- 【認知的不協和理論】とは
- 【認知的不協和】を解消しようとする行動
- 【認知的不協和】の例
- 【認知的不協和理論】「保守派」と「リベラル派」
- 【認知的不協和理論】『個人差』が生まれる仕組み【脳の構造】
- 【脳の構造】「保守派」と「リベラル派」の違い
- 【脳の構造】『理性』と『本能』の関係
- 【ネトウヨ・カルト】が生まれる『心理的メカニズム』_《前頭前野》の機能低下と《大脳辺縁系》の暴走
- 『ネトウヨ・カルト・御用学者』の【精神構造】_共感・罪悪感・葛藤の欠如と客観的・俯瞰的視点の喪失
- 【防衛機制】とは何か?_社会を分断する原因
- 【投影性同一視】と『プロパガンダ』_独裁体制の正当化
- 『自立的人間』と『依存的人間』
- 『依存の悪循環(負のスパイラル)』の構図
- 『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥る原因は何か?_「盲目となる」原因
- 『愛国心』とは何か?_権力への服従・隷属【カルト国家】
- 『日本型ファシズム』の成立_「鬼畜米英」から「対米従属」への変節・寝返り
- 【認知的不協和理論】『変節・寝返り』の正当化_常に強者に隷属し、弱者を痛めつけようとする『心理的メカニズム』
- 戦後《対米従属・自民党独裁体制》の正当化と『靖国神社』の役割
- 『日本的ファシズム』の成立
【認知的不協和理論】とは
【認知的不協和】とは、人が自身の認知(理解・知識・信念・価値観・行動・環境など)とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感やストレスを表す“社会心理学用語”。
アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。
複数の矛盾する認知を抱えた状態
それによると、人は認知的不協和(矛盾)が拡大し不快感や苦痛やストレスが高まると、それを解消しようとする心理的圧力がかかり、矛盾する認知の定義を変更したり、過小評価したり、自身の考えや態度や行動を変更しようとする。
その考え方を【認知的不協和理論】という。
認知的不協和理論
人は認知的不協和が生じると、それを解消しようと何らかの行動を起こす。
【認知的不協和】を解消しようとする行動
フェスティンガーによる認知的不協和の仮説(命題)
1;人は不協和があるとき、その不協和を低減させるために何らかの行動を起こす。
複数(通常は二つ)の要素の間に不協和が存在する場合、一方の要素を変化させることによって不協和な状態を低減または除去することができる。
具体的には“古い認知”か“新しい認知”のいずれかを否定する傾向にあり、
①“新しい認知”を取り入れ、“古い認知”を変える。
②“古い認知”に拘り、“新しい認知”を否定する。
そのどちらかのことが多い。その場合、比較的「変えやすい」方の認知を変えることで、「絶対に変えられない」認知を正当化しようとする。
そして、
③その自分の選択を正当化するために、都合のいい情報ばかりを集めたり、解釈を変更することで都合の悪い情報を否認し、矮小化することで不協和を解消しようとする。(合理化)
2;不協和を低減させる圧力の強弱は不協和の大きさの関数である。
不協和の度合いが大きいほど、それに比例して低減させようとする圧力は大きくなる。
つまり
・『自分の価値観』と『周りの価値観』との不協和が大きいほど
・『自分の感情』と『周りの感情』との不協和が大きいほど
・『自分の行動』と『他者の行動』との不協和が大きいほど
・『理想の自分』と『現実の自分』との不協和が大きいほど
⋯
心の中の“不安・恐怖・不快感・苦痛・怒り・ストレス⋯”が大きくなり、それを低減しようとする心理的圧力が高まり、冷静になって客観的・論理的な思考ができなくなり、短絡的・衝動的行動をとりやすくなる。
すぐキレたり、嘘をついたり、暴力を振るったり、クレーマーやストーカーになったり、他者を誹謗中傷したり、酒・薬物に手を出したり、また簡単に詐欺やマルチ商法に騙され、陰謀論やカルト宗教に嵌りやすくなったりする。
そうすることで人は無意識の内に認知的不協和を解消しようとしているのである。
自分の行動・慣習 → 認知的不協和 ← 他者の行動・慣習
規則ルールを守る 規則ルールを破る
親・権力者に服従する 親・権力者に反抗する
⬇
(怒り・不快感・不安・恐怖・ストレス・⋯)
自分の行動は正しい。規則ルール・慣習を破るのは許せない。あいつは外国人に違いない。→合理化・陰謀論・排外主義(認知的不協和が大きいほど、拘りや思い込みが強いほど、他者の行動や信念や慣習を尊重できなく、攻撃・差別・排除しようとする)
【認知的不協和】の例
ⅰ.タバコの例
認知1;自分はタバコを吸う。(古い認知・行動)
認知2;タバコを吸うと肺ガンになりやすい。(新しい認知・知見)
このとき認知的不協和が生じる。そこで認知的不協和を解消するためには行動(認知1)を変更して、
認知3;禁煙する。(行動の変更)
これで不協和が解消できる。
しかし、喫煙の多くはニコチンに依存する傾向が強いため、結局は「禁煙」できない人も多い。その場合は、認知2に修正を加える必要が生じてくる。
そこで⋯
認知1;自分はタバコを吸う。
認知2;タバコの煙を吸うと肺ガンになりやすい。←否認・矮小化・見えなくする。
認知4; 喫煙者で長寿の人もいる。(認知の追加)
認知5;交通事故で死亡する確率の方が高い。(認知の追加)
「タバコを吸い続ける」という行動(依存症)を正当化するために、認知4・認知5を付け加えることで、認知2を否認・矮小化しようとする。
ⅱ.『酸っぱい葡萄』の例
イソップ童話の『酸っぱい葡萄』という話で、お腹を空かせた狐が高い木になっている葡萄を食べたいのに、届かずに取ることができない⋯
認知1;葡萄が食べたい。(欲望・理想)
認知2;葡萄を取れなかった。(失敗・現実)
このとき認知的不協和が生じる。
そこで、この不協和を解消するために、狐は『新しい認知』を追加する。
認知3;あの葡萄は酸っぱくておいしくない。(認知の変更)
そう決め付ける(認知を変更する・妄想する)ことで、認知2の葡萄を取れなかったという“動かすことが出来ない事実(失敗)”を正当化し、不協和を解消しようとする。
ⅲ.地震の後に『デマ、噂、流言』が拡散する原因
人は自分の中の不協和が大きいほど、その不協和を解消しようとする心理的圧力が強まり、冷静になって客観的・論理的な思考することができなくなり、感情的・短絡的・衝動的になる。
そうすると『デマ・噂・流言』を信じやすくなる。それはデマを信じることで、認知的不協和を解消しようとするのである。それが地震の後の『デマ・噂・流言』が広まる原因となる。
地震の後の混乱の中で、
認知1;「不安・恐怖・ストレス」の増大。(自分の感情)
認知2;周囲の人々の落ち着き、平穏。(周囲の感情)
その認知的不協和を低減するために、デマを信じ、周囲に不安・恐怖を煽る。
認知3;また大地震が来る。犯罪者がやって来る。外国人が攻めてくる。あれは人工地震だ!(周囲に不安・恐怖を煽る。自分の感情の正当化)
つまり、自分の心の中の不安・恐怖が大きいほど『デマ・噂・流言』を信じ込み、それを拡散し、周囲に不安・恐怖を煽ることで『自分の感情』を正当化しようとするのである。
そこではしばしば感情(不安・恐怖)が暴走し、理性や冷静さが失われ、短絡的・衝動的になり、デマを信じ込み、妄想と現実の区別がつかなくなり、他者を虐殺する。→朝鮮人虐殺
ⅳ.洗脳
①カルト宗教
認知1;教祖の予言「✕月○日、地球が滅びる。信者だけが救われる」
認知2;教祖を信じ、家・財産を売って、高額な献金をする。
認知3;しかし、予言が外れ、何も起こらなかった。
このとき認知的不協和が生じる。
このとき、もし認知2の献金が少額であれば「騙された」と信者を辞めれば良い。しかし全財産を処分し、行く所がない場合、不協和を解消する手段として“新しい認知4”を追加する。
認知4;教祖の力によって危機を避けることができた。教祖は正しい。神の生まれ変わりである。教義を広めることが人のため、国のためになる。(認知の追加)
つまり、どこにも行く所がなく、教団に残るという行動を正当化するために新しい認知を追加する。
②ブラック企業
認知1;きつい、長時間、パワハラ、サービス残業。
認知2;低賃金。
認知3;生活の為に金が必要。経営者に借金がある。他に行く所がない。
このとき認知的不協和が生じる。このとき、例えば賃金が高ければ、不協和は低く我慢ができるのだが、それは到底無理そう⋯。そうすると不協和を解消するために“新しい認知4”を追加する。
認知4;この仕事は人のためになる。将来に役に立つ。やり甲斐がある。(認知の追加、やりがい詐欺、洗脳)
そうして自分の「仕事を続ける。服従する。隷属する」という行動を正当化する。
つまり共通して、カルト宗教もブラック企業も、物理的にも精神的にも《逃げられない状態》の中で、教祖・経営者に《服従・隷属する》ことを選択するようにコントロール(洗脳)されている。
③体罰・虐待・DV
それは『体罰・虐待・DV』でも同じで、親(配偶者・教師・権力者)に『逃げられない状態』の中で、
認知1;親に甘えたい。認められたい。(願望)
認知2;親に怒られる。叩かれる。(現実)
認知3;逃げたいけれど、一人では生きていけない。(現実)
このとき認知的不協和が生じる。そこで、この不協和を解消するために新しい認知を追加する。
認知4;自分が悪いから殴られているんだ。親は自分を愛しているんだ。(変更)
認知5;体罰のおかけで今の自分がある。(自己正当化)
認知6;子どもは体罰によって思いやる心が生まれる。(認知の歪み)
認知7;自分は相手のためを思ってやっている。(認知の歪み)
認知8;批判者は日本人ではない。日本を壊そうとしている。(合理化・認知の歪み)
それはもはや『依存症』。
自分の行動(体罰・虐待・パワハラ)を正当化するために都合の良い情報ばかり集め、認知を歪め、「快感・安心感・優越感・全能感」を得ようとしているのである。
【認知的不協和理論】「保守派」と「リベラル派」
人は自分の行動を正当化したい生き物。自分の行動を正当化するために他の認知を変更する。
例えば、カルト宗教やブラック企業で、《逃げられない・他に選択肢がない状態》の中で教祖・経営者に服従している内に「教祖・経営者は素晴らしい人間。神の生まれ変わり。救世主」と信じ込むと同時に、批判者に対して「自分達を陥れようとしている。悪魔に操られている。嘘つき。劣った、醜い、汚い人間」というような被害妄想・猜疑心・憎悪が湧いてくる。
そこでは「自分の行動を正当化したい」という認知バイアスが働いている。そして、実は、それが「保守派」と「リベラル派」の対立へと繋がってくる。
『学校教育』における「保守派」と「リベラル派」
例えば、往々にして小さい時から良い大学に入るために必死に頑張ってきたエリートは、受験競争や学歴社会を正当化しようとする。また同じように、オリンピックや甲子園などを目指して必死に取り組んできた人ほど、体罰やシゴキを正当化しようとする。
(例えば、「それがあったから今の幸せな自分がいる。困難に負けずに生きて行けている」というように。そして、他者にもそれを強要しようとする)
それは、ピラミッド型管理競争社会の逃げられない環境の中で「競争に勝ちたい。レールから外れては生きていけない。皆と同じでなければならない。他者の上に立ちたい。権力者に認めてもらいたい」と必死に競争している内に、いつの間にかその自分の行動を正当化しようとする心理的圧力が働き、そのピラミッド型権力支配構造を守ろうとするのである。
逃げられない状態 → 他に生きる選択肢がない → そこで生きる糧を得ようとする → 自分の行動の正当化 →『ピラミッド型権力支配構造』の正当化 → 権力者の理想化 ・神聖化 → 独裁者への忖度・服従 → 反対者・批判者への嫌悪・攻撃・憎悪(認知の歪み・被害妄想・陰謀論)
そこでは「権力者は優れた人間」と思い込む同時に、その自分の行動に異議を呈し、批判し、その構造を改革し、破壊しようとする人に対して激しく攻撃する。例えば、「1番でなくても良い。失敗しても良い。レールから外れても良い。個性が大事。差別・格差は良くない」という主張に対して、まるで自分の行動が否定されたかのように感じ、激しく反発する。
それと同じように学校教育の『校則、競争、管理、強制、体罰、差別、家父長制、経済成長、軍国主義⋯』の中で育ってきた人が、その構造を肯定し、その制度を守ろうとすると同時に、それに疑問を呈し、その制度を変えていこうとする、「ゆとり、個性、自主性、男女平等、夫婦別姓、ジェンダーフリー、性教育、体罰禁止、五輪万博反対、環境保護、地球温暖化(CO2削減)、反原発、平和主義など」を主張する人達に対して激しく攻撃・誹謗中傷する。
そこでは反対者に対して「日本を貶めようとしている。外国に操られている。日本人ではない。共産主義者だ。⋯」など、自分の行動を正当化するために認知を変更する。(合理化)
それは、それらを認めることは今までの自分の行動を否定することになるから。
しかし今までの自分の行動・生き方のままでは、いずれ立ち行かなくなる。
1つの価値観・行動に拘り、「自分の行動は間違っていない。この道しかない」と走り続け、反対者を次々と排除しているうちに、いつの間にか周りが見えなくなり、『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥り、いずれ破綻してしまう。
それは例えば、金儲け競争(拝金主義)・経済成長第一主義・売上至上主義で大量生産大量廃棄・都市開発・軍備拡張ばかり追い続けているうちに、環境破壊(公害、自然破壊、地球温暖化、人口減少、貧富の格差、財政赤字、ライフラインの老朽化、資源食料の枯渇など)が加速し、人間が住めなくなったら意味がない。それは一種の“依存症”で、酒・タバコ・クスリ・ギャンブル、あるいは体罰・虐待・パワハラ・仕事中毒などと同じで、一旦立ち止まり、行動を反省し、抑制することができない。
そこでは「自分は間違っていた。このままでは破綻する」と失敗や誤りを認め、新しい考えを取り入れて、自分の行動を変化させなければならない。それは個人でも組織でも国家でも同じ。
いつまでも「自分は間違わない。全部他者が悪い」「批判者は外国人に違いない。日本を貶めようとしている」「国家は間違わない。悪いのは全部他国のせい」「地球温暖化は嘘だ。全部中国の陰謀」などと言っていたら、その個人・国家・組織・政党・企業はいずれ腐敗し、破滅する。
そこで認知的不協和が発生する。
〔今迄の行動・服従〕→【認知的不協和】←〔否定する行動・自立〕
⬇(拡大)
行動を変えない・服従①⬅〈選択〉➡②行動を変える・反抗・自立
「自分は間違っていない」 「自分は間違っていた」
そこで、①「自分は間違っていない」と今までのやり方に拘る人と、②「自分は間違っていた」と反省し、行動を変えていこうとする人に分かれる。
国家・権力者と同一化し、反対意見を排除し①『ピラミッド型権力支配構造(既得権益)』を守り、経済成長第一主義を掲げる保守派と、国家・権力者から自立し、反対意見を取り入れ②『ピラミッド型権力支配構造』を変革し、脱成長主義社会(持続可能社会)を目指そうとするリベラル派に分かれていく。
「親・権力者に認めてもらいたい。否定されたくない」という思い(認知的不協和=劣等感)が強いほど『権力支配構造(規則ルール・道徳・礼儀など)』を絶対化しようとすると同時に、「(その権力構造を改革しようとする)反対者は間違っている。共産主義者だ。ナチスと同じだ」と認知を変更する(合理化・被害妄想・陰謀論)
そして、⋯
その『保守派』と『リベラル派』に分かれる個人差は、どこから生まれるのか?
