落描きではありません、落書きです
オプチャに送ったやつをこっちにも書くだけ
※ライライ姉妹母捏造
────これはとある季節の変わり目のお話
とある初冬の寒空の下、そこにあるのはその町でいちばん大きいであろう屋敷。
そしてお屋敷の1つの部屋に2人の姉妹。
「お……おねぇたま……大丈夫ですか……?」
妹───ライムがそう呟く。
弱々しく呟くその姿、瞳からは少し涙が零れている。
ライムの目線の先には床に入って苦しそうにしている姉──ライオンが。
そう、ライオンは季節の変わり目のせいか、風邪を引いてしまったのだ。
「だ……大丈夫ですよライムさん。少し体調が悪いだけ……ですから。」
ライオンは薄目を開け、ライムにそう言う。
その言葉の間には幾つか咳が混じっていた。
その様子を見たライムの眼はさらにうるうると涙を出している。
「うぅ……おねぇたまが死んじゃいますうぅぅ!!!」
ライムは先程の弱々しい声とは段違いに大きくなった声でそう叫ぶ。
どうやら風邪を引くと死ぬと思っているらしい。
「ラ、ライムさん……私は大丈夫ですから……」
ライオンはライムの様子に困ってしまう
正直に言ってしまうと、ライオンはそろそろ眠りたい。
眠らないと今後の稽古に支障が出てしまうかもしれないから。
しかしライムがこの様子、妹思いのライオンは参ってしまうだろう。
と、そんな時。
「ライム!病人の部屋に易々と入ってはいけません!」
バッと勢いよく開く襖。
その先には姉妹の母がいた。
そしてライムを抱っこし、部屋を出てすぐに降ろす。
「おかぁたま……おねぇたまは……」
「心配ありません、薬を飲んで睡眠を取れば治ります。」
ライムの心配の声に母はこう一言。
そして「もう入ってはいけませんよ」と付け足し、その場所をあとにした。
「むぅ……」
ライムは庭で鞠を持ちながら寂しそうに声を漏らす。
苦しそうな表情のライオンがまだ目に焼き付いているのだ。
「おねぇたまがいないとつまらないです……」
鞠を1回跳ねさせながら呟くライムを、母は遠目から見ていた。
母は庭に出て、ライムと目を合わせるとこう言った。
「ライム、少し頼まれてくれますか?」
「え?」
ライムは不思議そうに首を傾げた
〜多分続く〜
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!