ご依頼内容
しばらくパソコンから離れる時にセキュリティや節電のためにスリープ機能を利用される方はいらっしゃると思いますが、今回はこのスリープ機能が効かなくなってしまったというご依頼です。
Windowsに標準でついている「パソコンの操作をせず一定の時間が経ったらスリープ状態にする」という機能も、デスクトップ画面左下のWindowsマークから電源メニューの「スリープ」のクリックからも、電源ボタンを押したらスリープ状態になるように設定した上で電源ボタンを押しても、どうやってもスリープになりません。
画面が真っ暗になり、スリープになるのかと思ったら、再起動します。時には、ブルースクリーンでIRQL GT ZERO AT SYSTEM SERVICEエラーが表示されて再起動してしまいます。
修理内容
まず、何が邪魔をしているのか調べました。
Windows Powershellを「管理者として実行する」で起動します。
下記のコマンドを実行して、電源オプションにぶら下がっているデバイスを確認します。
> powerconfig -requests
スリープに関係するのが「SYSTEM」なので、この欄にデバイスが表示され、「現在○つの〇〇が使用中です。」と表示されたらそれが犯人です。
上記の場合、「Realtek High Definition Audio」が的中しました。
「Realtek High Definition Audio」が使用中でもスリープ機能が働くように、下記のコマンドで「Realtek High Definition Audio」を無視してもらうように設定します。
> powercfg -requestsoverride driver "Realtek High Definition Audio"SYSTEM
完了の返答もなく待機状態に戻ります。
設定できているか心配なので、下記のコマンドで確認します。
> powercfg -requestsoverride
結果に、下記の通り表示されれば設定完了しています。
> Realtek High Definition Audio
これでスリープ状態になる時に、「Realtek High Definition Audio」を無視してくれるようになりました。
念のため再起動をしておき、起動してからスリープにしてみると、スリープが効くようになりました。スリープの解除も問題ありません。
問題は解決したのですが、もう少し詳細に原因を特定することにしました。
「Realtek High Definition Audio」はスピーカーやマイクのソフトなので、設定アイコン から「サウンド」を開き、何かヒントがないか調べてみます。
スピーカーの方に特に関係のありそうな項目はありません。
すると「マイクのプライバシー設定」の中に、オフにできる項目がいくつかありました。
一つ一つオフにしてみて確認してみましたが、その中で「デスクトップアプリがマイクにアクセスできるようにする」という箇所に、「Speech Runtime Executable」というのがあり、これをオフにしてみたところ、
powershellで
> powerconfig -requests
と入力しても、「SYSTEM」の欄に「なし」と表示されるようになりました。「Speech Runtime Executable」が原因だったようです。
同じ現象が出ていて、PowerShellに抵抗がある方は、マイク機能を使わないのであれば、上記の「Speech Runtime Executable」をオフにするとスリープの不具合は解決できるようです。
料金
30分以上の作業: 6,000円(税込)