例えば、関東大震災の後の混乱の中で「朝鮮人が暴動を起こした。井戸に毒を入れている」などというデマを信じ込み亀戸警察署のように進んで朝鮮人らを捕まえて虐殺して回るのか?⋯それとも鶴見警察署長のようにデマを信じず身を呈して匿い守るのか?
また杉原千畝のように押し寄せるユダヤ難民の人達に対してピザを発給するのか?⋯それとも国家の命令を盾に難民達を追い返すのか?(あるいは、その人を「正義の人、英雄」と讃えるのか?⋯それとも、「国家を貶めようとする国賊。売国奴」と罵るのか?)
水俣病が発生したときのように、企業側に立って「企業には責任はない。排水が原因ではない」と主張するのか?患者側に立って企業の責任を追及するのか?⋯そこには個人差が生まれる。
つまり自分が行動するにおいて、「何を最も重視するのか?⋯最も“動かせない信念”は何か?」ということ。国の命令(規則ルール)を絶対に守るのか?⋯それとも、それよりも重要なものがあると考えるのか?⋯強者側に立って権力者を守ろうとするのか?それとも弱者側に立って、権力者の責任を追及するのか?
例えば、五輪万博について「素晴らしい。感動した」と思うのか、「くだらない。時代遅れの遺物」と思うのか?また、戦争について、「他国に悪いことをした。迷惑をかけた。反省すべき」と考えるのか、「日本は悪くない。外国が悪い。反省する必要はない」と考えるのか?
同じように、特攻を「犬死に」と考えるのか?⋯それとも、「国のために戦った英雄」と考えるのか?
そこには自分の行動(信念)を正当化しようとする心理的圧力が働いている。→自分の行動を正当化するために認知を変更する。
そして、その自分の行動を支配する“動かせない信念”はどこから生まれてくるのか?
さまざまなデマや陰謀論やカルト宗教やプロパガンダに簡単に騙される人と、騙されない人の違いはどこにあるのか?⋯常に強者側に立って弱者を攻撃しようとする人と、常に弱者側に立って、権力の責任を追及する人の違いはどこから生まれてくるのか?
【認知的不協和理論】『個人差』が生まれる仕組み【脳の構造】
【認知的不協和】が拡大したとき、それを解消するためにどう行動するか?⋯どういう選択をするのか?
そこには、大きく2つに分かれる。
①.今までの自分の行動に拘り、「自分は間違っていない」と正当化し、批判者を「自分を陥れようとしている」と攻撃し、責任転嫁ようとする。(他責思考)
②.「自分は間違っていた」と今までの自分の行動を反省し、批判を受け入れ、新しい考えを取り入れ、行動をより良い方向へ変えようとする。(自責思考)
そこで、人それぞれに『個人差・個性』が出てくる。そして、その分かれる原因として、【脳の構造】が大いに関係している。
【認知的不協和】と『脳の構造』の関係
Ⅰ:認知的不協和が大きいほど、《前部帯状回》や《背外側前頭前野》の活動が高まる。
《前部帯状回》や《背外側前頭前野》という脳部位は、知覚上の競合・葛藤や痛みの監視、及びその解決に関連していて、認知的不協和においてもこれらの脳部位が重要な役割を果たしている。
そして、自分が好きなのに、手に入らなかったものに対して《線条体》(好み)の活動が減少する。→例えば、それまで好きだった人が嫌いになる。恋人に振られた途端に憎悪する。それまで尊敬していた人が自分と反対の行動をとったために軽蔑し、嫌悪するようになる。(認知が変わる)
そのように認知的不協和が発生し、それを低減させるために「認知を変更させる」とき、《前部帯状回》や《背外側前頭前野》が重要な役割を果たしている。
Ⅱ:“妬み”の感情には《前部帯状回》が関連している。
“妬み”は、「他人の優れたもの・特性」と「現実の自分」との認知的不協和による劣等感を伴う心の痛みで、それには《前部帯状回》が関与している。
そして、妬みに関連する《前部帯状回》の活動が高い人ほど、他人の不幸に対して《線条体》が強く反応する。→"他人の不幸は蜜の味"と感じやすい。
認知的不協和が大きく、心に痛み(妬みや劣等感)を抱えた人は、その心の痛みを軽減するために、他人の不幸を喜んだり、不幸そのものを引き起こそうと、非道徳・非建設的な行動を取る場合があり、時には犯罪につながるケースもある。
Ⅲ:《背外側前頭前野》が、相手の期待を裏切る程度である“罪悪感”に関与していて、その“罪悪感”が人の協力行動に強く影響を与える。
“罪悪感”は、「他者や社会の期待」と「自分の現実の行動」との認知的不協和からきていて、それを低減するために、人と協力(人助け)しようとする。
“罪悪感”は、他者や社会の期待と、自分の仮定の行動で生じる結果との差であり、相手の意図に基づく将来に対する動的なシミュレーション能力です。その表現が高次認知機能の中枢である《前頭前野》に存在する一方、他者との相対的な結果を示す“不平等”に対する表現は、原始的な脳である皮質下の《扁桃体》と《側坐核》に見られました。
“罪悪感”に基づく協力行動が増加するのに対し、“不平等”に基づく協力行動は変化せず、《右前頭前野》の脳活動が示す“罪悪感”と協力行動の間の因果関係が示された。
認知的不協和の拡大→《背外側前頭前野》で罪悪感を感じる→それを低減させるために行動を起こす。人を助け、協力する→そうして認知的不協和を軽減しようとする。
Ⅳ:サイコパス傾向の高い人ほど、嘘をついているときの《前部帯状回》の活動が低い。
「サイコパス」は、良心の呵責や罪悪感、共感性の欠如といった特徴があり、ためらうことなく半ば自動的に嘘をついてしまう傾向があり、その背景に《前部帯状回》の活動低下がある。
Ⅴ:正直者と嘘つきの個人差は、《背外側前頭前野》の活動の違いが影響している。
《側坐核》と呼ばれる脳領域の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高い。側坐核の活動が高い人ほど、嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に、《背外側前頭前野》と呼ばれる領域の活動が高い。
以上のことから、まとめると
【認知的不協和】が拡大したとき、思い通りにいかないとき、失敗やミスや不正を犯したとき、そのときに生じる『不快感・苦痛・嫉妬・不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感⋯』をどうやって解消しようとするのか?⋯⋯そこには個人差がある。
認知的不協和が拡大したとき、
・「自分の行動は間違っていない。自分は正しい。自分には責任がない」と言いはり、嘘(改竄・捏造・隠蔽)をついたり、批判者を攻撃・誹謗中傷したりするのか。
・「自分の行動は間違っていた。自分には責任がある」と反省し、反対意見・少数意見を尊重し、取り入れ、行動を変えようとするのか。
そして、実は、それが「保守派」と「リベラル派」に分かれる原因ともなる。
そして、そこには【脳の構造】ーー特に、葛藤や罪悪感などに関わる《前頭前野》の構造(働き)の違いが大きく影響している。
認知的不協和に陥ったとき、「どう行動するのか?」選択・決定するときの脳の役割
【脳の構造】「保守派」と「リベラル派」の違い
英ロンドン大の研究によると、
「リベラル派であるほど《前帯状皮質》の灰白質の容積が大きく、保守派であるほど《右扁桃体》の容積が大きい傾向があることがわかった」「《前帯状皮質》は複雑性の理解に関連しており、大きい人ほど不確実性や対立への認容性が高く、目新しいものや不確定さを追求する」(→リベラル)
それに対し
「《扁桃体》は恐怖心の処理に関連しており、大きい人ほど、反感や脅すような表情に敏感で、危機的状況・悪いことが起きそうな状況に対して身体が攻撃的に反応する傾向がある」(→保守派)
その【脳の構造】を図で表してみると、下図↓のような傾向があると言える。
「保守派」と「リベラル派」の脳構造の違い(仮説)
①「リベラル派」であるほど《前帯状皮質》の容積が大きく、「保守派」であるほど《右扁桃体》の容積が大きい傾向がある。
②「保守派」は不安・恐怖に敏感で、変化を嫌い、規則・秩序に拘り、異質者・少数者に対して攻撃的・排他的になりやすい。→他責思考。行動を変えない。
③「リベラル派」は変化を好み、不確実性に寛容で、対立を避け、真実を探求し、公正・協調・共生を目指す。→自責思考。行動を変える。
④このことは、逆に言えば、どこの国・地域でも、いつの時代でも、人間の一定の割合で「保守派」の人と「リベラル派」の人がいて、それは『遺伝的要因』と『環境的要因』で決まる。
それはつまり、何か問題が生じたとき=【認知的不協和】が拡大したとき、それにどう対応し、どう行動・選択するかは、その『脳の構造』によって決定され、それにによって「保守派」と「リベラル派」に分かれる、と言える。
「保守派」は周囲の脅威に敏感で、自分の存在を守ろうとする防衛本能から、集団主義・権威主義・全体主義・排外主義的な行動をとりやすい。縁故主義・友達優遇・地位保身に走り、国の命令(規則ルール)の絶対化・家父長制・差別・厳罰化・軍備増強などを主張し、敵や異質者を攻撃・排除することで仲間意識を高め安心しようとする。→ピラミッド思考・他責思考
一方で「リベラル派」は個人の自立・尊厳・自由・平等・人権を重視し、公正・公平な社会を目指し、協調・対話・理解・共生を重視する→フラット思考・自責思考
また、その脳の構造の違いが、「他責思考」と「自責思考」を分ける原因=「罪悪感(罪の意識・自責感)が有るか無いか」とも関係してくる。
何か問題が起こったとき⋯、例えば公害や災害や地球温暖化や戦争や犯罪でも、 『権力支配構造』と同一化し、「日本(権力・企業)は悪くない。日本には責任がない」(=「自分は悪くない。自分には責任がない」)と、その権力構造・差別構造を守ろうとするのか?(他責思考)
それとも、『権力支配構造』から自立し、「日本が悪い。日本に責任がある」(=「自分は間違いを犯す。自分に責任はある」)と、その権力構造・差別構造を批判するのか?(自責思考)
参考)
【脳の構造】『理性』と『本能』の関係
脳は「知性・社会性など」を司る『理性』と、「感情・欲望など」を司る『本能』に分かれていて、『本能』から湧き出る「感情・欲望」を『理性』が制御コントロールすることによって、 人は思考・判断・決定し、行動を起こす。
『本能』から湧き出る、「○○が欲しい」「△△をしたい」とか、「人に勝ちたい」「金持ちになりたい」というような《感情・欲望》に対して、『理性』が、「その目的を達成するためにはどうしたら良いか⋯」「今これをしたらどうなるか⋯」など、様々な選択肢の中から客観的・俯瞰的に見て考える。
そこで「今は必要ない」「身体に害をなす」 などと行動を抑制したり、「他者に迷惑をかけた」「失敗した」などと過去の行動を反省し、もう二度とやらないように注意したり、逆に 「こうすれば解決する」「こっちの方が良い」などという意欲・創意・工夫が出てくる。
そして、その『前頭前野(理性・抑制機能)』と『大脳辺縁系(本能・感情·欲望)』のバランスがその人の性格を形作り、それが個性となって表面(行動)に表れてくる。
【自立する】とは何か?
子どもの頃は『大脳辺縁系(本能・感情・欲望)』の比重が大きく、生きていくためには「親に守ってもらいたい。甘えたい。 構ってもらいたい」という思いでいっぱいだったのが、思春期(反抗期)の頃から『前頭前野(理性・抑制機能)』が発達するに連れ、視野を広げ、自分で生き方を判断・選択できるようになり、親の『命令・期待』に対して、自分の『意志・信念』を守ろうとする【自立心】が生まれてくる。
子供のときは本能の領域が大きく、自分中心で考えていたのが、成長するにつれ、徐々に相手の立場になって考えられるようになる。
遊びや勉強など、社会で成長していく中でいろんな興味や疑問を持ち、冒険や試行錯誤、失敗や挫折をくり返しながら、危機や困難にぶつかったとき、「どうしたら解決できるか?どっちを選択するか?」という、いろんな可能性や生き方を“柔軟”に広げることができるようになる。
そうして人は、経験の中で前頭前野(抑制機能)が発達していくことで自立していく。
では、その【自立する】というのは、どういうことか?⋯別に「何でも1人で出来るようになる」ということではない。
◉自立とは
・依存先を増やす。
・生きる選択肢を増やす。
・困難にぶつかったとき柔軟に対応できるようになる。
・自分を客観的・俯瞰的に見ることができる。反省能力。
・相手(反対)の立場に立って考えることができる。共感能力。
・自分の行動を抑制できる。リスク管理ができる。
しかし、その脳の成長(思考の深さ・柔軟さ)には個人差がある。何か困難にぶつかったとき⋯、自分の思い通りに行かなかったとき⋯、どのような行動を取るか?
