イスラエル軍 カタール首都に攻撃 ハマスのメンバー5人死亡

イスラエル軍は9日、イスラム組織ハマスの幹部を標的にカタールの首都ドーハに攻撃を行ったと発表し、ハマスは攻撃でメンバー5人が死亡したと明らかにしました。イスラエルのネタニヤフ首相は、8日のハマスによる銃撃事件を受けたものだとして攻撃の正当性を主張しました。

カタールの首都ドーハでは9日、複数回にわたり爆発が起き、その後、イスラエル軍はハマスの幹部を標的にした攻撃を行ったと発表しました。

イスラエルメディアは、ガザ地区をめぐる停戦協議でハマスの代表団のトップを務めるハイヤ氏など複数の幹部が標的で、攻撃についてはイスラエル側がアメリカとカタールに事前に通知したと伝えています。

攻撃のあとハマスは声明を発表し、停戦協議の代表団は無事だったとした一方で、ハイヤ氏の息子を含むハマスのメンバー5人が死亡したと明らかにしました。

また、カタールの内務省は治安当局者1人が死亡し、数人がけがをしたと発表しました。

一方、ネタニヤフ首相は声明で、8日にエルサレム市内でパレスチナ人の2人組が銃を発砲して6人が死亡した事件を受けハマスの幹部の殺害を指示したと明らかにし、攻撃の正当性を主張しました。

ただ、イスラエルメディアは、攻撃は以前から計画されていたとも伝えています。

これまでイスラエルとハマスの間の仲介にあたってきたカタール政府は「あらゆる国際法などに明白に違反している」などと攻撃を強く非難していて、今後、停戦協議への影響も懸念されます。

トランプ大統領「攻撃はネタニヤフ首相による決定」

アメリカのトランプ大統領はSNSに「攻撃は、私ではなく、ネタニヤフ首相による決定だ。残念ながら攻撃を止めるのには遅すぎた」と投稿しました。

また、ホワイトハウスのレビット報道官は9日に声明を発表し、今回の攻撃について「トランプ政権は、アメリカ軍から知らされた」としています。

その後、トランプ大統領はすみやかにウィトコフ中東担当特使に攻撃についてカタールに伝えるよう指示したということです。

イスラエルから通告があったかについては、明言しませんでした。

声明では「われわれとともに和平の仲介に努めるカタールの領内に対する一方的な攻撃は、イスラエルやアメリカの目標を前進させることにはならない。トランプ大統領は、カタールを強い同盟関係にある国で、友だと考えていて、攻撃された場所についてとても残念に思っている」とした一方、「ハマスを根絶することは、価値のある目標だ」とも述べています。

攻撃のあと、トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と話をし、その中で、ネタニヤフ首相は「すみやかに平和を実現したい」と述べたということです。また、トランプ大統領はカタールのタミム首長とも話し、「二度とこのようなことが起きないよう保証した」としています。

また、今回の攻撃について、アメリカのトランプ大統領は9日、記者団に対し、「この状況全体を不満に思っている。よい状況ではない。しかし、われわれは人質を取り戻したい」と述べました。また、記者団からイスラエル側から攻撃について事前に通告があったかどうか問われると、「なかった」と答えました。その上で、今回のイスラエル軍の攻撃に関連して10日に声明を発表することを明らかにしました。

国連事務総長やヨーロッパの首脳たち 攻撃を非難

国連のグテーレス事務総長は、9日の記者会見でカタールについて「停戦や人質全員の解放を実現するために非常に積極的な役割を果たしてきた国だ」と評価したうえで、「カタールの主権と領土の一体性に対する目に余る侵害を非難する」と述べ、イスラエル軍による攻撃を非難しました。

そのうえで「すべての当事者が永続的な停戦の破壊ではなく実現に向けて努力しなければならない」と呼びかけました。

イギリスのスターマー首相は9日、SNSへの投稿で「カタールの主権を侵害し、地域全体のさらなる緊張の激化を招くおそれがある、イスラエルによるドーハへの攻撃を非難する」としています。

フランスのマクロン大統領もSNSへの投稿で、「イスラエルによるカタールへの攻撃は、いかなる理由があろうとも容認できない。どのような状況下でも、戦争が地域全体に拡大してはならない」として非難しました。

国連安保理 緊急会合開催へ

国連の安全保障理事会では日本時間11日午前、緊急会合が開かれることになりました。

議長国の韓国によりますと、会合はアルジェリアなど3か国の要請で開かれるということです。

緊急会合の開催についてイスラエルのダノン国連大使は「アルジェリア大使はハマスと協力することを選んだ」などと反発したうえで、「イスラエルはテロの指導者がどこに隠れようと断固たる行動を続ける」などと主張しています。

林官房長官 「強く非難 事態の沈静化を強く求める」

林官房長官は午前の記者会見で「カタールを含む関係国による真剣な外交努力が行われている状況でイスラエルによる攻撃が行われたことは外交努力を妨げ、カタールの主権と安全、ひいては地域の安定を脅かすものであり、わが国として強く非難する」と述べました。

その上で「イスラエルに対し直ちに交渉に立ち戻り、停戦の実現と人質の解放に向けて誠実に取り組むよう改めて強く求める。中東地域の平和と安定は、わが国にとって極めて重要であり、すべての関係者に対しテロ行為を含め地域の安定を損なういかなる行為も控えるよう求めるとともに、事態の沈静化を強く求める」と述べました。

そして、現時点で日本人が被害に遭ったという情報はないと説明し「引き続き、在留邦人の保護に万全を期すとともに事態のさらなる悪化を防ぐためあらゆる外交努力を行っていく」と強調しました。

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