佐賀県警 DNA鑑定で不適切対応の科捜研職員を書類送検

佐賀県警察本部の科学捜査研究所に所属する40代の職員が、未実施のDNA鑑定を実施したかのように装うなどしていたことがわかり、証拠隠滅などの疑いで、警察は8日、この職員を書類送検するとともに懲戒免職にしました。

懲戒免職の処分を受けたのは、佐賀県警察本部の科学捜査研究所に所属する40代の職員です。

警察によりますと、去年10月までのおよそ7年間に担当したDNA鑑定で、未実施の鑑定について関係のない資料をつかって実施したかのようにみせるなど虚偽の報告をしたり、血痕などを採取した鑑定に必要な資料を紛失していたものの、別の資料を使い装ったりするなどして、あわせて130件の不適切な対応があったということです。

この中には、殺人未遂や薬物、ストーカー事件の証拠として使われたものも含まれているということで、警察は8日、この職員を懲戒免職の処分としました。

また、このうちの13件について虚偽有印公文書作成・同行使と証拠隠滅などの疑いで書類送検しました。

警察の調べに対し「仕事ぶりをよく見せるためだった。仕事が遅いと思われたくなかった」などと容疑を認めているということです。

県警察本部の井上利彦首席監察官「このような事案を発生させ、県民の皆さまに深くおわび申し上げます。鑑定業務の信用を失墜させることで重く受け止めています」としています。

【専門家「組織全体で鑑定の信頼性高めることに意識低かったのでは」】
九州大学大学院法学研究院の田淵浩二教授は「DNA鑑定は捜査において重要な証拠だと認められているからこそ、正確性が求められる」としたうえで、「7年という期間にわたって不適切な対応が続いていたというのは聞いたことがない。組織全体で鑑定の信頼性を高めないといけないという意識が低かったのではないか」と指摘しました。

また、すでに判決が出た事件であっても、あとになって証拠の信用性が争われるケースがあることから「証拠や、鑑定の過程を検証できるように記録を残しておく必要があり、そういう意味で公正ではない。もし、有罪事件に証拠として採用されたものがあるのならば、起訴、不起訴の判断をした検察など外部の組織がきちんと調べる必要がある」と話していました。

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