⋯そこにその人の個性や才能や成長が表れる。
大人になっても、どんなに良い大学を出ていても、一面的・短絡的・硬直的思考で、善悪二元論・白黒思考・1か100か思考でしか物事を捉えられない、上下関係(支配と服従)でしか人を見ることができなく、規則ルールを絶対化し、それを人に強制しようとする人、相手の立場に立って考えられず、すぐにキレる人、カルト宗教やデマ・陰謀論に簡単に騙される人、常に自分の利益を追い求め、他者には厳しく規律を求めるのに、自分の欲望を抑制できない、自分の責任を認められず、反省できず、平気で嘘をつきまくり、すぐに他者に責任転嫁しようとする人もいる。
その個人差はどこから来るのか?
【神経伝達物質のバランス】の異常
その「理性」と「本能」の関係(脳神経ネットワーク)を形作っているものは“神経伝達物質”である。
そして、その神経伝達物質のバランスは『遺伝的要因』と『環境的要因』で決まり、その中でもストレスへの耐性を決める要因として、特に幼少期の育った “環境”が大きく影響し、《不適切な養育(虐待)》によって【脳の構造】が大きく変わってくる。
人間は『強いストレス』がかかったり、『日常的・慢性的なストレス』がかかり続けると、身体がそれに反応し、神経伝達物質のバランスが変化する。→ストレスがかかると、ドーパミン、ノルアドレナリンが過剰分泌され、セロトニン欠乏が起こる。
その反応は、本来、脳を覚醒させ、集中力・判断力を高め、やる気・意欲・闘争心を向上させる。⋯それは危機に対応するための『防衛本能』であるが、一方で、それが慢性的に続くと「不安・恐怖」を感じる『扁桃体』が活性化され、過敏になる。
そうすると、ちょっとしたことでストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌量が増加し、その濃度が上昇するにつれて、徐々に脳の神経細胞の活動が低下し、海馬や前頭前野が損傷・萎縮し、抑制機能が低下し、欲望・感情(不安・恐怖)の制御ができなくなる。
そのことが、理性的・論理的・合理的な判断ができなくなり、短絡的にすぐにキレたり、非行に走ったり、自殺する原因となる。
よく犯罪を起こした人⋯体罰・虐待・パワハラ・あおり運転・性犯罪・レイプ・汚職・裏金事件など、「覚えていない。記憶にない」と否認し、嘘をつき、「自分は悪くない。相手が悪い。相手が嘘をついている。誰かが自分を陥れようとしている」と、責任を他者になすりつけ、自分の責任を矮小化ようとする。
それは
1:前頭前野の(認知・抑制)機能低下
2:扁桃体(不安・恐怖)の過敏・暴走・機能異常
3:報酬系(線条体・側坐核)の活性化・暴走・機能異常
4:(短期的な記憶や情報を制御する)海馬の損傷
⋯
などの 脳のネットワーク・バランスの異常が影響していると考えられる。
そのために、自分の行動を客観的・俯瞰的に認識できなく、行動を反省し、欲望を抑制できなくなっていると同時に、都合の悪い記憶を消し去り、都合の良いように書き換える。現実と妄想・願望の区別がつかなくなる。
そこでは、『感情・欲望』が暴走する中で、自分の行動を正当化するために平気で嘘をつく。嘘をつくことに葛藤がなく、嘘と現実の区別がつかなくなり、共感や罪悪感や良心の呵責がなくなる。
そこでは、もはや嘘をついているという自覚がなくなる。前頭前野が壊れてしまって罪悪感を感じない。→『サイコパス』になる。
【ネトウヨ・カルト】が生まれる『心理的メカニズム』_《前頭前野》の機能低下と《大脳辺縁系》の暴走
『サイコパス』の特徴として、
サイコパスの特徴はなに?(ChatGPT)
1. 良心の欠如:罪悪感や後悔をほとんど感じない。自分の行動が他人に与える影響に無関心。
2. 共感の欠如:他人の感情を理解したり、共感したりすることが困難。
3. 表面的な魅力:非常に魅力的で話し上手、一見するとカリスマ性があるように見える。
4. 慢性的な嘘つき:平気で嘘をつき、うまくごまかす能力が高い。
5. 責任感の欠如:自分の過ちや問題を他人のせいにする傾向がある。
6.衝動的:計画性がなく、その場の感情や欲望に従って行動する。
7. 冷酷さと操作的な行動:他人を利用することにためらいがなく、感情的に冷たい。
8. 犯罪行動との関連性:一部のサイコパスは反社会的な行動や犯罪に手を染めることがある。
というのがある。
それは、どういう【脳の構造(バランス・働き)】によって生まれるのだろうか?
◉その1.『ピラミッド型権力支配構造』の絶対化_脳が『依存状態(理性<本能)』になる仕組み
受験競争や体育会系、あるいは軍隊や企業や官僚機構などのような『ピラミッド型権力支配構造』の中で、「競争に勝たなければならない。負けたら生きる価値がない」というような社会的・精神的・物理的圧力(ストレス)の中で、ひたすら上を目指し 、「勝った!、負けた⋯」と繰り返していく内に、いつの間にかその『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化するようになる。
そこでは、
①「権力者に認められること」(承認欲求)
②「他者に勝つこと、人の上に立つこと」(優越欲求)
が生きる目的・喜び・快感となる。
そこでは、権力者・親分・教祖の命令は絶対であり、他者との「競争・勝敗・順位・強弱・優劣・上下・⋯」が価値の全てとなり、規則ルールや道徳・習慣・風習・慣例・学歴などの《共同幻想》を絶対化し、それを他者(子ども)に強要し、敗者・弱者・少数者を嘲笑・差別・蔑視し、その構造に対する反対者・批判者・少数者を攻撃・排除しようとする。
(例;体育会系、軍隊、カルト宗教、ブラック企業、官僚、政党など)
それは、その『ピラミッド型権力支配構造(組織)』の中で、上に向かって必死に競争している内に、いつの間にか視野が狭くなり、他に生きる選択肢がなくなり、自分を客観的・俯瞰的に見れる余裕がなくなり、他者に対する共感がなくなり、相手の立場に立って考えることができなくなってしまっているのである。
「権力者に服従する=正義」という思い込み。強者と同一化することで「自分は偉い」と錯覚する。→規則ルール礼儀の絶対化。パワハラ。体罰・虐待。公私混同。共感・罪悪感・俯瞰的視点の喪失。
→自分の行動を反省することができない。平気で嘘をつく。罪悪感がない。→サイコパス
そして、それは脳が『依存状態』になってしまっているのである。
脳が『依存状態』になる仕組み
①ピラミッド型権力支配構造の中で、上に向かって「勝った」「負けた」を繰り返し、
②快感・優越感(ドーパミン放出)を求め頑張っている内に、
③いつの間にか脳が『依存状態』になる。→『前頭前野(理性・抑制)』の機能低下と『大脳辺縁系(本能・感情・報酬系)』の暴走
そこでは、その『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化し、その構造と同一化してしまい、「自分の行動は正しい」と思い込み、「批判者は悪」というような二項対立・善悪二元論に陥ってしまう。
「1番でなければ意味がない。反抗してはならない。皆と同じでなければならない。負けたら生きる価値がない」と思い込み、自分の行動を批判する人に対して激しく憎悪し、攻撃するようようになる。
それは、“ギャンブル・酒・薬・いじめ・買い物・SNS・痴漢・ストーカー・クレーマー・煽り運転・万引き・自傷行為・仕事中毒(ワーカホリック)など”と同じで、その根底にはストレスなどによる脳の神経伝達物質のバランスの異常による「前頭前野の機能低下」と、「扁桃体の活性化」に伴う不安・恐怖の暴走がある。
(それは、駅でスマホやタバコを注意されたり、職場でお喋りを注意されたりしたとき逆ギレして暴力を振るったり、車の運転で割り込みされたと逆上し煽り運転を繰り返したり、恋人に振られたとき自分が否定されたかのように感じ、ストーカーになって執拗に攻撃するのと同じ)
強いストレスがかかると前頭前野が萎縮し、扁桃体が拡大する→不安・恐怖の増大→自傷行為によって不安・恐怖を軽減しようとする→依存症
その不安・恐怖・劣等感・罪悪感・ストレスが増大する中で、快感・優越感(ドーパミン放出)を求めて無意識の内に行動を起こし、1度その 『報酬系の回路』が出来上がると、その“快感”を求めて「やめたくても、やめられない」状態=『依存状態』になり、自分の行動を制御・抑制できなくなっている。
◉その2.『脳の依存状態』と「被害妄想」_依存行動の正当化
“依存症”は『ドーパミン』が大きく関係していると言われている。
『ドーパミン』は快感・優越感をもたらす神経伝達物質で、ストレスが増大し、不安・恐怖・苦痛が暴走する中で、依存行動をすることで、快感・優越感を得ようと身体が無意識の内に動いてしまうのである。
それと同時に『ドーパミン』が過剰になると“妄想・幻覚”が酷くなることが知られている。
人は自分の依存行動を正当化するために幻覚・妄想を作り出す
つまり、不安・恐怖・苦痛・ストレスを軽減しようとする心理的メカニズムの中で、何か大きなもの、組織・権力者・教祖に「依存・同一化」するとともに、その依存行動を正当化するために、心の中の不安・恐怖を投影した幻覚・妄想を作り出す。
例えば、カルト宗教は「悪魔(敵)が自分達を陥れようとしている」(妄想・幻覚)と言って、自分達の行動(教祖への服従・隷属)を正当化し、信者から献金を巻き上げようとする。
同じように、煽り運転を繰り返す人は「相手が先に煽ってきた」と言う。体罰・虐待を繰り返す人は「相手が先に攻撃してきた。自分は被害者だ」と言う。また、たいていの差別主義者は「自分は差別されている。アイツらはズルしている」と言って差別を正当化し、権力者は「批判者は国を貶めようとしている。敵国のスパイだ」と言って権力支配構造(既得権益)を正当化しようとする。
つまり、『依存行動』と「被害妄想」は表裏一体の関係にあり、それは“ドーパミン過剰分泌”と関係がある。
そして同時に、そういう人は「自分は優れている。自分は間違っていない。自分は正しい」、「相手は劣っている。頭が悪い。相手が嘘をついている」と言って、決して自分の否を認めることはない。→優越の錯覚
◉その3.『脳の依存状態』と「優越の錯覚(万能感・全能感)」_ダニング=クルーガー効果
また、『ドーパミン』は「優越の錯覚」とも関係している。
自分は平均より優れていると思う「優越の錯覚」は『前部帯状回』と『線条体』の“機能的結合”の度合いとは、負の相関関係にある。そして、この機能的結合は線条体のドーパミン受容体密度に依存している。
・受容体密度が低い、機能的結合が弱い →《優越の錯覚は強い》
・受容体密度が高い、機能的結合が強い →《優越の錯覚は弱い》※(なお、ドーパミン放出量と受容体結合能は反比例し、ドーパミン放出量が多いとドーパミン受容体密度が低い。ドーパミン放出量が少ないとドーパミン受容体密度が高い。また、ドーパミンが多量に放出されることで受容体密度が低下し、ドーパミンが枯渇することで受容体密度が増加するなど後天的に変化する)
そのことは、前頭前野の抑制機能が低下し、脳が『依存状態』になると、ドーパミン放出量が増加し、葛藤(共感や罪悪感)が無くなり、「優越の錯覚」が強くなることを意味している。
つまり、『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化する中で、「権力者に認められたい。他者に勝ちたい。否定されたくない」という《承認欲求・優越欲求》が強まり、認知的不協和が拡大していくと、やがてその苦痛(ストレス)を解消しようとする『心理的メカニズム(防衛本能)』が発動し、脳が『依存状態』になる。
そこでは上下関係・規則ルール・道徳・礼儀・慣習を絶対化し、「神や国家と同一化」することで、あたかも自分が強くなったかのように錯覚(優越の錯覚)すると同時に、不安・恐怖を投影した批判者に「自分は攻撃されている」という被害妄想が強くなる。
前頭前野の機能が低下すると、罪悪感や葛藤がなくなり、俯瞰的視点・多角的視点で自分や周りを見ることができなくなる。→「自分は優秀、間違わない。何でも知っている。差別は当然。自分には責任がない。全部他者のせい」
参考)
・統合失調症になると、いろいろなことが「わかり」始める。なんでもかんでも「わかって」しまう。
・そしてあらゆることがわかり始めるので万能感が増す。全能感があり、他人を見下すようになる。
・他人を見下すというレベルではない。他人が、知能の劣った存在・脳の回転が異様に遅い存在・猿のように見えてくる。会話不能な存在のような感じだ。
・自分が統合失調症にかかっていたときは「お前らの方が全員支離滅裂で統合失調症だ」と思っていた。
「統合失調症の感覚を説明する」より(抜粋)
◉まとめ.【ネトウヨ・カルト】が生まれる仕組み_不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感…を解消しようとする防衛本能
以上のことから、
サイコパスは、『前頭前野(背外側前頭前野や帯状回前部など)』の機能低下と『大脳辺縁系(報酬系など)』の暴走から生まれる。
そして、
〘脳の依存状態(前頭前野の機能低下と大脳辺縁系の暴走)〙=「国家と同一化(愛国心)」と「優越の錯覚」と「被害妄想」は、相関関係にある
その1.【国家と同一化(愛国心)】「国のために死ぬ」が強くなり、
その2.【優越の錯覚(選民意識)】「自分は間違わない」が強くなり、
その3.【被害妄想(陰謀論)】「批判者(外国人)は自分を陥れようとしている」が強くなる。
と“仮定”できる。
ネトウヨ・カルトの脳内
国家と同一化(愛国心)
「国のために死ぬことが自分の使命」
↗ 相関関係 ↖
/(ドーパミン・依存状態)\
↙ 「不安・恐怖」の暴走 ↘
優越の錯覚 ← ー ー ー ー ー → 被害妄想
「日本スゴイ。間違わない」 「外国が日本を侵略してくる」脳の抑制機能が低下し、不安・恐怖が暴走すると、客観的・俯瞰的視点が失われ、葛藤や共感や罪悪感が無くなる。
そして、そこでは簡単にデマや陰謀論やプロパガンダに騙されるようになる。
そしてそれは、「心の中の不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感・ストレスを解消し、自分の行動(支配欲)を正当化したい」という防衛本能から来ている。
