本封じるだけでかなり戦いは有利になるハズだ! 

 

「いいですね、僕も賛成です! Cさんが動きを止めてくれている間に、僕は前足に衝撃を集中させてみますッ!」

 

 脚は動かし続けろよ! ヤツを中心に旋回しながら戦うんだ! 強力な腐蝕作用のあるブレスを吐き出してくる、直撃したら魔法の力でも助からないからなッ! 

 

「マホウ? 魔法、なるほどそういうものか……わかりましたッ!」

 

 いい返事だ、さすがは優等生キャラっぽい見た目と喋り方をしているだけあるぜ! 

 

 

 Cちゃんがアギでブタ玉の注意力を散漫にしている間に、俺とLくんでサイドアタックになるよう位置取りを調整する。ターゲットが観光バスみたいにデカいので同士討ちになるリスクは低いだろう。

 しかし困ったな、部位破壊を狙うにしてもジオでやれるかちょっと自信無いぞ? 感電させたり火花でオブジェクトを爆発させたりはできたけど、化け物の身体を直接破壊したことはなかった気がするし。

 

 いきなりジオンガを使うか? 出し惜しみをして手遅れになるよりはマシな判断のハズだが……イカン、イカンぞこれは。仲間がいることで選択肢が増えたぶん迷いも増えちゃった。回復と補助にもMAGを残しておきたいんだもの。贅沢な悩みだなオイ! 

 

 なにか、なにか都合よく使えそうな物が落ちてたりとかしたぁぁぁぁッ! あ、あれは……軍人の刀じゃねーか! 

 

 ちゃんと『斬る』には訓練が必要な武器で素人にはとても扱える代物ではないが、力任せに『突き刺す』だけなら俺だってひとりでできるもん! 

 相手の身体を駆け登って上半身、あわよくば頭や首に一撃ブチ込むことができれば最高だけど怖いから素直に下半身の脇腹を狙おう。いや、違うな。これはビビッてるんじゃない、冷静で的確な判断をしているだけだ。

 

「Cさん、前足をッ!」

 

「わかったッ!」

 

 アギとザンが同時にブタ玉の前足に直撃、さすがのデカブツでも怯んだか! ここが勇気の見せ所だコラァァァァッ!! 

 脇腹におもいっきり突き刺して! 強化された腕力と脚力に任せて切り開いてどっせぇぇぇぇいッ!! 折れたぁぁぁぁッ!! 

 

 でも大きく傷を作ることはできたな! 次は、次は? え、このあとどうしよう!? ……ハッ! この傷口に火炎放射器の燃料タンクをねじ込んで爆発させれば、いくら火炎耐性持ちだとしてもかなりのダメージを与えられるんじゃないか? 

 そうと決まればさっそく探しに──行きたかったけどブタ玉のヘイトは完全に俺に向けられてるね! そうだよね、脇腹抉られたんだもの俺をブチ殺さないと気が済まないよねぇッ!! 

 

 

 Cちゃぁぁぁん! 燃料タンクッ! 傷口のとこにッ! うわ、ブレス危ねぇッ!? 

 

 

「燃料タンク? なるほどそういうことか! 装備を投げ捨てるほど慌てて逃げてくれた腰抜けどもに感謝だな。L、私は一度離脱する。その間のFの援護は貴方に任せるぞ!」

 

「お気をつけて! まだほかにも動ける大型がいるかもしれませんし、人間の形をしたクリーチャーもいるようですから!」

 

 臨機応変に役割分担を変えて戦う、これもパーティー戦闘の醍醐味ってヤツよ! つまりここで俺が切り札であるジオンガよりも、囮役を全うするためにスクカジャを優先するのは自然な流れだよな? な! 

 

(ハイハイ。スクカジャッ!)

 

 よし、これでブタ玉から離れることなく囮になれる! 避けることに集中しすぎてCちゃんの邪魔をしたんじゃ本末転倒だし、障害物の多い場所に追い込まれて逃げ場が無くなったらそこで試合終了しちゃうし。

 あのブヨブヨした脚じゃ蹴りは使えないだろうから、腕の動きと腐蝕ブレスをとにかく注意しよう。一応ハンドガンでも反撃してみるか? 頭を狙ってラッキーヒットが出ないとも限らない。

 

 どれ。ブタ玉が叩き付けてくる拳を華麗に避けて~弾丸をプレゼントだッ!! 

 

(あっ)

 

 あっ。

 

 問、自分の脇腹に刀を突き刺したヤツに今度は頬っぺたを撃たれた。そのときのボスキャラの気持ちを答えよ。

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