しくじり その2
【現場でハマったタクトアップの壁と切り抜け方】
「タクト」とは、1個の製品が完成するまでにかかる時間のことです。
設備開発の現場では、このタクトタイムが最初に仕様として決められ、メカ設計も制御設計も
「どうやってこの時間内で仕上げるか?」を常に逆算しながら進めていきます。
理想は、“一つの動作が終わったら次の動作”というシンプルな流れで、安全を最優先に設計すること。
タクトがきちんと間に合うなら、オーバーラップ(複数工程の同時進行)させずとも、それがベストです。
この部分はまさに機構設計者の腕の見せ所でもあり、タイミングチャート通りに進めば、無駄なく効率よく動く――はずでした。
ところが実際の現場では、思わぬ落とし穴が待っています。
例えば、ロボットやサーボの「位置決め完了」の信号が届くまでに、通信処理でわずかなタイムラグが発生したり。
こうした小さな遅れがいくつも積み重なって、最終的には「タクトが合わない」「なぜか全体が遅れる」といった問題になって現れてきます。
私も過去に、一つ一つの動作を順番に進めることだけにこだわりすぎ、全体の流れに無駄な“待ち”が生まれてタクトが全然上がらず、現場で頭を抱えたことがありました。
本来なら機構設計側で解決するのが理想ですが、どうしても間に合わない…そんなときこそ、制御側がオーバーラップ制御などの工夫で現場をサポートすることが求められます。
こうした経験を経て、私は「計画段階から現場で発生しうる通信遅延や細かいロスも含めてタクトタイムを見積もる」「万が一間に合わない場合は、制御で動作を重ねて同時進行させる工夫をする」ことを意識するようになりました。
どんなに理想的な設計をしても、現場で“想定外”が起きた時にピンチを救えるかどうか――そこが制御エンジニアとしての腕の見せ所だと実感しています。
みなさんも、タクトタイムで苦労した経験や、現場で工夫して切り抜けたテクニックがあれば、ぜひコメントでシェアしてください。
みんなの知恵を持ち寄って、もっと強い現場を作っていきましょう!!
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