『ネトウヨ・カルト・御用学者』の【精神構造】_共感・罪悪感・葛藤の欠如と客観的・俯瞰的視点の喪失
そうして、脳が『依存状態』になっていくと、前頭前野の機能が低下し、共感や罪悪感や葛藤が失われると同時に、客観的・俯瞰的視点が失われ、論理的・体系的・多角的・科学的思考ができなくなる。
『ピラミッド型権力支配構造』の中で「他者に勝ちたい。権力者に認められたい。人の上に立ちたい。1番でなければ意味がない」と必死に上に向かって競争しているうちに、いつしか、その自分の行動を正当化しようとする『認知バイアス』が働き、そこでは自分の保身と、その『ピラミッド型権力支配構造』(=権力者)を守ることが全てとなる。
そこでは「自分は優れている。間違わない」という優越の錯覚と、「他者が自分達を攻撃してくる」という被害妄想が強くなる。
そして、その自分の行動を正当化しようとする防衛本能から、「その『権力支配構造』は間違っている」と批判する人たちに対して、あたかも自分の存在を否定されたかのように感じ、激しく攻撃・差別・誹謗中傷しようとする。
(例;水俣病における御用学者→「工場排水が原因でない。企業や政府や権力者には責任がない。貧乏人が腐った魚を食べたためだ。被害者は金のために嘘をついている。批判者は外国に操られている」)
自分の存在を正当化しようとするあまり、客観的・俯瞰的視点が失われる
そこでは、思考が「敵か味方か、善か悪か、1か100か」の二項対立に陥り、
「自分の行動を肯定する者」=『善』⇔「自分の行動を否定する者」=『悪』
「権力支配構造を守る者」=『善』⇔「権力支配構造を批判する者」=『悪』
「権力者・教祖に服従する者」=『善』⇔「権力者・教祖を批判する者」=『悪』
・・・・・・
となる。
そこでは、自分の依存行動(支配と服従)を正当化しようとするあまり、一面的にしか物事を見ることができなくなる。都合の良いことばかり見て、都合の悪いことは見ない。→『確証バイアス』
それが公害や沖縄問題への対応の違い、また、在日や難民・移民の人たちに対する対応の違い、さらに、それが『阪神淡路大震災の村山富市内閣』や『東日本大震災の菅直人内閣』の復興対策・対応に対して、『能登半島地震の岸田文雄内閣・馳浩県知事』の復興対策・対応の違いとなって表れてくる。
そこでは、「いかに弱者・被害者や被災者の立場に立って働くか」(フラット思考、リベラル、自立・共生・協調)と「いかに権力支配構造(権力者)を守るか。」(ピラミッド思考、ネトウヨ・カルト、依存・忠誠・排除)の違いとなって表れてくる。
→共生・協調。平和主義。憲法第9条。護憲。自然保護。
自責思考が強い人ほど、弱者の立場に立とうとする→反権力・反差別
他責思考が強い人ほど権力志向が強くなる→権威主義・排外主義
リベラル派は俯瞰的・世界的・地球的視点に立って、いかに弱者のため、社会のために働けるのかを追求しようとする。そこで自分の生きる喜び=『存在意義』を見つけようとする。
それに対してネトウヨ・カルトは、自分の存在に対する不安・恐怖から“権力者に気に入られること”が全てとなり、権力者に“媚を売る”と同時に、反対者・被害者・少数者・弱者に対して、より過激に“攻撃・誹謗中傷・差別”することで、仲間に自分の『存在価値』を誇示しようとする。
そこでは“強者・権力者・教祖・独裁者”と同一化し、“弱者・少数者・批判者・被害者”を差別・攻撃することで、あたかも自分が“強者”になったように錯覚し、気持ちが良くなっている。
しかし、残念ながら、どんなに弱者・少数者・批判者・反対者・外国人を差別・攻撃・排除しても、潜在意識の中の不安・恐怖・苦痛・不全感・劣等感・罪悪感⋯は収まることはない。
自分の置かれている状況(抑圧・ストレス・鬱屈・生きづらさ)は改善することはない。
どんなにいい大学に入っても、馬車馬のように働き続けてカネを稼いでも、高級ブランドを身に纏っても、高級車を乗り回しても、たくさんの異性にモテたとしても、決して心は豊かにならない。満足できない。
どんなに薬を飲み続けても、どんなに弱者を“いじめ・虐待・パワハラ・誹謗中傷”しても、どんなに批判者や外国人を追い出しても心の中の不安・恐怖は収まることはない。
どんなに都市開発し、木を切り倒し、海を埋め立て、タワマンだらけになっても、地方の隅々まで新幹線が通っても、リニアが開通しても、原発再稼働しても、財政拡大させても、老人が全部いなくなっても決して日本は豊かにならないし、心が満足することはない。
同じように、例えばロシアや中国・北朝鮮や大日本帝国のように、どんなに軍備増強し、核武装しても決して安心することはない。
むしろ、そこでは強迫観念に取り憑かれ、『負のスパイラル(依存の悪循環)』に陥り、心の中の不安・恐怖(被害妄想・猜疑心)は膨張し続け、常に誰かを攻撃し続けなければならない。
(それは、もはや『心の病気(依存症、自己愛性パーソナリティ障害)』だから、それを治さない限り止まることはない)
そこでは無意識に『悪い自分』を投影した生贄・仮想敵を作り出し、攻撃することで、心の中の不安・恐怖を軽減し、安心感・優越感・全能感を得ようとする『心理的メカニズム』が働いている。→【防衛機制】
【防衛機制】とは何か?_社会を分断する原因
子どもの頃から、『ピラミッド型管理競争社会』の狭い空間の中に閉じ込められ、強いストレスに晒され続けると脳の抑制機能の発達が抑えられ、「自立」することが困難になる。1つの価値観(比較・競争・学歴・金・地位・強弱・⋯)に凝り固まり、視野か狭くなり、生きる選択肢が狭まり、 融通が利かなくなる。
その逃げることができない『ピラミッド型権力支配構造』の中で、認知的不協和が拡大していくと、それを軽減しようとする心理的な圧力が強まっていく。
そして、その不安やストレスを軽減し、“自分の行動を正当化しよう”とする無意識的な『心理的メカニズム』を【防衛機制】という。
では具体的にどんな防衛機制が働くだろうか。
【分裂(防衛機制)】_不安・恐怖を軽減しようとする『心理的メカニズム』
【分裂】とは、自己に対する『良いイメージ』と『悪いイメージ』を別のものとして隔離すること。『良い自分』が『悪い自分』によって汚染、破壊されるという不安・恐怖を取り除くために、『悪い自分』を潜在意識の奥深くに閉じ込め、見えなくし、認識できなくすることで『良い自分』を守ろうとする。
心を守るための防衛としての分裂
幼少期に虐待を受けた子どもは、信頼するはずの親や保護者から暴力や支配を受けることで、「この人は愛してくれる存在(良い自分)」という認識と「この人は自分を傷つける存在(悪い自分)」という認識が、同時に心に存在できなくなります。この認知的不協和(矛盾)に耐えきれず、心はそれらを「良い面/悪い面」として切り離して捉えるようになります。これが「分裂」です。
そこでは『悪い自分』(怒られている自分)を潜在意識の奥に閉じ込めて認識できなくなる。→『悪い自分』を否認する。
【分裂】と《善悪二元論》_社会を『善』と『悪』に分断し、敵を作り出すことで自分の行動を正当化しようとする『心理的メカニズム』
物事にはすべて『良い側面』と『悪い側面』があるが、『ピラミッド型権力支配構造』の管理競争社会の中で、ストレスが増大するに伴って脳の抑制機能が低下し、分裂が起こると、多角的・体系的に物事を見ることができなくなる。全てを「善か悪か」「1か100か」でしか判断できなくなってしまう。
それは「親から認められたい。否定されたくない」という不安と恐怖の中で、『良い(褒められる)自分=善』と『悪い(怒られる)自分=悪』に分裂させ、自分の『良い側面=善』しか見えなくすることによって、『悪い側面=悪』によって自分が否定される不安を軽減しようとする『心理的メカニズム』から来ている。
そこでは、自分の行動・価値観こそ『善』であり、それを否定するものは『悪』となる。
『ピラミッド型権力支配構造(権力者・親)』に服従する=「褒められる。認められる」=『善』であり、『ピラミッド型権力支配構造(権力者・親)』を批判する=「怒られる。否定される」=『悪』となる。
そして、その分裂した『良い自分』を親分・権力者・教祖・強者と同一化するとともに、その潜在意識の奥に閉じ込めた『悪い自分』を反対者・批判者・弱者・少数者に投影同一視(責任転嫁)し、差別・攻撃・誹謗中傷することで、不安を軽減しようとする。
そうして社会を『善』と『悪』に分断することで、あたかも自分が“権力者・強者”になったかのように錯覚し、安心感・優越感・全能感を得ることができる。
《善悪二元論》_「自分の行動は善、愛国者、多数派、優れている、美しい、正直」⇔「反対者は悪、反日、少数派、劣っている、醜い、嘘つき」という思い込み
例えば学歴社会の中で、いい学校に入る為に必死に受験競争に打ち込んできた人にとって、学歴社会や受験競争を否定することは、自分がやってきた行動を否定することになる。
そうなると、「学歴社会・受験競争」=『善(勝ち組)』であり、それを否定する「ゆとり教育・個性・自主性尊重」=『悪(負け組)』となる。
同じように、体育会系で“オリンピック”や“甲子園”を目指し必死にやってきた人にとって、それを否定されることは自分の行動を否定されることと同義となり、それに批判的な人は『悪(敗者・弱い)』となる。
だから“受験エリート”や“体育会系スポーツ選手”は、その『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化し、その組織(既得権益)や権力者を正当化し、守ろうとする“認知バイアス”が働き、ネトウヨ・カルトになりやすくなる。
そこでは、「権力者に服従する」=『善(勝者・強い・正義)』であり、「権力者を批判する」=『悪(敗者・弱い・悪魔)』となっている。そう思い込まされている。
『ピラミッド型権力支配構造』=「国旗国歌・靖国神社・教育勅語」=「愛国者・日本人」であり、『反対者・リベラル・学者・日教組』=「反日・共産主義者・日本人ではない」となる。
※それは『カルト宗教』も同じ。
『ピラミッド型管理競争社会』の中で、認知的不協和が拡大し、ストレスや不安が増大すると、それを解消しようとする防衛機制が働き、神・教祖を崇拝し、服従・同一化することで自分の存在意義・安心感を見つけようとする。
そこでは熱心にお布施をし、布教活動をすることで、組織に忠誠心を示し、教祖に認められようとする。そこでは、「自分達は正義。神に選ばれた人間。美しい、強い」=『善』と錯覚すると同時に、「批判者は悪魔。共産主義に操られている。自分達を貶めようとしている。嘘つき。醜い、弱い」=『悪』に見える。※それは独裁国家(官僚組織)でも同じ。
その『独裁体制』の中で、独裁者に認められようと必死に競争しているうちに、その行動を正当化するために否定的な意見に対して、「国家を陥れようとしている。外国に操られている。スパイだ」というような被害妄想に取り憑かれ、防衛本能から口汚く相手を攻撃しようとする。
それらは、自分の依存行動を正当化し、 不安・恐怖・劣等感・罪悪感を軽減しようとする【防衛機制】から来ている。そこで、「我国は攻撃されている。自分は国のためにやっている。自分こそ正義・愛国者。反対者は悪・反日・共産主義者」と主張することによって、自分の『既得権益(ピラミッド型権力支配構造)』を守ろうとしているのである。
そうして反対者を誹謗中傷することで、自分の行動を正当化しようとする。
【投影性同一視(防衛機制)】
『ピラミッド型権力支配構造』の中でストレスが強まると、自我が『良い自分』と『悪い自分』に【分裂】してしまう。
そして、どうしても受け入れ難い『悪い自分』(失敗・誤り・弱さ・嘘・感情など)を【否認】すると同時に、潜在意識に【抑圧】した『悪い自分』を他者に投影し、攻撃・差別・罵倒・誹謗中傷することで、あたかも相手に“欠点・落ち度”があるように誘導し、責任転嫁しようとする。
そうすることによって自分の心の中の“劣等感”や“罪悪感”を払拭しようとする。その防衛機制を【投影性同一視】という。
そこでは、自分の失敗や誤りを決して認めない、現実を認めない。すべて他者の責任にしようとする。
そこでは、『良い自分』を権力者・強者・教祖と同一化させ、「自分は正しい。優れている。強い。正義。愛国者」と主張すると同時に、潜在意識の奥底に閉じ込めた『悪い自分』を弱者・少数者・批判者に投影し、「相手が間違っている。劣っている。弱い。嘘つき。反日。左翼。共産主義者」と攻撃することで、自分の中にある劣等感や罪悪感を払拭しようとする。
否認・抑圧した『悪い自分』を相手に投影し攻撃することで、支配コントロールしようとする。→パワハラ、セクハラ、カルト宗教
そこでは、客観的・俯瞰的視点が失われ、自分の失敗・嘘・過ちを認め、反省し、謝罪することができない。
そして、その自分の行動を正当化しようとする『心理的メカニズム』が、「歴史修正主義」や「陰謀論」にも繋がってくる。
【投影性同一視】は、分裂した『悪い自分(本当の自分)』(醜い行動・欲望・後ろめたさ)を映す鏡
相手が「そう見える」ということは、実は「自分がそういう行動をしている」ということでもある。よく、相手を激しく攻撃・誹謗中傷している人を見て、「それは自分自身のことだろう」ということがある。「あいつは金の為にやっている」「自分勝手だ」「嫉妬している」「甘えている」「感情的だ」「攻撃的だ」「発狂している」「捏造だ」「印象操作だ」「差別主義者だ」など⋯それは自分の醜い行動・感情・欲望を相手に投影し、批判することで自分の行動を正当化し、自分の中の劣等感や罪悪感を解消しようとする依存行動なのである。
【分裂】(善悪二元論)と【投影性同一視】_自分の行動の正当化
例えば、カルト宗教に洗脳され、教祖に“服従・隷属”しているカルト信者は、「批判者は悪魔に洗脳され、悪魔に操られている」ように見える。
つまり、批判者が悪魔に“服従・隷属”しているように見える。
神・教祖 悪魔
(服従)Ⅱ(隷属)→【投影性同一視】→(服従)Ⅱ(隷属)
カルト信者 (幻覚・妄想) 批判者
(奴隷) (自立者)洗脳されたカルト信者には、批判者が悪魔に洗脳されているように見える。→陰謀論。被害妄想。自分達の行動を正当化。
それは、鏡に映った自分の姿(錯覚・幻覚・妄想)。
