メガテニストはディストピアでもヘコたれない。   作:はめるん用

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プロローグ:6

 この世界の悪魔事情・その1。

 

 どうやらピクシーの姿は俺以外の人間には見えていないらしい。クリーチャーの反応はグレーゾーンといったところか、なんとなくピクシーの存在は感知しているようだが正確な位置までは見えていない様子だった。

 それとは別に俺の内側に隠れることもできるらしい。その間はMAGの消費はほぼゼロになる省エネ仕様なのだが、MAG結晶体に閉じ込められていたときのことを思い出すからあまり好きじゃないとのこと。

 

 

 この世界の悪魔事情・その2。

 

 物質的な干渉はできる。俺が手渡した物限定というワケではなく、陳列された商品を動かすことができたので“見えないだけで実体として存在はしている”ということなのだろう。

 つまり壁抜けをして偵察してもらったり、みたいなことは頼めない。なんなら流れ弾だって当たるかもしれないのでムチャをさせるのは厳禁だな。

 

 

 この世界の悪魔事情・その3。

 

「たぶんだけどね~、アタシは死んでもアンタのMAGを使って生き返ることができるっぽい? 気がするんだよね。言っとくけど逆はムリよ?」

 

 

 この世界の悪魔事情・その4。

 

 生体マグネタイトを感知できる。クリーチャーたちの接近を知らせてくれるピクシーさんマジ天使。メガテン要素のある世界で天使が褒め言葉として機能するのかは怪しいところだけど。

 そして重要な情報がもうひとつ。集合したときに気が付いたらしいが、どうやら俺以外にも体内のMAG量が高い人間が何人かいるんだとか。そりゃね、俺が思い付くんだからほかのD民だってやるよねって話だわ。

 

 だが気になるのは、そいつらにもピクシーの姿が見えていないということだ。もしかしたら違和感ぐらいは察知してるかもしれないが、見られている感覚は無いとのこと。

 

 

 ふむ。俺だけが仲魔と一緒に戦える権利を持ってるんだぜ~? みたいなご都合主義な展開は初めから除外していたが、少なくともこの職場でサマナーごっこができるのは俺だけのようだ。いまのところは、という仮定の話になるが。

 どれほどの規模でやっているかは想像もできないが、大量のMAGを軍が集めているのであれば日本帝国のどこかには同じように悪魔の姿が見える者、そしてなんらかの形でその力を利用している者は確実にいると考えるべきだな。

 

 いや、もしかして順番は逆か? 悪魔の力を利用して宇宙開発をしているから大量のMAGが必要なのかもしれない。なんならこのコロニーの惨状も悪魔の力の研究で事故を起こした成れの果て、なんてパターンもあり得るぞ? 

 

 あ~やだやだ。話の規模がどんどん大きくなるじゃないの。こうなってくるとこの世界の地球がどんな恐ろしいことになってるのか想像もできんな。

 人間が住めない星になって仕方なく宇宙に飛び出したとか、メガテンシリーズにそれに近いエンディングあんの知ってんだからね! 

 

 ついでに、Dクラス帝国市民とかいう人材というより資源扱いされてる身分で悪魔が見えるってのも悩ましいところだ。

 選択をミスれば最悪の場合、椅子に拘束されて頭にプラグ突き刺されて延々と人間タンポポ扱い方されるかもしれんぞ。どこぞの財団のDクラス職員よりはマシな待遇とも……いや、ないな。うん。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 小難しいことアレコレ考えて賢いフリをしてみたものの、いまの俺にできることはクリーチャー倒してMAGもぎ取ってレベルを上げる以外にな~んにもないっていうね。つまりはいつも通り過ごして様子見ってこったぁ! 

 

 とりあえず地道に努力を続けて、なにかの拍子に手詰まりになって望みが断たれたときはピクシーだけでも逃げるようにと伝えてみた。

 そりゃできることならギリギリまで助けて欲しいけど、最悪の状況になってまで巻き込むのは気持ち的にちょっとね。意地ってモンがあるんですよ、男の子には。

 

 したら真顔で「いや、だからさ。アンタになにかあったら、アンタからMAG受け取ってるアタシも消えちゃうんだってば。アタシだけ逃げても意味無いの。わかる?」って返されました。うーん、これはダサいッ! 

 

 と、いうワケで今日も一蓮托生ふたりで楽しく労働に励むのでした。まる! 

 

 

 で。

 

 

 意気揚々とクリーチャー狩りをしながら試しに奥のほうへと進んでみた結果、俺とピクシーは瓦礫に隠れて一触即発な雰囲気の少年と少女を見守るという厄介ごとの匂いしかしねぇ状況に追い込まれているんだな、これが。

 

 ひとりは優等生って言葉が似合いそうな眼鏡をかけた男の子。もうひとりはロングヘアーに鋭い目付きというツンデレ風味を感じる女の子。

 女の子が男の子へ銃口を向けて強い口調でなにか言っているのを、男の子は銃を下ろして語りかけるというか……説得だか交渉だかしているようにも見える。

 

 

「ねぇ、ニンゲン。あのふたり、アンタほどじゃないけど強いMAGを蓄えてる」

 

 ほー。ますます関わりたくない理由ができちまったわね。

 

 

「あと、ハンドガンだっけ? その武器を持ってないほうの手に、ふたりともMAGを集中させてるの。アレ、アタシがジオやディアを使うときと同じなのよね」

 

 ……は? 

 

 

「あのニンゲンたち、アンタと違ってアタシの姿は見えないみたいだけど、アンタと違ってアタシみたいに魔法の力が使えるみたいね」

 

 はぁぁぁぁんッ!?

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