同じように、国家・権力者・独裁者に“服従・隷属”しているネトウヨ・カルトは「自分は正しい。中立。普通の日本人。愛国者」と言うとともに、「マスコミは偏向している。批判者は在日だ、共産主義者だ、外国に操られている。外国に服従し、忠誠を誓っている」と、被害妄想から激しく攻撃する。→陰謀論
権力に服従・隷属しているネトウヨは、批判者が外国に服従・隷属しているように見える(幻覚・妄想)。そして、「あいつは日本人ではない。外国に媚びている」と誹謗中傷することで自分の行動を正当化しようとする。
⋯同じく、それは鏡に映った自分の姿(錯覚・幻覚・妄想)。
【投影性同一視】と『自虐史観』というレッテル
自立心が乏しく、誰かに依存・隷属してしか生きられない人ほど「優越の錯覚」や「被害妄想」が強く、誰かを攻撃せずにはいられない。
それは、ピラミッド型権力支配構造の中で、「認められたい。否定されたくない」という不安・恐怖・劣等感・罪悪感が増大する中で、それを軽減しようとする防衛機制によって引き起こされる依存行動。
(例;体育会系(部活・企業)のいじめ、しごき、体罰。軍隊でのパワハラ、セクハラ、強姦、捕虜虐待、住民虐殺。あるいは、現在の民族差別、人種差別、少数者差別、被害者バッシング、ヘイトスピーチなど。⋯どちらも自分たちがやっていることが悪いことだと認識できない。自分たちは正義だと思い込み、やったことを否認し、嘘をつき、隠蔽しようとする。反省し、行動を改めることができない)
そこでは、「権力者は優れている。間違わない。救世主」と思い込むとともに、組織と同一化し、「組織・権力者のために働く(死ぬ)ことが正義(愛国心)」という使命感(洗脳)のもと、潜在意識の中に押し込めた不安や劣等感や罪悪感を敵や弱者に投影し攻撃・誹謗中傷・虐待・虐殺することで万能感や全能感を得ようとする。→いじめ、体罰、排外主義、捕虜虐待、住民虐殺、特攻
そこでは自分の行動を客観的・俯瞰的に見ることができなく、反省することができなく、行動や欲望を抑制することができなくなっている。
そうして、国家と同一化し、共感や罪悪感や反省能力がなくなってしまった人たちが、「日本スゴイ。日本は神の国。日本人は優秀な民族。悪いことはしていない。虐殺はなかった。強制連行・強制労働はなかった。⋯」と歴史を否認するとともに、自分の後ろめたい感情・劣等感・罪悪感を敵(生贄)に投影し攻撃・誹謗中傷することで安心感や全能感を手に入れようとする。
そこでは、「日本は悪いことをした。反省しするべき」という人に対して、「日本人ではない。在日だ。中国に媚びている」と言うとともに、「自虐史観だ!日本人ヘイトだ!中国のスパイだ!」と攻撃・誹謗中傷することで、「自分=愛国者=善」「批判者=反日=悪」とレッテルを貼ることで自分の行動を正当化しようとする。
権力に依存・隷属してしか生きて行けない人たちが、自分の行動を正当化するために、自立的な人に対して「自虐史観だ!」と非難する。
自分の行動を正当化しようとする防衛機制
不安・恐怖・劣等感・罪悪感を軽減しようとする『心理的メカニズム』不安・恐怖・劣等感・罪悪感
(ストレス)⬇(防衛機制)
分裂・否認・抑圧
(ドーパミン)⇩(善悪二元論)
国家と同一化
(被害妄想)↗ ↘(自分は善)
「自虐史観だ!」 「日本人ファースト」
(攻撃・排除)↖ ↙(反対者は悪)
投影性同一視
「自虐史観だ!」と非難する側における投影性同一視の流れ
1. 内心にある罪悪感・不安・劣等感の増大。
2. 『良い(優れた)自分』と『悪い(劣った)自分』に分裂。
3. 『良い(優れた)自分』を権力者・強者に投影同一化する。
4. 潜在意識の『悪い(劣った)自分』を批判者に投影。
5.『自分は善=愛国者』『批判者は悪=反日・売国奴』という妄想
6. 「自分(日本)は悪いことはしない」という錯覚
7. 「自虐史観だ!」「日本人ヘイトだ!」「中国のスパイだ!」というレッテル貼り。
8. 自己正当化(健全な愛国者だという感覚)
9. 反論や議論が再び罪悪感を刺激 → ループ
この繰り返しで感情的対立が固定化されます。
抑制機能が低下し、他責思考に陥ると、自分の行動を正当化しようとする防衛機制が働き、他者を「自虐史観だ!」と誹謗中傷する。
それは、逆に言えば自分の『自立心』や『罪悪感』や『客観的・俯瞰的視点』の欠落していることの裏返しでもある。
権力の『奴隷』は、自分が『奴隷』であることを認めたくないために批判者に対して「反日、売国奴、在日、左翼、共産主義者」と誹謗中傷することで、自分の行動を正当化しようとする。
罪悪感が壊れた『歴史否認主義者』は、自分が『嘘つき』であることを認めたくないために学者に対して「自虐史観だ」と誹謗中傷することで、自分の行動・価値観を正当化しようとする。
それは、潜在意識の中で、不安・恐怖・劣等感や後ろめたさがあるからに他ならない。それを打ち消そうとする防衛機制が働き、事実を客観的・俯瞰的に見ることができず、その否認した醜い自分を相手に投影し、誹謗中傷することで必死に自己正当化しようとしているのである。
それは、心の中の不安・劣等感・罪悪感の表れであり、自分に自信がないからに他ならない。自分の行動に自信がなく、自分の行動を正当化するために、脳が「錯覚・幻覚・妄想」を作り出しているのである。
自信がなく、自己肯定感が低いから、唯一の拠り所の『日本人』(国籍・戸籍・姓・家族)とか『男』とか『女』というものに異常に拘り、国家と同一化し、規則ルール(決まりごと)・道徳・風習・マナーなどを絶対化し、それを他者に強制することで優越感・万能感・安心感を得ようとする。
そこでは、「日本は神の国。日本人は優れている。日本人は選ばれた民族」と陶酔するとともに、「日本は絶対に悪いことはしない。虐殺はなかった。強制連行・強制労働はなかった。被害者は嘘をついている。従軍慰安婦はただの売春婦」と『悪い日本』を否認すると同時に、批判者や被害者を誹謗中傷する。
そこでは
【善】→「国家に服従する。国のために死ぬ」(ピラミッド思考、支配と服従)=権威主義=家父長制・男尊女卑=大日本帝国=靖国・特攻=愛国者
【悪】→「国家を批判する」(フラット思考、自由と平等)=民主主義=自由・平等・ジェンダーフリー・選択的夫婦別姓=第9条・人権尊重=外国に操られている・反日・売国奴
となっている。
そこでは、自我が分裂し、善悪二元論に囚われ、客観的視点が失われ、他責思考に陥り、自分の行動を反省することができない人が、日本の戦争責任を認めたり、権力の不正を追求する人達(学者・マスコミ・野党など)に対して「自虐だ。日本を貶めようとしている。在日で、中国のスパイ工作員だ。他国に忠誠を誓っている」というように認知を歪め、誹謗中傷し、自分の行動・価値観を正当化しようとする。
そこでは自分の行動・価値観こそが正義だと思い込んでいる。
行動するにおいて何を最も重視するのか?そこで『自分の行動=善』『反対者=悪』と決めつけ、自分の行動を正当化するために他者を攻撃する。
【投影性同一視】と『プロパガンダ』_独裁体制の正当化
他国を侵略する国家は、大抵「相手が先に攻撃してきた。これは自衛のための戦争だ。敵国は侵略者だ」と言う。
そして、独裁者は国家と同一化し、「自分の行動は正しい、愛国者。国のために命を捧げろ」と主張する。と同時に、「批判者は外国に操られ、自国を貶めようとしている。敵国のスパイだ」と言って粛清・排除しようとする。
そうすることで、自分の『ピラミッド権力支配構造(独裁体制・軍国主義・ファシズム)』を正当化し、国民を支配コントロールしようとする。
これも【投影性同一視】と言える。
それは自分の心の中の「不安・恐怖・劣等感⋯」を軽減しようとする防衛機制から来ている。
それは、
攻撃的な人が、「相手が自分を攻撃しようとしている」
差別主義者が、「自分は差別されている。批判者は差別主義者だ」
嘘つきが、「批判者の捏造。自分を陥れようとしている」
煽り運転者が、「相手が先に煽ってきた。自分は被害者だ」
虐待する人が、「相手が先に反抗してきた。躾のためだ」
パワハラ者が、「相手が嘘を言っている。組織を壊そうとしている」
レイプ犯が、「合意の上だった。自分が嵌められた」
ネトウヨ・カルトが、「批判者は外国に操られている。日本を貶めようとしている」
歴史修正主義者が、「相手が歴史を捏造している」
ファシストが、「マスコミは偏向している。在日に支配されている。自分達を弾圧しようとしている」
・・・
と言うのと同じ。そこでは自分の行動を正当化しようとする【防衛機制(投影性同一視)】が働き、自分の後ろめたい行動を相手に投影し、押し付け、脳が“妄想・幻覚”を作り出しているのである。
それと同じで、独裁者は自分の中の「不安・恐怖」を軽減するためには、常に『良い自分』を投影した“神・教祖・国家”と同一化するとともに、『悪い自分』を“投影同一視”した“仮想敵・少数者・弱者”を攻撃し続ける必要がある。
独裁者が『権力支配構造』を正当化しようとするプロパガンダ【防衛機制】
①自国は優れている。我々は選ばれた偉大な民族。神の国。
②敵国は野蛮な劣った民族。自国を侵略・支配しようとしている。悪の国。
③批判者は他国のスパイ。自国を貶め、弱体化させようとしている。共産主義者。
そこでは無意識の内に、国民の不安・恐怖・憎悪を煽ることで、『ピラミッド型権力支配構造(既得権益)』を絶対化し、自分の独裁体制を正当化しようとしているのである。
そして、それと同じような手法(プロパガンダ)として、《ウイグル話法》がある。
《ウイグル話法》
《ウイグル話法》とは、日本国内の差や人権侵害、あるいは政府の不正を追及するリベラル・野党などに対して「じゃあウイグルはどうなんだ?ウイグル問題を批判せず日本の人権問題だけ批判するのはダブルスタンダードだ!」と威圧恫喝する詭弁術のことであるが、その言葉の後には大抵「批判者は中共のスパイ工作員に違いない。日本を貶したいだけ。嫌なら日本から出ていけ」と誹謗中傷する言葉が続く。これも【投影性同一視】と見ることができる。そこでは、否認した『悪い自分』を批判者に投影し、攻撃・誹謗中傷・恫喝することで、相手を支配コントロールしようとする防衛機制が働いている。そうして自分の行動(権力支配構造・差別や不正)を正当化し、絶対化しようとする。そして、そういう人(差別主義者)は決まって「日本は正しい。悪いことはしない。虐殺はなかった。強制連行・強制労働はなかった。従軍慰安婦はただの売春婦」と歴史否認すると同時に、その否認した『悪い日本』を中国に投影し、「中国が日本を侵略しようとしている。ウイグルで虐殺をしている」と恐怖を煽り、批判者は「中国に操られている。中国のスパイ。共産主義者・全体主義者で、虐殺を行ったナチスやポルポトと同じだ」と誹謗中傷する。《沖縄話法》《夫婦別姓話法》
同じように、沖縄で辺野古埋立・新基地建設反対運動に対して、「反対者は在日。外国に金をもらっている」と誹謗中傷するとともに、「野党が勝つと中国が攻めてくるぞ!」というデマ、陰謀論を広め、不安や恐怖を煽る。さらに選択的夫婦別姓についても「中国共産党の日本社会解体計画の一部で、家族制度を壊して国を乗っ取るのが目的。それが実現されると、次は戸籍制度が廃止され、中国人移民が増え、日本が乗っ取られ、ウイグルやチベットのようになるぞ!」と不安を煽ることで自分の行動(権力支配構造)を正当化しようとする。《LGBT話法》
またLGBT理解増進法についても「LGBT法が通ると、女性トイレや女性風呂に男が入ってくるぞ!」というような言説が盛んに拡散され、人の不安・恐怖を煽ることで自分の行動を正当化しようとする。
それらも、1つの【投影性同一視】だと言える。
つまり、自分が普段からやっている行動や欲望(支配欲・攻撃欲)や後ろめたさを批判者・仮想敵・少数者に投影し、デマ・陰謀論を拡散し、周りの不安・恐怖・憎悪を煽ることで自分の行動(依存・隷属・差別)を正当化しようとしているのである。
そして、それは『自己肯定感(尊厳)』の低さ、精神の未熟さ、前頭前野の機能低下、不安や劣等感や罪悪感の暴走、自我の分裂(自己愛性パーソナリティ障害・ナルシシズム)からきている。→『依存的人間(国家と同一化)』
『自立的人間』と『依存的人間』
①『依存的人間』が生まれる仕組み_虐待の連鎖
子どものときから虐待や過干渉やネグレクトなどの“不適切な養育”のもとで育って行くと、前頭前野の抑制機能(自立心・共感・罪悪感)が成長できなく、生きる選択肢が狭まり、『依存的人間』になりやすくなる。
そこでは[支配と服従]の関係しか築けなくなる。
虐待された子供が成長し、大人になったら子供を虐待するようになる仕組み。
それは、『ピラミッド型権力支配構造』の中で、「良い子でなければならない。他者に勝たなければならない、負けてはいけない、皆と同じでなければならない」というようなプレッシャー(同調圧力・強迫観念)の中で、「大人に認めてもらいたい、否定されたくない」というような欲望が増大するにともない、自分の行動を正当化しようとする防衛機制によって引き起こされる。
そこでは常に権力者の顔色ばかり伺い、ご機嫌を取ることが喜び・快感となり、将来に対する想像力や弱者への共感が失われ、自分の行動を俯瞰的に見ることができず、客観的な判断ができなくなくなる。→権力者を守るため、組織を守るため、嘘をつき、記録を改竄・廃棄する。
「“権力者を守る”こと、“組織を守る”こと、“既得権益を守る”こと」=「国家のため、国民のため、子供達のためにやっている」と洗脳されてしまっている。
だから、受験エリートやスポーツ選手ほど、『依存的人間(保守的・権力志向)』になる。“規則ルール・道徳・礼儀・マナー・上下関係⋯”に拘り、それを他者に強制しようとする。
②『依存的人間』は共感能力が崩壊し、他者との適切な距離がとれない。
『ピラミッド型権力支配構造』の弱肉強食社会のストレスの中で成長していくと、自我が『良い自分』と『悪い自分』に分裂し、『良い自分』を権力者・強者に同一化する一方で、『悪い自分』を弱者・少数者・批判者に投影し、強制・攻撃・虐待・パワハラ・誹謗中傷することで不安・恐怖・劣等感・罪悪感を払拭し、安心感・優越感・満足感を得ようとする。
そこでは、「自分は優れている、美しい、正義、偉い」と思い込むと同時に、「反対者は劣っている、汚い、嘘つき、醜い」と錯覚する。
「不安・恐怖・劣等感・罪悪感⋯」を解消しようとする『防衛機制』
ーーー(自分は正義・強い・偉い・人気者・支配者)ーーー
| 権力者・教祖・強者・人気者・多数派 |
| 安心感 (服従・忠誠)Ⅱ(依存・同一化) 全能感 |
| 「自分は強い、偉い」自分「批判者は劣っている」 |
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(支配・管理・命令・強制)⇩(虐め・体罰・特攻・虐殺)
子ども・弱者・少数者・批判者
「国家・権力者のために命を捧げろ」権力者・教祖・神と同一化し、規則ルールを他者に強制することで安心感・全能感・万能感を得ようとする。→規則ルール、国旗国歌、靖国・特攻の正当化・絶対化
権力と同一化し、権力者に媚び諂い、国旗国歌や靖国や特攻を絶対化し、他者に強制することで支配欲を満たそうとする。
そこでは、1つの価値観(勝敗・優劣・強弱⋯)に凝り固まり、他者への共感が崩壊し、適切な距離が保てなく、他者の行動や考えを尊重できなくなる。
そして、現実と妄想の区別がつかなくなる。
現実の自分の生活に全然関係ないのに権力者・強者・人気者・アイドルに同一化することで、まるで自分が強く、偉く、人気者になったかのように勘違いし、優越感や誇りを感じたりする、一方で、『悪い自分』を投影した批判者・子供や有名人・アンチの言動に対して、まるで自分の存在が否定されたかのように感じ、被害妄想から激昂し、憎悪し、攻撃・虐待・体罰・パワハラ・誹謗中傷する。
「批判者は人を見下している。甘えている。ズルしている。日本を貶めようとしている。金のためにやっている。在日に違いない。頭が悪い。発狂している。悪い奴は死んで当然」など。
そこには「良い子でなければならない。反抗してはならない。規則は守らなければならない。勝たなければならない。甘えてはいけない。上司の言うことは絶対。負けたら生きる意味がない」という強迫観念(不安・恐怖)の中で、無意識に“自分の行動・価値観を正当化したい”という防衛機制が働いている。
③『国家』との同一化 = 御用学者・ネトウヨ・カルト
それは国家に対しても同じで、認知的不協和が拡大し、自分の存在(死)に対する不安が大きく 、『悪い自分(弱さ・醜さ・未熟さ)』を認識できず、自分の行動を反省できなく、「自分は間違わない。強い。正義。中立」という“優越の錯覚”が強い人ほどネトウヨ・カルトになりやすい。
排外主義、移民排斥、厳罰化、国旗国歌の強制、スパイ防止法、学術会議解体、改憲を主張する。
そして、何か問題が起こったとき「日本は悪くない、悪いのは外国のせい。外国が日本を侵略しようとしている」という“被害妄想・他責思考”に陥り、責任を他国に転嫁しようと激しく攻撃する。⋯それは『国家』と『自分』を同一化してしまっているから。
そうすることで、安心感・満足感を得ようとしているのである。
しかし、そこでは権力に対して、適切な距離感が保てず、俯瞰的・多角的な視点が失われ、客観的・論理的・科学的な思考・判断ができなくなる。
それは、脳が『依存状態(ピラミッド思考・他責思考・優越の錯覚・被害妄想)』に凝り固まり、客観的・俯瞰的・科学的判断が出来なくなってしまっている。そこでは、自分の行動(権力支配構造)を正当化するために認知を歪めてしまう。→捏造・改竄・隠蔽・廃棄⋯。自分に都合の悪いことは見ない、いや、見えなくなる。
自分の行動を正当化するために、都合の悪いことは見えなくなり、認知が歪む。「自民族は優れている。日本人ファースト」という人ほど、他責思考に陥り、陰謀論や歴史修正主義を主張する。
そこでは、何者にも縛られない『自立的人間(フラット思考・自責思考・罪の意識)』でなければならない。『悪い自分』や『弱い自分』が認識できる人でなければ、真実は見えない。
『依存の悪循環(負のスパイラル)』の構図
「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」
『ピラミッド型権力支配構造』の中で、認知的不協和が拡大し、心の中の「不安・恐怖・劣等感・罪悪感⋯」が増大すると無意識のうちにそれを解消しようとする『心理的メカニズム(防衛機制)』が働き、自分の行動を正当化するために都合の悪いことが見えなくなる。
そして、強者・権力者・教祖と同一化するとともに仮想敵・悪魔(錯覚・幻覚・妄想)を作り出す。
『良い自分』と『悪い自分』を分裂させ、『良い自分』を権力者・強者・教祖に投影するとともに、『悪い自分』を否認し、少数者・弱者・批判者に投影し、攻撃することで不安や恐怖を解消し、優越感や全能感を得ようとする。
そこで自分の行動を正当化するために「奴ら(弱者、少数者、在日、部落民、沖縄、アイヌ、クルド、⋯)は劣っている。野蛮な民族。土人。嘘つき。金のためにやっている。犯罪者。生産性がない。醜い。ズルしている。日本を貶めようとしている」(投影性同一視)と認知を変更する。
自分を正当化しようとする『防衛機制』
「国家のために命を捧げる」(言っていること)
『良い自分』→理想化・同一化→『権力者・教祖・強者』
ストレス ⬇分裂・否認 攻撃・差別↘ ↖被害妄想
『悪い自分』→ 投影性同一視 →『少数者・弱者・批判者』
嘘・裏金・身内優遇・既得権益(やっていること)
↑認識できない「自分は間違わない。優れている。美しい。愛国者」「反対者は劣っている。嘘つき。野蛮。醜い。反日」と認知を変更する。(自己愛性パーソナリティ障害)
「自分は正しい。強者。清廉潔白。美しい」→「弱者・反対者は嘘つき。さもしい。汚い。劣っている。醜い」
そこでは脳の抑制機能が低下し、葛藤や罪悪感や共感がなくなり、自分の行動(差別・ヘイト・攻撃・誹謗中傷)を止めることができなくなる。→脳の『依存状態(依存症)』
『依存の悪循環(負のスパイラル)』
ピラミッド型権力支配構造
(管理・競争)⬇(同調圧力)
不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感
(防衛機制)⇩(依存状態)
分裂・否認・抑圧・攻撃
(ドーパミン)⇩(善悪二元論)
国家と同一化
ヘイトスピーチ↗ ↘ 日本スゴイ
排外主義 〘依存の悪循環〙 選民思想
侵略される ↖ ↙ 歴史否認
被害妄想不安を解消しようとする防衛機制
権力支配構造の絶対化(ストレス)→分裂 →自分の行動は正しい。日本人は優れている。【選民思想】→誰かが自分を陥れようとしている。【被害妄想】→「反対者は外国に操られている。悪人が日本を支配しようとしている。外国人は出て行け」【排外主義・ヘイトスピーチ】→陰謀論、歴史修正主義。【ファシズム・カルト国家】→ はじめにループ(固定化)し、抜け出せない。
『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥ると、自分の行動を制御できなくなる。抑制機能が低下し、葛藤や罪悪感や共感が麻痺して反省することができない。自分の行動を正当化するために、絶えず反対者を攻撃・誹謗中傷せずにはいられない。
不安が暴走する中で、気の合う仲間内で群れを作り、自分の『ピラミッド型権力支配構造』を正当化するために規則ルールを絶対化し、社会を敵(善)と味方(悪)に分断し、批判者を次々と作り出し、攻撃・排除・粛清していく。
「国旗国歌・道徳・愛国心・靖国・特攻の強制」「歴史修正主義の台頭」「マスコミ・批判者・学者への攻撃・誹謗中傷」「少数者・外国人への差別・排除」⋯、その中で徐々に気づかない内に独裁体制が形成されて行く。
最初は軽い冗談・噂話や嘲笑が、やがて、ジェノサイドへと繋がる。
“SNS”も最初は最初は軽い冗談・悪戯だったのが、いつの間にか会社に重大な損害を与える。
“いじめ”も最初は軽い悪ふざけだったのが、いつの間にか殺人にまで発展する。
“虐待”も最初は軽い躾のつもりだったのが、いつの間にか死にまで発展する。
“カルト宗教”も最初は緩いサークルだったのが、いつの間にかテロにまで発展する。
それは国家でも、ナチスや大日本帝国(明治維新)でも同じ。
最初は小さな政治集団だったのが、次第に大きくなるに従って、小さな嘘・欺瞞・不正が段々と積み重なり、後戻りできなくなり、最終的には国家を破滅へと導いていく。
そこでは、いつの間にか『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥り、自分達の行動を反省し、抑制し、後戻りすることが出来なくなってしまう。
そこでは自分たちは正しいと思い込み、「権力(日本)批判は許さない。批判者を攻撃・排除・粛清する」という空気が蔓延し、縁故主義・身内優遇・癒着・裏金が蔓延し、チェック機能が崩壊し、『支配集団』はいつの間にか焼け太り、富を山分けし、格差が拡大し、庶民が疲弊していく。
『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥る原因は何か?_「盲目となる」原因
1:自信がない人ほど国家と同一化し、他者に強制したがる
人は不安・恐怖・劣等感・罪悪感⋯が増大すればするほど、それを軽減しようとする防衛機制が働き、自我が分裂し、国家権力やカルト宗教と同一化し、「規則ルール・礼儀・マナー・道徳・上下関係⋯」を絶対化するとともに、それを子供・弱者・少数者に強制し、支配・差別・攻撃・誹謗中傷することで安心感・満足感・優越感・万能感⋯を得ようとする。
それは不安・恐怖を解消しようとする“依存行動”。
それは、自分の『死』が怖い人ほど、「厳罰化(死刑)」を叫び、逆に自分の『死』を許容している人ほど「死刑廃止」を主張するのに似ている。
そこでは、「自分は悪くない。弱くない。正しい。間違わない。優れている。強い。偉い」という優越の錯覚が強まると同時に、「悪者が自分を陥れようとしている。批判者は金のためにやっている。被害者は嘘をついている。貧乏人は自分に嫉妬している」というような猜疑心や被害妄想に取り憑かれ、自分の行動が抑制できなくなってしまう。
1つの価値観(競争・勝敗・順位・優劣・学歴・地位・名誉⋯)に縛られ、上のご機嫌をとることばかりに気を取られ、周りが全然見えなくなる。→盲目となる。
2:虐げられて来た人ほど、保守的・権威的・排他的になる
『ピラミッド型権力支配構造』の権威主義的な社会・組織・集団の中で、差別され、虐げられていた“マイノリティー・弱者・少数者・貧困層など”の人達が苦労して成り上がった途端に、より権威的・排他的になり、批判者を弾圧・排除し、弱者を痛めつけ、少数者を差別・虐殺しようとすることがある。
それは劣悪(過干渉・虐待・貧困・戦争など)な環境の中で必死に頑張っている内に脳の抑制機能が成長できず、共感や罪悪感や想像力が失われ、欲望の膨張を止めることができなくなり、周りの状況を冷静に俯瞰的に見れなくなっているのである。
そこでは『悪い(弱い)自分』を認めることができず、自分を客観視できず、“支配欲”が暴走し、独裁者と同一化し、五輪万博・リニア・原発再稼働・辺野古埋立・マイナ保険証・神宮外苑再開発などを推進し、緊急事態条項・スパイ防止法・軍備増強・改憲を叫び、国旗国歌や道徳や愛国心や靖国や特攻を強制しようとする。
他者を1つの価値観で縛ろうとする。⋯それは自分に自信がないから。
精神が未熟で自信がない人ほど権力者(独裁者)や国家と同一化し、客観的・俯瞰的・多角的思考ができなくなり、反対の立場になって考えることができなくなり、他者・弱者・少数者・被害者を差別・攻撃し、批判者・野党・学者・マスコミに対して誹謗中傷しようとする。
そうすることで脳の中で快感物質(ドーパミン)を放出させ、「自分は正義、強い、勝者、偉い、勝ち組、支配者」と錯覚し、承認欲求や優越欲求を満たし、優越感・万能感・安心感・満足感を得ようとしているのである。
3:愛国心(自己肯定感・尊厳)がない人ほど、他者に愛国心を強要したがる
例えば、自分に自信がなく、自己肯定感や尊厳・自立心が弱い人ほど子供や部下に「1番でなければ意味がない。反抗・批判は許さない」と競争・忠誠・服従を強制する。
そこで権力者・強者・勝者・人気者と同一化し、「○○のようになれ! ○○を見習え! 国家のために命を捧げろ!」と強要すると同時に、「お前は何をやっても駄目な奴だ!」などと、他者を威圧・強制・蔑視・恫喝・差別・攻撃・虐待することで自分の中の劣等感を払拭し、優越感を得ようとしているのである。
逆に自分に自信がある人は「順位なんてどうでも良い。どんどん反対意見を言っても良い。批判しても良い」と言うだろう。
なぜならそのことにより、その人は多角的視点、新しい視点を手に入れることができる。
また、その意見をどんどん取り入れることで、より考えを深め、成長できる。新しいものを発見し、創造できる。
(それは技術革新だけでなく、例えば体育会系で昔は「水飲み禁止」だったのが、今は「こまめに摂るべき」と変わったように)
それと同じように、自分に愛国心や誇りがないから、他者に愛国心や誇りを強制したがる。他の意見・考えを排除したがる。
日本の歴史や文化に愛着も責任感もないから、平気で自然や文化を破壊する。森を切り倒し、海を埋め立て、国土を掘り進めようとする。平気で歴史や公文書を捏造し、隠蔽・廃棄する。他国や沖縄やアイヌの自然文化を尊重できない。権力者・強者・教祖に迎合し、媚を売ると当時に他者の批判や反対意見・少数意見に耳を傾け、反省することができない。
客観的・俯瞰的・多角的視点に立って、自分の責任を認め、失敗を認め、負けを認めて撤退することができない。
そこでは、自分の権力を正当化するためには、常に権威や神と同一化し、規則ルールを絶対化し、道徳や愛国心を強制し、不安や恐怖や憎悪を煽り、対立を煽り、社会を分断し、批判者を攻撃・誹謗中傷し、排除・粛清し続けなければならない。
そうして【カルト国家】(ファシズム)になっていく。
『愛国心』とは何か?_権力への服従・隷属【カルト国家】
そもそも『愛国心』とは、「自分を大切にしよう」という心(自己肯定感・尊厳・自立心)から湧いてくるものであるから、「愛国心を持て」と言って強制できるものではない。
そもそも親や社会から虐げられ、存在を否定され続けた人が、「自分の命を大切にしよう。他者や生き物や自然を大切にしよう」と思うだろうか?
それに、自分に本当に『愛国心(尊厳)』があるならば、相手の『愛国心(尊厳・伝統・文化・自然)』も尊重できるだろう。
逆に「国の為⋯」という『依存的人間』ほど罪悪感や共感や反省能力が低く、相手の気持ちや行動を尊重できない。
自分の『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化させるためにウイグル問題や北朝鮮日本人拉致や外国人犯罪について強調し、不安・恐怖・憎悪を煽り、他国の脅威(台湾有事)を煽り、靖国を賛美し、「国のために死ぬ」ことを子供に強要する。
そこでは「特攻があったから今の日本の平和繁栄がある」などと歴史を修正し、暗に「自分(権力者)のために命を捧げろ!」=「自分に従え。服従しろ!」と言っているのである。
*それは“カルト宗教”と同じ。
神・教祖・教団と同一化し、「お前は悪霊に呪われている。悪魔が攻めてくる」と信者を騙し、不安・恐怖・憎悪を煽り、「神・教祖のために命を捧げろ!たくさん献金しろ!そうすれば救われる。天国に行ける」と強制(洗脳)することで、支配欲を満たそうとしているのである。そして、そういう人ほど「批判者は悪魔に操られている。自分たちを陥れようとしている」とか、「信者が進んで献金した。騙される方が悪い。被害者にも責任がある」などと自分の行動を正当化しようとする。
それはマイナ保険証・五輪万博IR・辺野古埋立・リニア・原発なども同じで、それ自体は何の意味もない。
ただ、その利権に群がり、「これをすれば儲かる。便利になる。これが唯一の解決策」などと騙し、「反対者は反日。日本を貶めようとしている。中国に操られている。金のためにやっている」と憎悪を煽り、それを強行することで支配欲を満たそうとする。『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化しようとする。
そして、そういう人ほど、「日本は神の国。日本スゴイ。日本は悪いことはしない」「国のため、子供達のため、国民のため⋯」と言いながら、ひたすら私利私欲、既得権益、自然破壊、縁故主義、友達優遇、権力の私物化、税金の山分けに邁進する。
そして、そういう反省できない依存的な人ほど教育に口を出したがる。道徳や愛国心を強制したがる。特攻を美化したがる。それは自分の行動が批判され、否定され、人に見捨てられるのが怖いから。死が怖いから。
つまり、自分に自信がないから。
“理想”と“現実”との『認知的不協和』(矛盾・嘘)が拡大する中で、自分の中の不安・恐怖・劣等感・罪悪感⋯を払拭するためには、常に誰かを攻撃し、自然を破壊し続けなければならない。
自分の存在・行動・価値観『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化するためには、絶えず批判者を誹謗中傷し、排除せずにはいられない。他国の脅威を強調せずにはいられない。『仮想敵』を作らずにはいられない。
『日本型ファシズム』の成立_「鬼畜米英」から「対米従属」への変節・寝返り
軍備を増強し、批判者を弾圧・粛清し、外国を侵略する国は「敵国が侵略しようとしている。これは国を守る自衛のための戦争だ。相手国が悪い。自分たちは正義。我国は被害者だ。批判者は我国を陥れようとしているスパイだ」と、常に誰かを攻撃することで、自分達の行動を正当化しようとする。
独裁者は自分の『ピラミッド型権力支配構造』を正当化するために『仮想敵』を作り、脅威を強調し、国民に『愛国心』=「国のために死ぬこと」を強制することで独裁体制を強固なものにしようとする。
戦前の日本で、欧米列強のアジア侵略に対する「不安・恐怖・劣等感」の中で、その脅威に対抗するために“富国強兵”のスローガンを掲げ、国内の産業・財政・教育制度を整備し、軍事力を強化し、中央集権国家体制を確立していった。
と同時に対外的には資源・領土・利権を求めて大陸に侵攻し、植民地化していく。
そこでは『皇国史観』(選民思想)に基づく『忠君愛国』教育を推進し、「日本は神国。優れた民族」と洗脳すると同時に、「外国人は野蛮な劣等民族。日本を陥れようとしている」などのプロパガンダで差別や不安・恐怖・憎悪を煽り、全体主義・軍国主義・帝国主義体制を整えていく。
その『軍部・政治家・財閥』のトライアングル(軍部独裁体制)の中で、国民はただの1つの『使い捨ての消耗品』となり、次第にエスカレートし、軍部の暴走により日中戦争に突入し、そのブームに乗り遅れまいと新聞が戦争を煽り、戦争に疑問を呈し、全体を客観的に分析し、冷静に判断できる人や、政府に 批判的な人を次々と左遷・弾圧・粛清していく。
その『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、もはや誰も止める人がいなくなり、欲望(支配欲)の暴走の抑制が効かなくなり、嘘に嘘を積み重ね、後戻りすることができなくなり、ついには欧米との利害衝突の中で太平洋戦争(真珠湾攻撃)へと突入する。
そこでは『権力支配構造(軍部独裁体制)』を正当化するために、「欧米は日本を侵略しようとしている(鬼畜米英)」という被害妄想のもと、「列強から東アジアを解放する」という名目で、「自存自衛・大東亜共栄圏建設・八紘一宇」などのスローガンを掲げ、その行動(侵略戦争)を正当化しようとした。
その『負のスパイラル』の中で、冷静な判断力・想像力が麻痺してしまい、人間としての尊厳や共感が失われ、国民・兵隊は権力者の1つの使い捨ての道具(消耗品・おもちゃ)となり、兵士は次々と餓死し、特攻や玉砕やインパールや捕虜·住民虐殺などを次々と行う。
例えどんなに国民が疲弊し、兵士が次々と餓死していく中でも自分の行動を止めることができない。
それは1つの『依存行動』⋯そこでは決して自分の誤り・失敗を認めることができない。批判や反対の声に耳を傾け、行動を反省し、撤退することができない。
その『依存行動』の目的は、「“国家・天皇のため”という名目で、ただ自分に服従させる。捕虜や住民を虐殺する(させる)、部下を特攻(死)に追いやることで組織を一体化させ、支配欲を満たし、快感を得る」ことにある。
だから指揮官は部下に命令するだけで、自ら進んで死にに行くことは決してない。
自分達は安全な所でのうのうと裕福に暮らし、その行動を「国を守るためで仕方がなかった。それは決して私利私欲のためではなかった」などと自己正当化し、自分のしたことを反省し、責任を取ることはない。
それは現在の“いじめ・虐待・パワハラ・誹謗中傷⋯”と同じで、それをする人は、組織・権力者・強者と同一化し、規則ルール・道徳・礼儀を絶対化し、他者に命令し、支配することによって快感・優越感・万能感・全能感(ドーパミン)を得ようとしているのである。
そこでは脳の抑制機能が麻痺してしまい、葛藤や共感や罪悪感がなくなり、被害妄想に取り憑かれ、客観的・俯瞰的視点が失われ、自分の行動を反省し、抑制することができなくなっている。
そうして敗戦後も、自分達がやった行動を反省することができず、「なぜ侵略戦争を始めたのか?なぜ撤退することができず、たくさんの犠牲者を出してしまったのか?」という根本原因を究明し、事実を解明し、指導者の戦争責任を追及することなく、米ソを中心とした『東西冷戦構造』の中にそのまま組み入れられてしまった。
そこでは、それまで「天皇陛下万歳!鬼畜米英!」を叫び、多くの人間を死に追いやった同じ人達が、戦争に負けた途端にそのまま「対米従属!反共産主義!」に変節し、寝返った。
そして、その自分のみっともない行動(変節・寝返り・服従・隷属)を正当化するために仮想敵を作り、脅威を煽ることで自分達の『権力支配構造』を正当化し、「批判者は敵国のスパイ。日本を貶めようとしている」と言って排除・粛清しようとする。
そこでは戦前と同じ過ちを繰り返している。
そこには自分の心の中の不安・恐怖・劣等感を、勝者・強者に媚び、服従・隷属することで、安心しようとする『心理的メカニズム』が働いている。
そしてそれは、日本人の精神的未熟さ、自立心・自己肯定感・尊厳・罪悪感の低さによる依存性・奴隷根性に起因している。
そこでは過去を反省し、自分の行動を抑制することができず、同じ過ちを繰り返す。
アメリカ 中国・共産
(服従)Ⅱ(隷属)→【投影性同一視】→(服従)Ⅱ(隷属)
ネトウヨ・カルト (幻覚・妄想) リベラル・野党『対米隷属・自民党独裁体制』の正当化
アメリカと同一化し、服従・隷属している『ネトウヨ・カルト』には、批判者は「中国に操られている。中国に媚びている」ように見える。→陰謀論。被害妄想。自分達の行動(隷属)の正当化
そうして日本国民は、いつの間にか『天皇制・軍部独裁体制』から、『対米従属・自民党独裁体制』へ、「天皇のために命を捧げよ!」から、「米国のために命を捧げよ!」へと洗脳されてしまっている。
【認知的不協和理論】『変節・寝返り』の正当化_常に強者に隷属し、弱者を痛めつけようとする『心理的メカニズム』
人は、戦争・災害・虐待・過干渉・競争・貧困⋯などのストレスにさらされ続けると、“不安・恐怖”を感じる脳の扁桃体が拡大し、活性化されると同時に、前頭前野の抑制機能(理性・共感・罪悪感)が発達できず、本能(感情・欲望・行動)の暴走を抑制することが困難になる。
自立心が失われ、生きる選択肢が狭まり、権力者・強者に媚び諂うと同時に、子ども・弱者・少数者・被害者に対して虐待・パワハラ・セクハラ・差別・誹謗中傷を繰り返すことで、快感(ドーパミン)を得ようとする。
例えば、
・虐待の中で育った子どもが成長し、親になった途端に子どもに対して威圧的になり、何度も虐待を繰り返す。
・体罰の中で育った人が、指導者になった途端に体罰やパワハラを繰り返す。
・DV被害者が暴力的な人に惹かれ、依存・隷属し、同じことを繰り返す。
・マルチ商法・詐欺・カルト・デマ・ 陰謀論に騙される人は、何度も繰り返し騙される。
・戦争で過酷な体験をしてきた帰還兵が、人が変わったようになり、配偶者や子どもに暴力を振るうようになる。
そこでは脳の抑制機能が壊れ(PTSD)、自分の行動を客観的に認識し、反省できなく、行動を抑制できなくなってしまっている。
それは、もはや『依存症』と言っていいだろう。
それは脳の中の“不安・恐怖”が暴走する中で、無意識の内に“快感・安心感・優越感”を求め、身体が勝手に動いてしまい、止めたくても止められない状態になっているのである。そこでは常に強者に隷属し、弱者を痛め続けなければならなくなっている。
それと同じように、受験競争や体育会系などの『ピラミッド型権力支配構造』の管理競争社会の中で、「勝たなければならない。負けたら生きる意味がない」と必死に頑張ってきた人ほど、保守的・攻撃的になり、その『権力支配構造』を正当化しようとする。
そこでは、いつの間にか「権力者は正しい。日本は悪いことをしない。権力者のために命を捧げるのが自分の使命」=『愛国心』と思い込むと同時に、「反対者・平和主義者は悪人。外国に操られ、日本を陥れようとしている売国奴」=『反日』と洗脳されてしまっている。
そこでは国家・権力者・勝者と同一化し、客観的・俯瞰的・科学的・多角的・体系的思考が失われ、「日本は神の国。日本人は選ばれた民族」という『選民思想』と、「外国は野蛮な民族。日本を侵略しようとしている」という『被害妄想』に取り憑かれ、「日本は悪くない。悪いのは全部他国」という『他責思考』に陥り、「日本は他国に迷惑をかけた」という『罪悪感・罪の意識・反省能力』(=客観的・俯瞰的思考)が失われてしまっている。
そして、その自分の依存行動を正当化し、『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化するために、陰謀論や歴史修正主義が生まれる。
例えば、ネトウヨ・カルトは「特攻のおかけで今の日本の平和繁栄がある」と、特攻を讃美し涙を流す一方で、批判者・リベラルの「特攻は犬死だった。指導者は無能だった」という言説に対して、まるで自分の存在が否定されたかのように感じ激昂する。
そして「批判者は外国に洗脳されている。死者への冒涜だ。日本人ヘイトだ」と誹謗中傷する。そこでは大局的な視点で物事を捉えることができない。客観的・俯瞰的視点に立って、間違いを間違っていたと認め、失敗を失敗と認識し、悪いことを悪かったと反省できなければ、何度も同じ過ちを繰り返す。
そしてその自分の行動を正当化するために嘘に嘘を積み重ね、常に他者に責任を押し付けている内に、その『権力支配構造』は徐々に腐敗・劣化していき、いずれ大事故が起こり、誰か犠牲者が出るまで改革できない。
それは自分の存在に対する『自己肯定感(尊厳)』の低さ”の裏返し。
そこでは常に強者・勝者に依存・隷属することでしか生きられなくなっている。
その証拠に、そういう「米英が日本を侵略しようとしている!鬼畜米英!国のために命を捧げろ!」と言って、たくさんの人を死に追いやった人(権力者)たちが、「自分たちがやった行動は正しかった」と反省できず、敗戦後、大量破壊兵器で20万人以上の自国民を大量虐殺した米国に媚び諂い、「共産主義者が世界を支配しようとしている。日本を侵略しようとしている」というのプロパガンダのもと、米国のために軍事基地を差出し、兵器を言い値で大量購入し、国民に米国のために命(カネ)を捧げる(貢ぐ)ことを強要し、同じ行動(過ち)を繰り返している。
そこでは強者・勝者と同一化し、批判者・弱者・貧困層・少数者・被害者・犯罪者・外国人を攻撃することで、あたかも自分が強くなったかのように錯覚し、気持ち良くなっている。
「大企業・政府を擁護する御用学者」(→水俣病)
「白人至上主義者を支持する有色人」(→BLM攻撃)
「米国第一(覇権)主義者を支持する日本人」(→中国覇権主義批判)
「富裕層優遇政策を支持する貧困層」(→自己責任論)
「右翼・日本民族主義を支持する在日外国人」(→中韓クルド排斥)
「統一教会を信奉するネトウヨ」(→スパイ防止法)
「警察のマネごとをする反社・youtuber」(→私人逮捕)
⋯
そこでは自分が常に強者側・正義側にいると勘違いしていて、「自分で自分の首を絞めている」ことに気づかない。
1つの価値観に凝り固まり、反対者・弱者・少数者・異端者・脱落者を次々と攻撃し、排除していく内に、知らず知らずの内に自分自身の生きるための選択肢がなくなり、自立できなくなり、想像力がなくなり、リスク管理ができなくなり、潔く“失敗・誤り・負け”を認めて撤退することができなくなり、いずれ戦前の日本のように『ファシズム』に陥り、行き詰まり、破綻する。
独裁者は人々の感情(不安・恐怖)や欲望を煽り、選択肢を狭めて行くことで、独裁体制を強固なものにしようとする。そして、国民は独裁者を支持(同一化)することで、自分が強くなったかのように錯覚し、優越感や万能感・全能感を得ようとする。
それは自分の行動を正当化するための無意識的な【防衛機制】からきている。
常に勝者・強者に媚び諂い批判者を攻撃・誹謗中傷することで権力者に認められようとする。そこに生きる喜びを感じるようにプログラムされている。それは“権力の奴隷”が生きていくための手段。
戦後《対米従属・自民党独裁体制》の正当化と『靖国神社』の役割
戦前は、欧米列強の“世界分割競争”に伴うアジア侵略・植民地化による脅威に対する“不安・恐怖・劣等感⋯”の中で、自分達の『権力支配構造』《明治維新→藩閥独裁体制》を正当化し、強化していった。
しかし、そこから形成されていった『軍部・政治家・財閥』の《軍部独裁体制》の中で「依存の悪循環(負のスパイラル)」に陥り、欲望(支配欲)と被害妄想(不安・恐怖)が暴走し、冷静な思考・判断能力が麻痺してしまい、自分たちの行動(侵略)を抑制することができず、終には太平洋戦争(真珠湾攻撃)に踏み切り、破綻する。
そして日本はポツダム宣言を受託し、GHQ占領統治の下で日本を破滅に導いた『軍部・政治家・財閥』の《軍部独裁体制》を解体し、非軍事化・民主化を図ろうとするも、その後の『朝鮮戦争』から『米ソ対立』=『東西冷戦』へと移行する過程で【アメリカ軍産複合体支配体制】の中に組み入れられてしまい、アメリカ主導のもとで、新しい『権力支配構造』が形成された。
そこでは「反共産主義」のプロパガンダのもと、一度は解体しようとした戦前の『軍部・政治家・財閥』の組織構造が、そのまま『自民党・官僚・財界』に再生・移行され、《自民党独裁体制》が出来上がってしまった。
そして、そこで自分達の『権力支配構造(既得権益)』を正当化するために様々な工作活動が行われた。
『権力支配構造』を正当化するためのプロパガンダ
①.『権力支配構造』を正当化するために常に仮想敵を作り、国民の“不安・恐怖”を煽り、軍備を増強し、(経済)戦争を仕掛ける。
②.『権力支配構造』を正当化するために歴史を否認し、書き換える。“神話”の作成。→“明治維新”の正当化。世襲・縁故主義の正当化。自分たちの権力支配の正当化。
③.『権力支配構造』を正当化するために陰謀論を拡散し、批判者・反対者に対して「敵国に操られているスパイだ。共産主義者だ」と誹謗中傷し、排除する。
④.『権力支配構造』に従順な人間を作るための教育改革。国旗国歌の強制。教育基本法の改正。教育勅語の復活。靖国神社の国家護持。そして、改憲。→『「国(権力者・教祖)のために死ぬこと」=「愛国心」』という洗脳・擦り込み。
そこでは、自分の“いじましい、みっともない行動”(変節・寝返り、服従・隷属・売国、カルト・ファシズム、不正・虚偽、弱さ・醜さ・汚さ⋯)を、批判者や戦前の軍国主義ファシズムを否定する憲法に投影し、攻撃・誹謗中傷することで自分達の『権力支配構造(既得権益)』=《明治維新・藩閥独裁体制》→《大政翼賛・軍部独裁体制》→《対米従属・自民党独裁体制》の継続性を正当化しようとする。
そして、その自分の《独裁体制》を正当化し、絶対化するためには『靖国神社』が重要な役割を持っている。
独裁体制を正当化し、侵略戦争を正当化するための装置としての靖国神社
『靖国神社』と「独裁体制」
靖国神社は戊辰戦争で新政府側として戦死した者を神と祀るために創設され、江戸幕府側の戦死者は祀られていない。そこには旧幕府軍を悪・逆賊・犯罪者として排除・処刑・虐殺することで、新政府軍の正当性を象徴する意味合いがあった。
つまり、靖国神社は単なる「日本(天皇)のために戦って死んだ人を祀る戦没者慰霊のための神社」というよりも、明治維新政府(主に薩長)による江戸幕府に変わる独裁体制《藩閥独裁体制→軍部独裁体制》を正当化し、戊辰戦争(テロ・クーデター)やそれに連なる弾圧粛清や侵略戦争や虐殺を正当化し、推奨する役割を持った施設だと言える。
それ故に、靖国神社が侵略戦争を指導したA級戦犯を合祀することは当然の成り行きだったと言える。
そこでは、靖国神社への『公式参拝』や『国家護持』が必要になってくる。
しかし、そこで矛盾が生じてくる。
1つは、新しい『日本国憲法』が侵略戦争を反省し、それを行った独裁体制を再び生まないように作られたものだから、当然、独裁体制や侵略や虐殺を正当化する『靖国神社』とは相容れない。(→政教分離)
2つ目が、靖国神社が名目上「天皇のために死んだ戦死者を祀る」神社としているにも関わらず、その天皇が現人神(置き物、操り人形)から、民主的な人間天皇に変わり、侵略戦争を反省し、独裁体制を否定していること。
そこでは、皮肉にも《独裁体制》を抑制するための装置として『憲法』が機能してしまい、《天皇制独裁体制》を推進している人たちにとって天皇が敵になってしまっていると同時に、《天皇制独裁体制》を否定するリベラルにとって天皇が最後の望みの綱となってしまっている。
改憲派(独裁体制推進) 護憲派(反独裁体制)
保守ウヨ・カルト → 対立 ← 天皇=リベラル
靖国参拝・A級戦犯合祀 靖国参拝拒否・合祀反対
国旗・国歌強制 強制は良くない
侵略ではなかった 侵略行為の反省
そこでは、流石に「天皇は反日!共産主義者!外国人に違いない」とは言えない。
そこで、「天皇はGHQに洗脳され、騙されている」として、必死に《対米従属・自民党独裁体制》を正当化すために歴史の修正を行おうとする。
《対米従属・自民党独裁体制》を正当化しようとするプロパガンダ→『歴史修正主義』
・明治維新(テロ・クーデター)の正当化。靖国神社の神聖化。家制度(家父長制・男尊女卑)の絶対化。『大日本帝国(全体主義・軍国主義)』の正当化。 ・日本の大陸進出は侵略ではなかった。 ・欧米の侵略に対する正当防衛だった。 ・満州事変は中国の謀略。南京虐殺は捏造。 ・太平洋戦争はアジア解放のための聖戦だった。 ・強制連行、強制労働はなかった。 ・住民虐殺、捕虜虐殺、人体実験はなかった。 ・特攻は犬死ではなかった。 ・英霊のおかけで今の平和・繁栄がある。 ・“モリカケ桜”はマスコミ・野党の捏造。 ・アベノマスクは意味があった。 ・辺野古移設が唯一の選択肢。 ・反対運動は中国に操られている。 ・選挙で反対派が勝つと中国が攻めてくる。 ・原発・五輪万博・リニア・再開発の反対運動は金をもらってやっている。 ・福島原発の爆発は菅直人の責任。 ・八ッ場ダムが利根川の洪水を防いた。 ・アベノミクスは正しかった。日本の没落は財務省のせい。 ・夫婦同姓が日本の伝統。選択的夫婦別姓は中共の陰謀。・・・など
そうして『悪い日本』を否認すると同時に、それを敵国に投影して誹謗中傷することで独裁体制を正当化しようとする。
そこでは、「韓国は自ら進んで日本に併合された。慰安婦は金のために自ら進んでやっていた売春婦。日本軍は現地の人から歓迎され、感謝されていた」となる。
それは現在の自分(日本)を投影したもの(投影性同一視)。
⋯それは鏡に映った現在の日本の姿。(醜い奴隷国家)
自分の行動を正当化しようとする防衛機制
(自分の醜い行動を正当化するために、他者を誹謗中傷する)
「自分の醜い行動」→【投影性同一視】→「他者を誹謗中傷する」「日本は米国に媚びている」→【投影性同一視】→「リベラルは中国に媚びている」
「日本は自ら米国に隷属している」→【投影性同一視】→「韓国は自ら進んで日本に併合された」
「日本は只の売春婦。お金が全て」→【投影性同一視】→「従軍慰安婦は只の売春婦。金のためにやっていた」
自分の『権力支配構造』(対米従属・自民党独裁体制)を正当化するために大日本帝国(軍国主義ファシズム)を正当化し、それを批判する他国や学者や憲法を誹謗中傷する。
そこでもし仮に《明治維新・藩閥独裁体制》や《大政翼賛・軍部独裁体制》を否定し、「韓国に酷いことをした。間違っていた。過去を反省し、被害者に謝罪すべき」とすることは、自分達が今やっている行動、《対米隷属・自民党独裁体制》の正当性を否定することになり、引いては自分の存在意義を否定することになるから、決して日本の否を認めることはない。
劣等感が強い人ほど、『家族(家制度)』とか『家父長制』とか『夫婦同姓』とか『戸籍』とか『日本人』に拘り、それを拠り所にしようとする。そしてその行動を正当化するために歴史修正主義を信じ込み、陰謀論やカルト宗教に嵌り、批判者を攻撃する。そうして『権力支配構造』を正当化し、絶対化しようとする。つまり、そこに自分の存在意義を見い出しているから、それを否定されることを極端に嫌う。
『日本的ファシズム』の成立
人は受験競争や体育会系などの競争社会の中で、自分の存在に対する“不安・恐怖・劣等感・罪悪感⋯”が増大するほど、それを解消しようとする防衛機制が働き、保守的になり、国家(権力者)と同一化しようとする。
そこでは、脳の『理性』が成長できず、「皆と同じでなければならない。負けたら生きて行けない。反抗は許されない。失敗は許されない。否定されたくない。権力者に認めてもらいたい」というような強迫観念に支配され、生きるための選択肢(経験・余裕)が狭まり、自立できなくなる。
生きづらさが増大する中で、その『ピラミッド型権力支配構造』を絶対化し、異様に“国家とか性別とか学歴とか上下関係とか順位とか規則とか礼儀とか国旗国歌とか⋯”に拘り、融通が効かなくなる。
そこでは『権力者(権力構造・独裁体制)』と同一化してしまい、それを笠に着て、他者にそれを強制し、支配しようとする。独裁者を支持し、簡単にデマや陰謀論に騙され、少数者・弱者を攻撃・誹謗中傷し、批判者・少数者・弱者・外国人を排除することで万能感・全能感を得ようとする。
そこで自分が強く、偉くなったかのように錯覚し気持ち良くなっている。
その結果⋯、
いつの間にか日本は『ファシズム』『全体主義国家』『軍国主義国家』になっていた。
そこでは『権力支配構造(独裁体制)』に服従・隷属するこそ正義で、反対者は悪・反日・売国奴・共産主義者となる。
自分が否定されたくないという不安と恐怖の中で、決して自分の否・不正・失敗・過ち・弱さを認めない。自分を守るために、常に責任を他人に押し付け、嘘を嘘で塗り固め、それを正当化するために被害妄想に取り憑かれ、批判者・反対者・弱者・少数者を攻撃し、誹謗中傷し続けなければ自我が保てない。
他者の考え・生き方・選択を尊重することができない。反対意見・少数意見に耳を傾けることができない。弱者や被害者の立場に立って考えることができない。
自己肯定感が低く、尊厳・自立心・罪悪感が成長できない中で、国家と同一化し、「日本は悪くない」と【歴史否認】すると同時に、「外国が日本を侵略しようとしている。批判者は中国のスパイ」というような【被害妄想・陰謀論】をマスコミ・SNSを使って拡散し、国民の不安・恐怖や憎悪を煽ることで『自民党・財界・官僚』の 『権力支配構造(既得権益)』=《対米従属・自民党独裁体制》=『日本型ファシズム』を正当化し、強化しようとする。
そこでは支配層は次第に焼け太っていく。
一方で、国民は徐々に貧しくなっていく。
米国への貢物としての軍事費だけが膨張し続け、日本国は滅びていく。
そうして『ピラミッド型権力支配構造』を正当化し、絶対化するために、仮想敵国の脅威を煽れば煽るほど、そして批判者・反対者・少数者・弱者を攻撃し、排除しようとすればするほど、日本は軍国主義・全体主義・ファシズムに後戻りし、「国のため」という名目で、米国に土地を差し出し、言い値で兵器を買い続け、結果、米国や支配層は儲かっていく一方で、貧富の格差が拡大し、日本国はどんどんと疲弊し、衰退して行く。